9 エルフ ①
今度は、美夜やクロの周りを太鼓や笛を吹いて踊りだした。美夜たちもいるし、何とかなると思った私は、トゲトゲの実を刀で割ってみる。
「臭!」……とんでもなく、臭い! 玉ねぎの腐ったような匂いだ。
ものは試しなので、少し食べてみる。 ……あれっ!? けっこういけるじゃん。
美夜とクロが鼻を摘んで離れていく。 ……あっ置いてかないで~
濃厚でチーズの様な甘さがする。
美味しそうに食べてたら、美夜とクロが鼻を摘んでやってきた。
一片くれと手招きする。美夜とクロも恐る恐る口の中に入れた。
! 驚いたように、もっとくれという。 ……もういやしいなぁ~なんて思ってたら、……
「お兄ちゃん!」 遠くから声が聞こえた。
どうやら蓮月の耳と日葵の鼻で私やクロ、美夜を探してきたらしい。
瑠璃たちが近づいて来ると、後ろに松明を持った先住民がいる。
ここにいる先住民Aの仲間かと思ったら、こっちの先住民Aが槍を構えた。
どうやら敵対してるらしい。
「ΨаiτuιoДo Ω♂ΨЮ(悪魔さん。あいつら殺っちゃって。でないと、このオスいじめるぞ)」
……なんかオレに槍を向けて、美夜たちに戦えって言ってるみたいだ。
瑠璃たちが、刀を持ってさらに近づいてくる。
先住民Aは後ずさりする。
瑠璃たちの後ろにいる先住民Bは、勝ち誇ったように雄叫びをあげ、槍を突き上げ瑠璃たちについてくる。
瑠璃たちは先住民など関係なく、天使の羽で飛び立った。
そして、私の檻の周りに降り立った。
日葵が叫ぶ。
「やってきました我ら8人衆『Lip Magic Generations』よ!
略してL・M・G~」 と言って私の檻に「雷!」と雷を落とした。
ズど~~ん! という、けたたましい音と煙とともに檻が壊れ、黒くなって亀甲縛りにされたオレがポーズをピッと決めた。
そして、碧衣が
「たとえどんな困難に遮られようと、私たちを引き裂くなんてできないわ!」と先住民を指差して言った。
『あの~、檻に閉じ込められていた時より、雷に打たれた時の方が死にそうだったんですけど』 ……まぁそんな小さなことはどうでもいい。
先住民AとBはびびって腰を抜かしている。そして、両手をがっしりと合わせ私たちを崇めるように大粒の涙を流し始めた。先住民にも碧衣の意が伝わったのだろう。
さっきまで、敵同士だった先住民たちが握手している。
「ooΦφχψΘOÅ&Ψ◎(おらだぢは何て馬鹿だったんだべ。天使と悪魔だってあんなに仲良くしてるだじゃ。たった1つ石ころが当たったぐれで、仲違いしでだなんて。おらだぢも天使と悪魔を見習って仲良くしていぐべ)」
何を言っているか分からないが、まずはグッジョブだ。
と思っていたら、瑠璃たちが鼻をつまんでスススススと離れていく。
美夜とクロが無理やり、瑠璃たちの口にさっきの果物を入れた。皆、恍惚の表情に変わっていく。
この果物って「悪魔の実」だな。 ……と思ってしまった。
(後で調べてわかったことだが、「王様の実」というらしい)
その光景を見ていたのだろう。
木の上から1人のエルフが悶え苦しみながら落ちてきた。
「あっエルフだ。初めて見た」 みんなもまじまじと見ている。
落ちてきたエルフは、地面を叩きながら転げ回っている。
少しずつ読者も増えてきているようです。
今日はおまけして、もう一話正午に追加します。
★ほしいな。
よろしくお願いします。




