10 世界樹の森 ②
次の朝、朝日とともにライトにたたき起こされる。眠い目をこじ開け、魚の干物を口に頬張りながら、飛び立つ。
明るいところで、空から見て分かったが、樹木は世界樹だった。
世界樹は端にあるものほど幼く、これから行く中心部に向かうほど太く高くなっていく。
この木1本1本が、エルフだったとは俄かに信じがたいが、人の形に見えなくもない。
ちらほら、エルフの人影も見えるようになり、世界樹の世話をしている。
お昼を過ぎる頃には、街の形が見えるようになり、一際大きい世界樹がそびえ立っているのが分かる。
その大きな世界樹は、街の真ん中にあった。
「エルフの街はひとつだけなんですか?」と瑠璃が聞く。
「いや大きな街は10ぐらいあるよ。世界樹も2000年くらい経つとその周りに街ができるんだ。小さな町も含めれば100くらいはあるかな。
世界樹は1本の木だけで大きくなってるわけではなくて、大きくなっていくとその周りにある世界樹と一緒になるんだ。あそこに見える世界樹は10本くらいの世界樹の集合体だよ(念波)」
だんだん街の近くになってくると、エルフの街の概要が分かってくる。
世界樹の枝にぶら下がるような感じで、丸い家が出来ている。
そのぶら下がった家は、揺れないように蔦で地面に固定されている。
蔦は地面に根を張り、各家を護るように葉を広げていた。共存共栄という感じだ。
その家の近くを通ると、エルフが顔を出し、物珍しいものを見た感じで手を振ってくれる。我々も手を振り返す。
ライトが事前に我々が通ることを知らせておいてくれたお陰だろう。
こちらから見た感じ、そんなに嫌がられている感じもしない。
これもライトのお陰かも知れない。
――◇◆◇――
もう日が陰り夕日が落ちてきた。
「今日は私の家に泊まってくれ。長老に会うのは明日の明るい時間がいいだろう。
暗い時に会うと機嫌が悪くなるからな。ここが私の家だ。皆くつろいでくれ(念波)」
街の中心部から少し離れた割と大きめの丸い家に通された。
家の中に入ると、多重構造になっていて、人間の家で言えば3階建てくらいの大きさだ。
10人は住めるくらいの部屋がある。全ての部屋に綿が敷いてあり、歩くとフワフワしている。どの部屋も発光石で明るい。
窓から外を見るとほとんどの丸い家が発光していてとても幻想的だ。
エルフは、だいたい日が落ちて3時間もすると普通は寝るのだそうだ。
早寝早起きは健康にいいからね。
エルフは通常は食事はしないそうだが、雨や曇が続いた時は栄養補充に果汁は飲むことがあるらしく、食事の変わりだと言って、果物をご馳走になった。
あのトゲトゲの実もある。乙女達はあの味が癖になったらしく、匂いも気にすることなく美味しそうに食べている。私も癖になりそうだ。
果物は、その辺にたくさん実っているから自由に食べていいと言われた(念波で)。
明日はいよいよご長老様とご対面だ。




