3 テーブルマウンテン
翌日もテーブルマウンテンを探索だ。昨日と同じルートで、崖を登っていく。
ルイボスとダンデライオンはスルーし、可愛いケープハイラックスに手を振り、カカオナッツもまだ再生途中なので無視する。
樹海地帯に入り、美夜が炎駒に乗って上空から偵察し他のメンバーでフォーメーションVの隊列を組む。
瑠璃 クロ
日葵 碧衣
紅々李 ショウ
蓮月
美夜が先行して山火事にならない程度に火で道を作ってくれるので、樹海を歩いていくのは楽だ。残り火がないように瑠璃が燻っているところを水で消していく。
美夜も瑠璃もこの程度の魔力だとほとんど使っていないようなもので、精霊の力で魔力がすぐに補完されてしまうらしい。
美夜が上空から遺跡らしきものを発見した。遺跡といっても建物はなく、なんとなく何かが住んでいたような形跡がある場所である。
その遺跡に近寄ると、大きな岩石の塊りを発見した。その岩に触れると、突然ゴゴゴと動き出し人の形になった。
出た! 魔物ゴーレムが現れた。
他の岩も少し遅れてゴゴゴと動き出し、ゴーレムになっていく。ゴーレムには2つの目があり、色が違う。動きは遅いが力は強そうだ。
我々も臨戦態勢となり、刀を抜く。ゴーレムに斬りかかるが、相手は岩だし何のダメージも与えられない。4体のゴーレムは不思議なことに全部同じ動きをしている。一番左にいるゴーレムが右パンチをするときは、他のゴーレムも右パンチをしてくる。刀はだめなのでスキルを放ってみる。しかし、……
「豪炎」であろうが、「水柱」であろうが、「稲妻」であろうがまったく効き目がない。どのような攻撃も関係なく襲ってくる。逃げることは容易いが、攻撃が通らない。どうしたものか……闘いながら思案する。
私が周りを見渡すと、遺跡の背後に太陽に反射して光るものがあった。
美夜に目配せしそこに素早く行ってもらうと、美夜はアフリカの部族がかぶるような縞模様の仮面をつけた魔物オーガに遭遇した。
魔物オーガと美夜が対峙する。
魔物図鑑によると、オーガは人の肉を主食とする魔物だ。攻撃方法は分からない。オーガは手に何かの宝石がついた杖を持っていた。
オーガが杖を上に上げると、ゴーレムが攻撃をやめ、オーガの元に集まっていく。 ……どうやら、あの杖が怪しいな。
美夜は炎駒から飛び降り、オーガに廻し蹴りを喰らわせる。オーガの動きは素早く、廻し蹴りを紙一重で回避し、後ろへジャンプした。
しかし、ジャンプした先には炎駒がいた。空中に飛んでいたオーガを炎駒は後ろ足で一蹴する。オーガの仮面は割れ、空中を錐揉みしながら飛んでいく。
そこを日葵が「稲妻!」でとどめを刺した。後にはオーガの魔核とドロップアイテム「オーガの杖」が残されていた。
ゴーレムは崩れ落ち、ただの岩になっていた。
オーガの杖を調べると、4つの宝石の欠片が埋め込まれていた。
崩れ落ちたゴーレムの岩には、目があったと思われる部分に、1つは大きめのダイヤモンド、もう一つには杖にはめ込まれていた宝石と同じ色をした宝石の欠片が目になっていたようだ。
私はその杖を持ち、『動け!』と念じてみると、崩れた岩がゴーレムの形に戻り、ウロウロと動き出した。杖を離すとゴーレムはまた崩れ、岩になった。
杖とゴーレムが連動しているのは分かった。問題はこのゴーレムと杖がどうやって連動しているかだ。
ゴーレムの目の部分を削り取り、その欠片を見るとダイヤでない方の宝石は、藍の温泉で見つけた結晶石に色も形も似ていた。
藍の温泉の結晶石を半分に割った感じがする。
杖に埋め込まれていた宝石を全て外し、ゴーレムから1つだけ外し、とれた宝石を合わせてみると、杖の宝石のうち、ひとつだけ断面がすっかり同じ宝石があり、ひとつの宝石を割ったものだと推測できた。
宝石を全部はずした杖を持ち、動けと命じてもゴーレムは動かない。
変わりに宝石の欠片を一つ手に持ち、動けと命じると、まだその宝石が埋め込まれているゴーレムが1体だけ動き出した。
私はその宝石を「意思疎通の石」と名付けた。
ゴーレムのダイヤは、岩に1個ずつダイヤが埋め込まれていた。
これらのダイヤも全部ゴーレムから取り出すと、1つの大きなダイヤモンドだったことが分かった。
つまり、オーガの意思でゴーレムを動かしていたのが藍色の宝石で、バラバラだった岩を連結させていたのがダイヤモンドだと思われた。
ゴーレムのダイヤの欠片は、1体(15個の欠片)毎にまとめて4つの袋に入れ、「意思疎通の宝石」は全部1袋に入れて持ち帰ることにした。
……後で研究してみよう。いろいろ応用ができそうだ。
今日は、食料も調達できなかったので、ここで終了とした。




