5 禁じられた森②
『 先頭を歩く蓮月が、危ない! 』 と瞬間的に思った。
なにか異様な『魔の塊』が飛んでくると感じ、蓮月を突き飛ばす。
私は、急に息が出来なくなり、意識が遠のいていった……
その後のことは記憶にない。
私が昏睡状態に陥っていたとき、堕天使だった頃の声が聞こえる。
『こんなことでは、オレは死なん』
……『 だが、オレが目覚めるにはまだ早い 』
……『 さあ、ショウよ。目覚めるのだ 』
目を開けた。
涙ぐんでいる仲間がいた。……私もなぜか泣いた。
1日ほど集中治療室で安静にしていたが、医師に回診で「特に問題ないね」と言われ次の日には無事退院できた。
皆の気持ちが落ち着いた頃、紅々李が淡々とその時のことを話してくれた。
「ショウが倒れたあと大変だったんだよ。ヒールかけたり、エリクサーやナンデモオーケーサーとか口の中に無理やり入れたけど、呼吸が戻らなかったの。
心臓は動いていたから、まだ死んでいないと思って、叩いたり、蹴ったりしたんだけど動かなかったの」
……オイオイ
「そしたら、美夜が暴走して、龍になっちゃたの。炎龍を何匹も召喚して辺り一帯焼け野原になったんだ」
――龍か、見てみたかったな
「瑠璃が慌てて水龍を召喚して、火を消して、龍の美夜の頭に水をいっぱいぶっかけて頭を冷やさせたの。なんとか、美夜が元に戻ったんだけど、2人ともとても衰弱してて、倒れたんだ。命に別状はなかったみたいだけどね」
……良かった
「でも、ショウは意識も呼吸も戻らなかったから、ショウを私のヒールで癒しながらギルドの医療施設に行くことにしたの。
それで、馬車に乗って、皆で人工呼吸しながらギルド会館まで運んで、集中治療室で看護長さんが高度なホーリーを使って、やっと目覚めたんだよ」
少し、残念「人工呼吸」か。記憶がまったくない。
「たぶん、森に入った時に何かのトラップが架けられていたみたい。トラップ発動型の魔法だね。たぶんショウの症状から見て、呼吸停止とか呼吸困難を起こすタイプだわ」
――怖いな
――★☪★――
時は公園に入る前までさかのぼる。
★蓮月視点です。
今日は気合を引き締めて行かないとね。……フォーメーションO
「私が先頭に立つね」(蓮月は兎族で耳がいい。)
……いい天気。湖が眩しいなぁ。
森が見えてきた。特に何の気配もない。……逆に静かすぎる。
あの森、動物すんでいるのかな? 魔物もいなさそうだけど……
油断大敵ね。気をつけないといけないね。
……あっ雨かな。けっこう曇って来たわね。森の奥に小屋が見えるから、あそこで少し様子を見た方がいいかな。
森の小道に足を踏み入れた。……何か光った感じがする。
痛ッ……ショウに突き飛ばされた。……何かあったの?
ショウがもがき苦しんでる! どうしよう!?
――★●★――
★碧衣視点です
一週間も経ったんだもの。大丈夫よね。こんなに天気もいいし。
やるだけのことはしたわ。
みんなもいるし、何が起こったって、大丈夫よ。
なんかだんだん暗くなってきた。
その森、……なんかある。
蓮月入っちゃダメ。
「蓮月! なんか分かんないけど、危ない!」
身体が硬直する。動かない。
『あっ! ショウダメ!』 って思うけど声が出ない。
――☪♥★――
★美夜視点です。
「フォーメーションO! ショウを中心に円形になって。私は空から警戒するね」
炎駒に乗り込んで、円の上部をゆっくり飛ぶ。
きれいな森だ。何物にも侵されていないような感じだな。今日は何も出てこないかもしれないが、今日はそれでいい。
ん? 雲行きが急に怪しくなってきたな。ぽつぽつ雨も降ってきた。
もうそろそろ森の中に入るところか。
えっ。何があった! ショウと蓮月が倒れている!
魔物の気配はない。待ってろ。すぐ行くから!
「どうした! 蓮月は無事だな」
「うん。ショウが何かから私を守ってくれたみたい」
「ショウ!ショウ! 起きろ!」 声が出せないようだ。
魔物が近くにいるんだな。隠れやがって
『 皆殺しだ!! 』
私は龍になったことのことまでは覚えているが、後は暴走したようでほとんど記憶にない。
――♥☪♥――
★クロ視点です
「今日はいい天気だにゃ~ 日向ぼっこでもしたくなるにゃ」
……と思ってたら、暗くなって来たにゃ。怪しいにゃ
「雨かな。雨に濡れるのイヤだにゃぁ」……あっ小屋がある。
雨宿りにゃ
おろ、蓮月が突き飛ばされたにゃ!
ショウが苦しそうにゃ!
「紅々李! ヒールにゃ」……こんな変なお面とるにゃ
……息してないにゃ。
瑠璃がショウのカバンから、薬出して飲ませているにゃ。けど、気が付かないにゃ
こういう時は、ビンタにゃ ……だめにゃ
強くキックにゃ ……ウウ、ダメニャ
ん~~早くギルドに連れていくにゃ、って周りは火の海にゃ
あっ、龍が飛んでいる。きっと美夜だな。
なんかすごく取り乱してるにゃ。
――◆♥◆――




