5 禁じられた森①
「キャーーー!」
次の朝のこと。
碧衣が飛び起き、「ショウが死んでしまう夢を見た」と、隣に寝ていた紅々李に青ざめた顔で話した。
紅々李が詳しく碧衣に聞いてみる。
「ショウがどうしてか分からないけど倒れたの。皆で守ってたのに、ショウが苦しんで……なんかすごく暗いところ。その後、火に包まれて、雨が降って、ショウが動かなくなったの。それ以上のことは、よく分からないわ」
紅々李が朝ご飯を食べながら、碧衣が話した内容を皆に伝えた。
碧衣は震えている。
「碧衣の予知夢って必ず当たるのか?」
「うん。だいたいね。ひとつの大きな可能性を見せているみたい。近い将来、例えば今日だとほとんどその通りになるわ。でも時間が経つと、そういった可能性も出てくるよって感じかな。それが、いつ起きるとか、場所とかは分からないの。ごめんなさい」
「謝る必要なんてないよ。ありがとう。いろいろ対策を考えられる」
その後皆と相談し、万一を考え、行ってみたい気持ちはあったが暗いホグワーツの洞窟はやめる事にした。
そして、一週間延期だ。
一週間が短いという意見も出たが、いつまでも外に出ないわけにいかないし、部屋にいたって夜は訪れる。毎日、引きこもり生活ばっかりしていられない。
仮にも冒険者だ。一週間何もなかったら、昼に比較的安全な公園にでも行ってみようということになった。
夜は交代で、私を2人がかりで警護するみたいだ。なので、ギルド支部のホテルの3人部屋を借りる。
私が真ん中で隣が瑠璃、そして皆が代わる代わる隣に寝るのだが、緊張というか、男の子だしドキドキ興奮して眠れない。
なぜか、いたずらしないようにと両腕で腕枕をし、十字架に縛られたような形で寝ている。
クロなんてぺたーっと胸を押し付けてくるし、耳元で「昔はよく絡み合ってたにゃ」なんて耳をカプッて食べてくる。
その都度、瑠璃とお腹の上でもみ合いとなる。
これが、一週間も続くとなると、逆に身が持たない気がする。
むしろ拷問に近いのではないか? やはり一週間が限界だと思った。
しかし、クロって何者だ? 昔(前世よりももっと前か?)のオレのこと良く知ってるみたいだし……気になる。
昼間は、鍛冶場で少し丈夫な防具を作る。胸当はもうあるので、その他の部分だ。少し格好が悪いがヘルメットも作った。
そんな防具を揃え、美女に挟まれた一週間が過ぎた。
もう大丈夫だろうということで、冒険に出かけることにした。
場所はブラックパーク。イギリスでは比較的有名な公園だ。
朝9時に、ギルド支部から馬車を借りて移動する。
ロンドンから1時間もすると、ブラックパークに着いた。
大きな湖があり、歩道が整備されている。
我々はフォーメーションOの隊形をとり、私が中心になり(私が守られた形で)先に進む。空には美夜が炎駒に乗り、万全の期すため常に攻撃態勢で見張っている。
*フォーメーションO(美夜は空にいる)
蓮月 クロ
日葵 ショウ 紅々李
瑠璃 碧衣
公園をしばらく進むと、遊歩道は森に続いていた。にわかに雲が出てきた。
暗雲立ち篭めるというのだろうか、昼間だというのに辺りは暗くなる。
一雨来そうだ。森の少し奥に小屋がある。
――あそこで雨をやり過ごそう。
そう思い、少しいそぎ足で森に入った瞬間、異様な気配を感じた。




