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第0章 初4日目 (査定)

「それでは、授業を始めま~す」


 今日は、黒い服を着てきたぞ。天使って白い服しか着ないのかと思ってた。

 黒に赤いメガネ――何かいいな!

 今日も太陽が眩しい。

 でも暑くはない。空の上だからだろうか?――まぁ霊体だからな。体温があるかどうかも怪しい。


「皆さんは、生前、善いことも悪いこともしてきたと思いま~す。

 じゃ聞きますが、悪いことってなんだと思いますか?」

「ハイ! そこのクロ……さま!」


 ミニスカ天使に指し棒で当てられ、隣に座っている黒猫のクロが、少し悩みながら答えた。

「例えば、殺したり、盗んだり、騙したりすることかにゃん?」


 黒でミニスカのメガネ天使が少し笑みを浮かべる。


「さすがクロさまです。この世界では、それは悪いことになるかもしれません。でも、周りの環境や状況によっては、善と捉えられる事もありまーす。

 無差別にただ殺したいから殺した。殺す時も、じわじわと恐怖心を与えながら殺した。とかだと、この世界だとZ組に入れられてしまうかもしれませ~ん」

 ――確かに、それはかなりの悪だ。って、『クロさま』ってクロって何者だ!?


「でも同じ殺人でも、戦争状態にあったらどうでしょう? 家族を殺されて、その殺人犯を殺したら? 相手が刃物を持っていて、刺されそうになったからその刃物を奪って殺してしまった――」

「悪いかどうか。その罪の重さもその時の状況によって変わってきますよね」


 同じ行為でも状況によってその捉え方が変わってくる。


「みなさんもけっこう知らないうちに殺してきてるんですよ~虫を踏んづけたり、間接的だけど食べることも命を奪っていることになりま~す。

 この世界では、世界大戦のように世界中で戦争を起こすこともありますが、異世界と比べると比較的戦争は少ない方でーす。刃物や銃を持って、決闘するということも少なくなってきましたね~」


 ――また、異世界って単語が出てきたぞ。そっちの方が気になる。


「でも戦争って、この世の中を作ったり、壊したりする上では重要な要素になりまーす。武器を作る過程や戦いが、科学技術や文明、学問を発展させる場合もあって、発明や発見、科学、数学、物理学などを発展・応用させることもありまーす。

 創造神さまから見ると、それは必ずしも”悪”ではないんですね」

 ―― へ~ そうなんだ。何を判断基準にしてるんだろう?


「戦争は、この世の中を変動させていく貢献度としては良くも悪くも高くなりまーす。だからって、地球環境を壊していいわけがありません。

 地球にも自浄能力はありますが、長く続くような汚染は、神様はとても嫌がりま~す。放射能汚染を起こすような事象は、貢献度は大きくマイナスになりまーす」

 ――う~ん。難しいな。


「それじゃ、皆さんはK組にいますが、どうやって査定されたと思いますか?」

 ――査定されてたんだ。この組は適当なのかと思ってた。


「皆さんが亡くなった時に総合的に判断されて、査定されますが、神様も皆さん一人ひとりを見てるなんて、そんなに暇じゃありませーん。

 皆さんの体の中には、テロメアという記録媒体が入っていまーす。

 前世の記憶やここでの講義や査定も、テロメアには記録されているんですね。

 神様が埋め込んだわけじゃないですよ~ この地球に生物が誕生してからテロメアは体の中に存在していて、記録し続けていまーす」


「判断基準は、創造神さまが決めていて、ここに来た時にテロメアに反応するようになってま~す。

 それなりの能力や地位があるのに、何もしてこなかった人の査定は下がりま~す。また、その地位を利用して社会にとって悪影響を与える場合も大きく下がりまーす。Z組にはけっこう、お偉ーい何とか大臣とか社長さーんも入っているんですよー。逆に、それなりの能力の人でも、それ以上の貢献をしてきたり、努力してきた人は査定が上がりま~す」


 後ろに飛んでいた鳥が羽ばたかせながら質問をした。

「運命とかあって、決まってるんじゃないですか? ポポ」


「運命ね~ あるような、ないような。

 あるとすれば、生まれ変わる時に査定を受けてから生まれ変わることぐらいですね~。査定は、これまで皆さんが行ってきた事の積み重ねです。その積み重ねが、次の人生を決めているかもしれませんね~ 

 それが運命といえば運命かもしれませんが、皆さんが下界で活動しているときは、神様は何も干渉していませ~ん」


「というか干渉できませ~ん。

 そういった意味では、運命は自分で切り開くものだといえるでしょう」


 ミニスカ天使見習いのアンがドヤ顔で

「おお~自分ですごくいいことを言ってしまいました。皆さん拍手してくださ~い」

 ――拍手をせがむ天使って――とりあえず拍手する。パチパチパチ……


「病気や事故で亡くなった人の査定はどうなるかピョン?」

 今度は前の兎が質問した。毛並みが美しい真っ白な兎だ。


「生まれてすぐ亡くなる。病気で本来の活動ができない。事故で不慮の死をとげる。自分の意思とは関係なく殺されるなどいろいろあると思いま~す。それもひとつの評価ですね。

 生まれてすぐ亡くなれば、また同じクラスに配属されまーす。

 でも、病気はその人に責任がある場合もありま~す。

 例えば肺がんになると分かっているのにタバコを吸うとか、お菓子ばっかりを食べて糖尿病になるとかあると思いまーす。

 そういったこともテロメアに記録されているので査定対象ですね~

 不慮の事故は、テロメアを見れば本来どのくらい寿命があったのか分かるので、査定できまーす」


 ビシッと指し棒で前を指し、

「生きている間にその人ができることをしていればいいだけのことで~す

 まぁそれで、結局のところ皆さんはK組になったんですよー。とっても平凡な人生だったんですね~」

お読みいただきありがとうございます!



できるだけ、毎朝7時に更新します。



【読者の皆様へのお願い】


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これからも面白い物語を提供していきたいと思います。


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