13 昇級②
次の日、反省会のことはコロッと忘れ、皆「次はどこに行く?」とかはしゃいでいる。……まぁ切り替えが早くていいな。いつまでもウジウジ考えていてもしかたない。
さらに強くなればいいだけのことだ。
ヨーロッパもだいたい廻ってきたし、アメリカに行くかアフリカに行くか悩んでいたら、懐かしい声が聞こえた。
「お父さん! たいへんなの」
お父さんと言ってくるのは、この世界では1人しかいない。妖尾だ。
「妹の白尾が、神使として魔神世界に遣わされたんだけど、攫われたみたいなんです」
「なんでそんなことになったか分かるか?」
「憶測に過ぎませんが、白尾は魔力がとても強くて、その魔力を利用しようとした輩が現れたんだと思います。私は神との誓いにより、この世界を離れることができません。お父さん助けに行けませんか?」
「助けに行きたいのはやまやまだけど、一度死なないと魔神世界には行けないぞ」
「皆さんと一緒に行って欲しいのです。父上の力だけでは、太刀打ちできません」
「集団自殺しろってか? 無理言うなよ。俺だけならまだしも」
「父上、そうではありません。アトランティスに行き、世界樹に住んでいるエルフの長老に会ってください。その長老が、父上たちを導いてくれます」
「アトランティスってあの海に沈んだっていう謎の大陸か? どうやって行くんだ?」
「前世の世界では、アトランティスは沈んでなくなってしまいましたが、こちらの世界にはあるんです。父上たちは、B級戦士になりました。B級戦士はアトランティスで戦うことを許されています。詳しくはギルド本部に聞くといいでしょう」
「とりあえず、事情は分かった。でも俺一人ならいいが、皆の意見も聞いてみたい。少し待ってくれ」
「はい父上」
私は、前前世の娘が囚われ、その娘を助けに魔神世界に行きたいこと。
かなり危険であること。皆の助けが必要なこと。などを話した。
皆が「馬鹿なこと言ってんじゃないわよ!」という。
美夜が「行くに決まってんでしょ。そんな面白いところないわよ」
日葵が「フフフ。私の稲妻が唸りそうね。妻は怖いのよ」
紅々李が「足手まといにならいないよう、がんばります!」
クロが「魔神世界か~久しぶりだにゃ。暴れてやるにゃ」
蓮月が「そんな悪い奴がいるなんてゆるせないわ! 月にかわって~××よ!」
碧衣が「魔女がいっぱい出てきそうね。リベンジだわ」
瑠璃が「お兄ちゃんの娘っていったら、私は……そんな事関係ないわ! 私の妹よ。そうだわ。そういうことにする。私の妹に何てことしてくれんのよ。許せない!」
いや、ちょっと違うと思うぞ、妹よ。
でも皆行ってくれるようだ。
「皆、よろしく頼む」
「いいよ!」「任せとけ!」「OKサー」「りょうか~い」「いいとも~」「わかったにゃん」「わくわくするね~」などの声が上がり
「ヨウビ、みんなOKしてくれた。必ず助けてくるからな」
「お願いします。世界樹に着いたら、私を呼び出してください。エルフとは私が交渉します」
「交渉って、お前念波でエルフと話せるのか?」
「直接は話せません。父上を通じて話すのです。少し特殊なので、世界樹に着いたら教えてください」
「分かった。とりあえず世界樹に行ってみる」
さぁ、行き先は決まった。……アトランティスだ。




