5 禁じられた森③
★瑠璃視点です
私の前をお兄ちゃんが歩いている。でもあのヘルメットっていう被り物、あんまりかっこ良くない。重そうだし。私は被りたくないなぁ。
あれ、お兄ちゃんが前に飛び出した。蓮月を突き飛ばしてる。
あっ、お兄ちゃんが喉を抑えて、倒れた。
「お兄ちゃん! お兄ちゃん!」……苦しそう。
そういえばお兄ちゃんのかばんに薬入ってたよね。なんかいっぱい入ってる。
少し強そうな薬飲ませてみよう。
エリクサーか・・・なんの薬だっけ?
ナンデモオーケーサー・・・多分何でも効くんだよね。
全部口の中に入れちゃえ。
だめだ! 気が付かない。どうしよう。
紅々李のヒールもあまり効かないみたいだし……
あれっ 火に囲まれている! これだとどこにも行けない。
あの龍は美夜だな。火吐いてるし……とりあえず、消火しないと
あれに対抗できるのは水龍しかないな。……けっこう魔力使うけどしょうがない。
……なんとか、消火できた。
まだ、美夜が火吐いてる! いい加減にしてよ!
美夜、目を覚まして!
(水龍が美夜に向かって、冷たい大粒の水球をぶつける)
あっ気が付いたみたい。美夜が元に戻った。
――あっ意識が遠のいていく……
――◆♠♥――
★日葵視点です
「今日は散歩日和だね~ 冒険やめて、ピクニックでもしようか」
あれ? 雲が出てきたな。どんどん暗くなってくる。一雨くるかな?
皆の足も早足になってきた。付いていかないと。
-あれっ? 碧衣どうしたんだろう?
なんか元気ないな。
「碧衣。どうしたの? 大丈夫?」
「蓮月! なんか分かんないけど、危ない!」と碧衣が頭を抱えて叫んだ。
ショウを見るがいない。 ショウが前に飛び出している。
蓮月が転んでる。
あっ、ショウが倒れている。
ど、どうしよう!
(ショウの傍に行き、)あれっ息してない!
こういう時は人工呼吸だわ。
――♥♥♥――
時は少し過ぎて
★紅々李視点です
馬車の中、皆がショウの名前を叫び続ける。ショウは未だに気が付かない。
とにかく続けてヒールをかけ続けないと……
ショウの横に瑠璃と美夜が寝ている。
こちらは魔力を使い切って魔ダウンの状態だ。
寝ていれば回復する。……問題ない。
今はショウをなんとか助けないと。
瑠璃、美夜を除いた仲間が交代で人工呼吸をしている。……私もしたいな。
後で少し交代してもらおう。
そうだ! ヒールの代わりにポーションを口移しで飲ませてあげよう。
……みんな口移し真似してるし~
あっギルド会館についた。割と近くでよかった。すぐに医療施設に運ぼう。
スタッフに見てもらわないと……
スタッフが慌てている。ICU(集中治療室)に運ばれるようだ。
看護長さんがホーリーをかけるようだ。
私の役目はここまでかな。
後は邪魔しないように見守ろう。
へ~ ホーリーってあんな感じなんだ。
なんか手から暖かそうな光が出ている。
こんな感じかな?
――☪☪☪――
時は元に戻る。
ブラックパークは「《《禁じられた森》》」とも呼ばれている。
何が禁じられているのか分からないが、森に入ることを禁じていたのかもしれない。
今回は、とんでも無い目にあったが、ひとつだけいいことがある。
人工呼吸のことではなく(意識がなかったから分からない)、
紅々李が看護長のホーリーを見て覚えたのだ。
つまり紅々李も高度なホーリーを使えるようになった。
でも、美夜が龍になったところなんて見たことなかったな。
少し見てみたい気もするが、美夜は怒らせないようにしよう。
ブラックパークは、今では禁じられた禿山と呼ばれている。




