2 フランス①
まずギルド会館に行くため馬車に乗る。駅から30分くらいでギルド会館に到着と思っていたら、案の定、何かの店の前に止まった。
「さあ着いたわよ。ここが有名なデザイナーの〇△の店よ」
――だよなぁ~そうくると思った。
まあ皆が稼いだお金だし、あまり高級なミトンのコートとかでなければ良しとするか。
――◇◆◇――
私は馬車で待っている。かれこれ1時間も待っている。
――我慢だ。
いままで20時間も蒸気新幹線に乗ってたじゃないか。1時間ぐらいなんてことないじゃないか。
――◇◆◆――
私は馬車で待っている。あれからさらに1時間待っている。
――ががががが我慢だ。……それから20分、やっと出てきた。
何か言いたい。
――が、かかかかかかわいい!
さすが Lip Magic Generations の乙女たちだ。口から出そうになっていた言葉を飲み込み、
「すっごく、綺麗で似合ってるよ!」 と言葉を変換した。これが功を奏したのは言うまでもない。
動きやすいようにと、やはりミニやショートパンツ、袖なしワンピースなどで決めており、細長い脚にとても似合っている。上半身は、Tシャツにデニム、軽めのコートなどを羽織っている。腕には長めのグローブをはめている女子もいる。
それに洋服にあったベルトをそれぞれしていた。
私はというと、今はまだ暑いし、中には普段着でTシャツやただの白のシャツ、それにジーパン。戦闘時には上に黒衣(白衣を黒に染めたものを若干炭素繊維で強化している)を着ている。――黒衣の中にいろいろ装備できるんだよね~
……でも、いったいいくらかかったのだろう? 聞かないでおこう。
まぁTシャツとかだし、そんなにするわけないよね。……きっと。
――◆◆◆――
パリを拠点にしたのには理由がある。ヨーロッパの各地に蒸気新幹線が伸びており、各都市に1~2時間でいけるからだ。また、”フランスは料理が美味しい”という女子からの要望が強く決め手になった。
パリにあるギルド会館は、ルーブル美術館の一角にある。ルーブル宮殿の一部を改装し使われている。中はどこも同じような作りである。もちろん美術品以外にも娯楽、宿泊施設なども充実している。
買い物の後、ギルド会館までやってきた。お昼頃に駅についたのに、もう5時を過ぎている。とりあえずギルド会館のショップで地図と欧州魔物大図鑑を購入しホテルに宿泊する。
C級になったので個室も借りられるのだが、2人部屋がいいというので、2人ずつに分かれて泊まることにした。もちろん私の部屋は、妹の瑠璃と一緒だ。
ホテルに行く前にギルドの掲示板を見てみた。
C級だと受けられる仕事は、上下2段階までなので、A~Eまでだ。ヨーロッパ地方は国によっては内戦もあるが、国どおしで戦争を起こしているところもある。そのため掲示板には、S~C級クラスの仕事として傭兵がある。
S級だと1日500万円、C級でも1日10万円とかなりいい金額だ。しかも戦果により追加報酬となっている。
ただ、私としては、あまりお国の内部事情(内戦や一揆、クーデターなど)や、人対人の戦いには参加したいとは思わない。掲示板には、そのような傭兵職を除くとあまり目ぼしい仕事はなかった。皆と相談し、地図と魔物大図鑑を眺め、明日行く場所を決めた。
モン・サン・ミッシェルの影の居城、魔窟モン・スター・ミッシェルに行くことにした。
ここには、初級から中級クラスの魔物が多いという。他にも冒険者がけっこう行っているようだが、足慣らしとしてはいいだろう。足慣らしといっても、行くまでには片道馬車で5時間かかる。近隣にギルド経由で宿泊所を借りてもらった。
約1週間滞在する予定だ。(ギルド経由だと、同じ割引額で利用できる)馬車も御者付きで1週間借りた。
翌朝パリのギルド会館から馬車で移動していると、パリ市街地で市場をやっているので覗いてみた。朝の市場ということもあり、一般人や観光客で賑わっていた。パンや果物などの食料品、日用雑貨などが置いてある。武器屋や防具屋もある。
剣は西洋のタイプが多く両刃、ハンマーなどがあったが、安物ばかりであった。
防具屋も覗いてみた。戦う時に邪魔にならない程度の篭手があれば購入しようと思っている。いい材料が手に入れば、ギルド会館の鍛冶屋に依頼して作ってもいいのだが、今はそこまでの時間と資金の余裕がない。皆に自分の腕や衣装に合うデザインの篭手を選んでもらう。
それぞれ選んだところで、クロは鑑定もできるので、まとめて値段交渉してもらおう。




