7 イタリア
イギリスは怖いので(なんかトラウマになりそう)、一度パリ支部に戻ることにした。もう少し強くなってから出直そう。イギリスでの収穫はなしだ。
でも、お金やポイントより大事なものを収穫した気がする。
皆の要望で、ローマに行くことにした。パリから蒸気新幹線約2時間で到着だ。
イタリアにはローマにギルド支部があるのだが、女性たちの目は輝いている。
もちろん、お買い物だ。
---イギリスではお決まりのお買い物がなかったからな……嫌な予感がしたんだ。
ジンクスじゃないけど、お買い物はした方が女性陣の機嫌もいい。
2時間コースだったが、なんてことない、いつもの日常のことじゃないか。
(ショウは忍耐力が上がった。)
――◆◇◆――
お買い物が終わり、女性たちが綺麗な衣装に身を包んだところで、ギルド支部に行く。今日のホテルを予約し、ギルドショップで地図と魔物図鑑を購入する。
ホテルの予約はあれから3人部屋が多くなった。腕枕がいいのだそうで、瑠璃は必ずいるから、隣が日替わりだ。
でも何もできない。瑠璃が目を光らせている。
たまには1人部屋を要求したいと思う。男の子にも事情があるのだ。
皆で明日行く場所を決める。
ローマから少し離れるが、魔窟「青の洞窟」にした。「青の洞窟」は一度ガプリ島に渡り、小舟で洞窟の中に入らなければいけない。
海の魔物が多いそうだ。今回はしっかり準備していこう。
――◆★☪――
翌日、ナポリまで馬車で行き、蒸気船でガプリ島まで渡った。ここに来るまで約5時間もかかる。イタリアには古代からの遺跡や彫刻された像が豊富で道中目を奪われる。朝早く出てきたが、もうお昼すぎだ。
とりあえず、3泊4日でガプリ島に滞在する予定だが、洞窟を下見しておきたい。8人乗りの小舟を借りて、洞窟に行く。
洞窟の入口は狭く、波が高いと入れなくなるようだ。
いつもだと美夜が空から偵察してくれるが、ここはできそうもない。
今日は太陽も輝き、波も穏やかだ。頭を上の岩肌にぶつけそうになりながら、洞窟の中に滑り込むように入った。
中に入ると絶景だった。
入口から入る太陽光が洞窟の海底に反射し、洞窟全体が青色に輝いている。とても神秘的なところだ。こんなところに魔物なんているのだろうか? と思っていたら、
もうすでに冒険者がいた。
……しまった、先客か~
冒険者ルールでは、先に冒険者がいれば、その狩場には手を出してはいけない。という暗黙のルールがある。引き返そうとしたら、他にもいっぱいいるではないか。
変だと思って近くの冒険者に聞いてみると、冒険者ではなく、観光客だそうだ。
観光客に「ここって、魔物出ないんですか?」と普通に問いかける。
「そんなもん出るわけないでしょ。あまりにも観光客が来るから、魔物なんて逃げ出しちゃったわよ」と言われた。
よくよく聞くと、昔は魔物が出たんだそうだ。
でも冒険者が毎日のように来て狩りをするから、寄り付かなくなって変わりに観光客が来るようになったそうだ。
まぁ確かに絶景だからな……冒険者が独占するわけにもいかない。
――☪●☪――
少し、がっかりしながら、でもいい景色を見たし、少し満足しながらガプリ島の宿へ行く。3泊も宿を予約しちゃったし、どうしようか皆と相談していたら、宿の主人が話に割り込んできて、
「あんたら、冒険者か? べっぴんさんばかりだから、観光客かと思ったよ。冒険者なら、山の中にある洞窟の魔物に興味あるかい?」 って聞かれた。
「あるある!」 って皆が言う。
「ちょっと、おじさん小遣いが欲しくてな。とってきた魔核の30%くれたら場所教えてやるぞ」 と言ってきた。
ケチらずに、「それでいいよ」とすぐにOKして、場所を教えてもらった。
さあ、今度こそ魔物狩りだ。




