11 エルフの長老
今日はいよいよエルフの長老に謁見する。
エルフは他の種族とは別格で、この世界では国の王様よりの偉い存在だそうだ。
エルフの長老ともなれば、神様と同じ感覚なのかもしれない。
ライトを見てると、あまり実感が湧かないな……
世界樹の根元にある祠に通された。
別に門番がいるわけでもなく、エルフが普通に行き来している。
ちょっと変わったものが来たなと、興味深そうに見てはいるが……
――♠♠♠――
齢900才は越えるというエルフの長老は、祠の奥にいた。
長老は蔦が絡まる椅子に腰かけており、今にも周りの景色に同化しそうである。
長老が念波で話しかけてくる。
「わしは、エルフの長をやっておるラビじゃ。自己紹介してみい(念波)」
「はい。私はショ・「そっちじゃない! 皆でやるやつじゃ!(念波)」
美夜がズイッと前へ出て、「わかったわ。とくとご覧あれ!」
美夜が口上を述べる。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花、われらショウと乙女7人衆
「Lip Magic Generations」よ」
「略してL・M・G~」
と言って炎が私の後ろで燃え上がり、雷に打たれた後、ピッとポーズをとる。(私はまた黒くすす焼けた。)
長老が目を点にしている。赤くなってきた。
苦しそうにして椅子から転げ落ちた。ライトが素早く駆け寄る。
「だ、大丈夫ですか? ラビさま(念波)」
「こ・殺す気か! だ・駄目じゃ! ・・く・苦しい・・(念波)」
面白いとは思うが、そこまでかなぁ?
周りを見ると、他のエルフ達も声もなく悶え苦しんで転げまわっている。
声出せないからなぁ……苦しんでるのか、笑っているのかよく分からん。
美夜が「感激されたようで、何よりです」と頭を下げた。
まぁ確かに感激しているようにも見える。……でも、違うぞ美夜よ。
ラビが杖でなんとか立ち上がり
「たいへん素晴らしいものを見せてもらった。プっ。 おぬしらの話だけは聞こうではないか。ププッ(念波)」
まだ引きずってるようだ。
「ラビ様。私には前前世の娘がおりまして、その娘がラビ様と話したいそうです」
「ホー。娘とな。ここにはおぬようじゃが、どの様にして話す? プププ(念波)」
私は娘のヨウビに念波を送ってみる。
「ヨウビ。エルフの長老のところまで来たぞ。どうやって話すんだ?(念波)」
「お父様。さすがです。そのエルフと手を結んでください。キスしろとは言いませんよ(念波)」
「さすがに、あのご老体とキスは勘弁してくれ。手をつなぐだけでいいんだな(念波)」
「はい。お父様。でも、キスしたら、スキル貰えたかも? ……冗談です。フフ(念波)」
きつい冗談だ。
「ラビ様。手を結ぶだけでいいそうです。手を結んでもらえますか?」
「そうか。なんなら熱いベーゼでもいいぞ。ププ(念波)」
「いえいえ。勿体ない。手を結ぶだけでいいです」
ヨウビとの会話聞いてたんじゃないのか? と、疑いたくなる。
私はラビ様の近くに行き、手を差し伸べた。ラビはその手を座ったままで握り目を閉じた。
私も目を瞑ると、頭の中にヨウビが出てきた。
「ラビ様初めまして。私は神使の妖尾と申します。
実は私の妹の白尾も神使として魔神世界に行ったのですが、魔神世界で何者かに囚われております。父上を魔神世界へ導いていただきたいのです」
「そうか。神使の頼みか。聞いてやらぬわけにもいかぬのう。それで、ショウだけを送ればいいのか?」
「できれば全員です。父上だけでは心もとありません」
おいおいヨウビ。 ……確かにそうだが。
「あの空を飛んどる炎駒もか?」
「できれば、お願いします」
「少し、試験をさせてもらうぞ。それに合格したら人神世界以外は行き来できるようにしてやろう」
「ラビ様ありがとうございます。父上なら合格できると思います。よろしくお願いいたします」
って、ここに来てテストとか。……大丈夫かな?




