第0章 初3日目
パチンッ!
見習い天使が指を鳴らすと、床から1つの白い縦長の椅子が浮き出てきた。
その椅子にアンは腰掛け、スラっとした足を組む。
ミニスカの奥は見えそうで見えない。
今日は飛ばずに歩いてきた。たぶんミニスカを履いているためだろう。
――昨日は男子が好奇の目で見ていたからな。
「今日はぁ 世界はぁ どのように創られていくかお話しまーす」
メガネっ子の天使(見習い)も見てるとかわいい。そこそこ胸もあるし……
「じ・つ・はぁ、神も霊体なので、創ることはできませーん」
――ん? 創造神って言ってなかったか? この世を創っていく神って――
「創造神さまはぁ、皆さんを媒介にこの世を作っていきまーす。
つまり、皆さんを生まれ変わらせることで、世界を作り上げていくのです。
霊体は、神様も含め物理的に世界に干渉できませ~ん。
精神的に干渉することはありますが、極めて希です。
皆さんが亡くなる前やさらに前世での行いを判断して、生まれ変わらせることで世の中を変えていくのでーす。
創造神はそれを行う権限を持っていまーす」
――ふ~ん。神様の力でどうにかなるってもんじゃないんだな。
何々の神頼みって気持ちの問題だからな。
そういえば、神社ってお願いをする場所じゃなく、感謝する場所だって聞いたことがある。
「たったそれだけの権限ですが、他の神様や私たち天使にもその権限は及ぶんですよ~怖いですね~。
おっとっとぉ、今のは口が滑ってしまいましたぁ。皆さんと私だけのひ・み・つ・ですよ~」
――神様でも天使でも、生まれ変わらしてしまうってことか。
霊界ではかなり強い力だな。
また、質問をしてみた。
「天使にはどうやったらなれるんですか?」
「ん~ 皆さんにはあまり関係ないんだけど、ショウ君の質問なので特別に教えちゃいまーす」
――なぜ特別なんだ? 周りのみんな(特に男子)がジト目で見ている。
「まず、クラスの上位の方が天使見習いになることができる選択を持ちます。
簡単にいうと、A組はOKで~す。B~C組は、選択権はありますが、適性が求められまーす。だいたい20%くらいの方がなることができるようで~す。
皆さんはぁ……ブブー はっきりいって、選択権はありませ~ん。フフ」
――ブブーって…天使にはなれないんだな。まぁ最初からなる気はなかったけど。
「ちなみに、ここは天界になりますが、天国や地獄はあると思いますかぁ?」
――天界があるんだから、ありそうだけど?
「はっきりいうと、ありませ~ん」
――ないんか~い!――
「皆さんの中にはかなり悪いことをしてきた方もいると思いますが、地獄に落ちることはないんですね~。
生まれ変わって、ゴキブリになるくらいで~す」
それって、地獄よりも酷いような――
「ついでに言うとぉ、虫には命はあっても精神はありませーん。つまり、虫になったら死んでも天界に来ることはないんですね~
まぁ虫になった時点で、何も考えず本能だけで生きるようになるので、死んでもよくわかんないんですけどね」
「この場合、霊体が余りますよね? それは浄化された後、無垢な霊体として使われ、新しい生命を宿すことができまーす。世界人口に合わせて、無垢な霊体を2分割することもできまーす。ただ、分割されると霊体の機能としてはぁ弱まってしまいま~す。
だから、最初は鳥類や両生類になって力をつけてもらうこともありまーす。
逆に2つを1つにすることもできまーす。合わせる魂でいろいろ変化がおきるようでーす。あんまりしませんけどね」
――虫にはなりたくないな。でも鳥とか気持ちよさそうだな。
「精神……霊体が宿ることができるのは、哺乳類はもちろんですが、鳥類、魚類、両生類、爬虫類になりまーす。
植物や鉱物にも宿ることがありますが、希な場合で~す」
――御神木や御神体とかかな?
「世界に影響を及ぼす生物としては、この世界ではやはり人間が一番かな~」
「明日は、善悪についてお話しまぁ~す」
お読みいただきありがとうございます!
できるだけ、毎朝7時に更新します。
【読者の皆様へのお願い】
少しでも面白いと思って頂けたら、ブックマークや評価をしてもらうとうれしいです!
評価はページ下部の【☆☆☆☆☆】をタップすると付けることができます。
これからも面白い物語を提供していきたいと思います。
どうぞ、よろしくお願い致します!