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『 堕天使転生 』 ~~ Reincanated FallenAngel Save the world by Kissing ~~  作者: スピンクス・ノーバ
第Ⅰ期 Lip Magic Generations
43/275

3  魔窟 モン・スター・ミッシェル ②

 今日はクロがやるようである。フォーメーションAから少し間を開けながら横に広がっていき、


「うちら、Lip Magic Generationsにゃ。 略して L・M・G にゃん」

 といってピッとポーズをとる。私も腕を突き上げ、人差し指を上にあげ、決めポーズをとらされる。何でも1本指を上げるのは、俺らが一番だぞっていう主張らしい。


 トリュフポークの顔がひくついている。

 ……ここで笑えばいいのに、と私は陰ながら思う。……笑われれば、この恥ずかしいポーズも辞めるのではないだろうか?

 このポーズが戦闘開始の合図にでもなったかのように、フォアグラーはジョッキに注がれたビールを飲みながら、攻め込んでくる。ビールを飲んだためか、少しヨタヨタしている。

 我々が得物で応戦すると、ビールジョッキを盾がわりに使い、器用に攻撃を避ける。さすがC級の魔物だ。

 美夜がそれを酔拳と悟り、太極拳で応戦する。


 クロは真似して酔拳で戦っている。なぜかチャイナ服に着替えていた。

 ……クロは着替えが早いなぁ

 なんて思っているとフォアグラーは奥義とばかりに、ジョッキを両手いっぱいに広げコマのように回転しだした。

 ビールらしき液体が飛んできて目に入ると痛い。私が太刀で防ぐとカカカカンとジョッキにぶつかった音がする。


 攻めあぐねていると、薙刀を持った紅々李がフォアグラーの足をスパッと切る。フォアグラーはあらぬ方向に飛んでいき、自滅した。足が弱点のようである。

 弱点が分かれば、あとは簡単だ。

 紅々李の薙刀、日葵の槍、蓮月の蛇腹刀でサクサク倒していく。美夜とクロは修行とばかりに剣も持たずにフォアグラーを倒していった。


 私と瑠璃は後ろで、魔核とドロップアイテム「フォアグラ」の回収だ。

 ビールジョッキに残った液体も研究用に回収する。舐めてみたら、苦かった。

 フォアグラーが10匹程倒されたのを見て、中列のキャビアンが出てきた。

 盾と槍で普通の戦い方をしてくる。私は刀に反射をセットする。キャビアンもC級の魔物である。何をしてくるのか分からない。


 キャビアンに切りかかると、盾で防ぐ。すると、盾から粒状の黒光りした何かが飛び出してきた。それを刀で反射すると、フォアグラーの方に飛んでいって、小爆発を起こした。どうやら爆薬が仕込まれているようだ。

 槍もよく見ると、鋭い切っ先と刃の根元に返しが付いており、一度刺さると抜けない構造のようだ。盾と槍だけに注意していると、鋭い歯で噛み付いてくる。みんなも少し苦戦している。爆弾が煙幕のようになり攻撃を仕掛けにくい。

「痛!」

 私が噛み付かれたのを見て、紅々李が素早くヒールしてくれる。傷口には念のためキズナオールを噴霧しておく。


 盾と槍、小爆弾を躱し、身体に切りつけても堅い鮫肌が致命傷を与えない。だが、キャビアンの鮫肌は砥石のようになっていて、刃物は研がれより切れ味を増していく。クロがフォアグラーを大方退治してきたところで、こちらの戦列に加わった。クロが素早く「漆黒」を発動する。

 私は紅々李と碧衣に「身体強化」の口づけをする。

 キャビアンは周りが見えなくなり、その場でじっとしている。気配を感じるとその方向に槍を向けてくる。


 身体強化された紅々李は、力を入れ薙刀を刺すと、鮫肌を突き抜いた。同じように碧衣は脇差で鮫肌を削っていく。鮫肌がむき出しになると、私の刀でも突き刺すことができた。


 日葵と瑠璃は魔核とアイテムの回収だ。キャビアンのドロップアイテムは「缶詰のキャビア」これもドロップアイテムなのか分からないが、缶詰切り用の刃物と鮫肌も回収しておく。大体片付いてきたところで、いよいよこの軍隊のボス、トリュフポークが立ち上がった。…「いざ、決闘だ!」と美夜が目を光らせる。


 と思ったら、逃げ出した。豚足いや鈍足だったので、逃げられないようにすぐに周囲を取り囲んだ。刀で切りつけるが、黒いダイヤと言われるだけあって、皮膚が硬い。並みの刀だったら折れていたかもしれない。

 しかも、少しでも刀で傷が付くと、紅茶に似た強く高貴な香りが鼻をくすぐる。

 ――だめだ。これも精神攻撃の一種だ。この香りには逆らえなくなる。

 美夜に炎で倒してもらうと楽なのだが、それでは価値がなくなる。


 瑠璃の出番だ。

「瑠璃、水柱で攻撃だ!」

「分かったわ。「水柱!」」……トリュフポークが水の中でもがき苦しむ。

 やはり、トリュフポークは、エラ呼吸器官はないようだ。

 5分もすると動かなくなり、魔核とドロップアイテム「黒トリュフ」と「ロースハム」と「豚足」を残して蒸発してしまった。蒸発というより、水の中だったので多量の水泡となって消えた。


 結局、トリュフポークの本来の攻撃方法は掴めなかったが、我らにそんな余裕はない。お腹がすいたのだ。まずは食欲を満たすのが重要である。


――◆□◆――


 さぁ、お待ちかねの昼食タイムだ。

「缶詰のキャビア」を缶切り用の刃物で開ける。簡単にサクサク開いていく。

 まるでこのために、この刃物があったみたいだ。

 缶の蓋を開けると、中から黒い宝石と言われるキャビアが出てきた。皆で指を突っ込み、その宝石を口の中に入れてみる。

 口の中で爆発するような美味しさだ。本当に爆発していたりして……まぁ痛くはないから大丈夫だな。


 次は、釜戸に鍋を置き、木材に火を点け、水を沸かす。

 その辺の畑でとってきた、馬鈴薯や玉ねぎ、人参を入れ、採りたてのマッシュルームを入れてシチューを作る。そこに黒トリュフを香り付けに少しだけ削って入れる。

*畑なんてどこにあったっけ? とは思わないでほしい。この世界にはどこにでも畑はあるのだ。


 もう一品。ロースハムにフォアグラを乗せ、さらにキャビアを載せる。そこに黒トリュフだ。美夜に軽く火で炙ってもらって完成だ。

 これがフランス料理かどうか、定かでないが、とても美味しく頂いた。

 みんな満足したので、今日はこれで冒険を終了する。


 ロープを伝って(ロープはまた美夜が回収し)、港に戻ると魔物と戦っている御者がいた。ほとんどの魔物は倒されており、手助けはいらないようだ。

 ほとんどが海の魔物だった。戦い終わるのを待って、御者と一緒に船に乗り、サン・モロまで戻る。

 帰路の途中、海から眺める夕日がとても綺麗だ。

 日本海に沈む夕日や茜色の空も同じ色だったように思う。


 サン・モロ市にはギルドパリ支部の支店があるので、支店で今日の収穫を鑑定してもらう。なお、支店は支部ほど大きくはなく、鑑別2箇所と買取窓口と総合窓口が兼用で1箇所のみである。他の施設はない。


 合計:11500P(1人1437P) 369万円


 トリュフは、少し削って使ってしまったので、安くなっている。なお、端数は研究用にとってある。

 それにしても、陳腐な剣が5万円もするとは驚きだ。剣はなまくらでも剣なんだな。明日あそこを通ったら回収しておこう。


 *ギルド会員証メモ欄 9月20日 1437P 累計3337P


★今日の成果内訳 合計:11500P(1人1437P) 369万円


マッシロルーム D級 魔核100個(1個35P、5千円) マッシュルーム 200個(200円/個) 計7000P  54万円

ゴブリン D級 魔核50個(1個45P、2千円) 陳腐な剣 2個(5万円/個)

 計  2250P 20万円

フォアグラー C級 魔核20個(1個60P、1万円) フォアグラ 15kg(3万円/kg) 1200P 45万円

キャビアン C級 魔核10個(1個75P、5万円) 缶詰のキャビア 8個(20万円/個) 計750P 210万円

トリュフポーク B級 魔核1個(1個300P) トリュフ0.8kg(1kg50万円) 計300P  40万円

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