4 南アフリカ王国 ②
「これは、ショウだから教えるが、他言無用だ。アトランティスのエルフと南アフリカ王国は、裏で貿易を行っておる。エルフが作った魔法薬を購入したり、こちらの物産品や宝石を物々交換で売ったりしているんだ」
「……少し、待っておれ」 といって奥の部屋に引っ込んでいった。
その間も乙女達は見たこともないご馳走をモクモクと食べ続けたが、一番のご馳走は「すき焼き」だった。
肉は牛ではなく縞馬、野菜も地元で採れたものだったが、醤油やお酒、みりんなどの調味料はノブがこちらで開発したらしく、日本のものとほとんど変わらない味がした。こちらに来て「すき焼き」を食べることができるとは思いもよらなかった。
「すき焼き」を堪能していると約30分ほどしてノブが現れ、一通の親書とアトランティスの詳細な地図を私にくれた。
「エルフに会ったら、これを見せれば話は早いだろう。エルフは気難しいからな」
「ありがとう。ノブ。この世界に来てはじめて会ったのにこんなにしてもらって助かるよ」
「お前とは生まれる前からの縁だからな。これからも何かあったら私のところに来い。手助けできることはしてやろう」
「うん。分かった。これお礼と言ってはなんだが使ってみてくれ」
といって、ゴーレムを倒した時のダイヤモンドの欠片2体分と、「意思疎通の石」を2体分あげた。
「すごいなこのダイヤモンド! わしの鉱山でもこれだけのものはなかなか出てこないぞ」
「これは少し変わった石なんだ。後で使い方を教えるよ」
「こりゃ、今日の食事代では足りんな。今日は泊まっていけ。最高の部屋を用意してやる」
その後1時間ほど語り合い、大浴場に入り寝ることにした。
――◇◆◇――
大浴場は入口は別だったが、中が混浴になっていた。……これはノブの好みだな。私が湯船に入ってたところに、女子たちがキャッキャと入ってきたのでびっくりだ。
「キャー ショウのH~~」といってお湯をかけてくる。
瑠璃は他の女子の裸を見せまいと、わたしの前に立ちふさがるが
――瑠璃のおしり丸見えだから……兄妹だし変な気持ちにはならないが、私は慌てて後を見る。
そこに、クロが潜水してきて私に覆いかぶさってきた。
ム、ム、胸が~……もうわけが分からん。
キャキャと裸で騒ぐが、大事なところは湯気と浴槽に張られたお湯と泡で見えないのでギリギリセーフだ。
ひとしきり遊んだあと、マハラジャが寝るような寝室に通された。
ベッドは8人一緒に寝られるようになっている。
……おい、ノブ。わざとじゃないよな?
美夜が「フォーメーションOで寝ましょう」といって、私がOの真ん中で、その周りを乙女が囲む形だ。
まあ十字型よりは寝やすいな。
足や腕がいたるところにぶつかってきたが、意外とぐっすり眠れた。
――★☪★――
翌朝、食べきれないほどの朝食をしっかり食べたあと、ゴーレムの制作に取り掛かる。まず、ノブに頼んで大きめの岩を30個運んできてもらう。
30個の岩にダイヤの欠片を埋め込む。2個の岩にダイヤと並んで、「意思疎通の石」の欠片を埋め込む。
オーガの杖に「意思疎通の石」を2個埋め込み、ゴーレムを動かしてみる。
バラバラになっていた岩がくっつき、頭の中でイメージしたゴーレムを形造る。2体のゴーレムの完成だ。
ゴーレムを動かすイメージをして、前へ後ろへ横へ動かしてみせた。
今度は、一旦杖を離しゴーレムをバラバラにしたあと、ノブにその杖を渡しゴーレムの作り方と動かし方を教える。
ノブも簡単にゴーレムの形成と動かし方がわかったようで、面白い玩具を貰ったように楽しんでいる。
「これはすごいぞ! 我国の宝じゃ。研究してもっと作ってみよう」とお礼を言われた。
その後王宮を後にし、ギルド支部に帰ってきた。
――私もさっそく研究をしてみることにしよう。




