5 六百里鑽頭号山
私たちは馬車で、もと山賊たちは走ってあの山に出かけることにした。
またスライム川をジャンプして渡り(彼らは泳いでわたり、死にかけているものもいたが)火鼠に遭遇した。
火鼠の弱点は教えているので、彼らに任せることにし、温泉タマゴンはいなかったので私たちは先に進むことにした。……がんばって戦ってね~
後ろを振り返ると、山賊たちが円陣を組み火に炙られながらも盾をうまく使って火を防いでいる。齧られたりしている者もいたが、いい訓練になるだろう。火鼠も200匹くらいいる。……まぁ、たぶん、きっと、もしかしたら、・・・・・・う~んこれも訓練だ。ここは心を鬼にして前に進もう。がんばるんだ、山賊。帰ってくるまで生き残ってるんだぞ。
なお、ここから先にはこないように胡桃たちに言ってある。
登山口に来ると、「六百里鑽頭号山の登山口はこちらです」と書かれた看板があった。
オ~中国語でも読めるぞ。 と感嘆を覚えつつ入口に入った。
(読者にわかりやすく日本語にしています。作者が中国語が書けないからではありません。……ごめんなさい。嘘です……この中国では、日本語表記は中国語表記だと思ってください。その他の外国も同じです)
山を登り始めると、山腹の草原で炎駒が5匹くらいの群れになって草を食べている。上の方には朱雀がこちらの様子を見ている。炎駒は日本で言うところの麒麟だ。見た目は馬だが、首や足から炎が出ている。
見るからにかなり強そうだ。でも襲ってくるわけではないので、少し離れて脇を通り過ぎようとすると、馬のように戦慄いて威嚇してきた。
何かの波動を感じる。
臨戦態勢に入る。図鑑では見たことがあるが、どう戦っていいか分からない。
少し様子を見るか?
私は、刀に「反射」の魔法を入力する。炎駒の2匹が、戦慄いたあと何かの魔法を使ってきた。
炎の風が襲ってくる。私はそれを跳ね返したが、美夜、瑠璃以外は吹き飛ばされた。
私が跳ね返した炎は、炎駒の2匹に当たり、2匹が吹き飛ばされた。
瑠璃は『水壁』で防いだようだが、美夜を除き他の者は火傷を負っている。
すばやく紅々李と私がヒールする。火鼠のときより、ひどい火傷だが、重傷というわけでない。
あんまり戦いたくない相手だな……なんとなく、悪い魔物ではない感じがする。どちらかというと神聖な感じだ。
美夜がその群れのボスに近づいていって、刀では切らず炎駒を殴った。そのまま背中に乗る。
その炎駒は、群れのボスだったようで、少し暴れたが、美夜がまた頭を小突くと諦めたのか大人しくなった。美夜が炎駒と戯れるように野山を駆け回るのをしばらく眺めていると、炎駒は戦慄き崖を飛んだ。
えっ! 落ちる!
と思った瞬間、美夜を乗せた炎駒は宙を駆けた。
もうこちらに危害を加えることはない感じである。
私も近づいていって、乗れるか試そうとしたが、首の炎が熱くて乗れそうにはなかった。
――美夜は火の精霊使いだからな。
空を見上げ、
「お~い。美夜ぁ・・・どうする? とりあえず登っていくぞぉ」
「うん。オレはこれに乗ってついて行くから」
炎駒を家来にしてしまった感じだな。
7人体制となり、フォーメーションIだ。直線で道を上っているだけである。美夜は、我々の真上の空から見守るように炎駒に跨り空を駆けている。
――△▲△――
しばらく舗装されていない道なき道を歩いていくと、石の城壁があって立ち止まる。城壁を登ろうか、門を探すか悩んでいたら、豚のような魔物が城壁の右の方から槍をもってやってきた。
明らかに敵意がある。これは図鑑でみた『焼豚』だ。焼豚は槍と鉄の盾を持って襲ってきた。
戦う気はないんだけど、しょうがないな。美味しそうな匂いするしさっさと平らげて、いやいや倒してしまおう。
焼豚は、槍と口から吐く炎で戦ってくる。ただ、大きな体躯(2mくらい)と槍の攻撃が重い。盾で受けている日葵や瑠璃も吹き飛ばされそうだ。
クロは器用に避けている。さらにいつ着替えたのか忍者姿になり、手裏剣を投げた。手裏剣は焼豚の盾を回り込んで、焼豚に突き刺さる。
ブゥ ……焼豚が悲鳴を上げる。
が、致命傷にはならない。でも焼豚が傷を負うと・・・香ばしい焼けたいい匂いがする。
これは! 人を惑わす匂い攻撃だな! ……と早めに気づいて良かった。危なかった。また、精神攻撃にやられるところだった。
碧衣はキセル型の吹き矢で毒矢を放つ。毒矢が当たると、痺れて動けなくなっていく。そこを刀でサクサク輪切りにしていく。蓮月は「月光の矢」を使うまでもなく、蛇腹刀(蛇のように伸びる刀) で盾を回り込ませ切っていく。
クロは手裏剣と短刀をうまく使い分け、片付けていく。
紅々李は盾で炎を避けながら、薙刀で応戦している。それを私が太刀で切る。
焼豚は図体は大きいが、動きが鈍い。あの炎と槍をうまくよければ、刀で切り刻んでいけば良かった。
さらに、
日葵は電撃槍で盾ごと痺れさせ痙攣しているところを切る。
美夜は炎駒に乗りながら、盾ごと、長刀で焼豚を屠っていく。
瑠璃は、水壁を作って、食べていた。。。
おいおい余裕だな。ってまさか!。。。。精神攻撃にやられたな。
10分くらい戦っていると、焼豚は体力が無くなったのか、へとへとになり城壁に逃げ帰っていった。
倒した焼豚の後には、焼豚の魔核36個とドロップアイテム「チャーシュー」が落ちていたので魔核は全部回収し、ドロップアイテムもできるだけリュックに詰めた。
少し疲れたので、お昼にすることにした。美夜は炎駒とお別れしている。
紅々李が鍋を出すと、鍋に瑠璃が「水」と言って水を入れる。
その辺の石と木材を拾ってきて、かまどを作り、木材に美夜が「火」と言って火をつける。とても便利な二人だ。
味噌を入れ麺を入れる。……って、オイその食材いつ持ってきた。
その辺にあった適当な葉っぱを入れて(食べられるのか?その葉っぱ)、チャーシューを入れればラーメンの完成だ。こういう時はみんな素早い。
とてもいいチームプレイだ。
ここで、ラーメンが食べられるとは思わなかった。……美味しい!
汁も残さず飲み、至福の時を過ごした後、なんとなく満足してしまったので城壁の攻略は明日に回し帰路に着く。
途中、胡桃たちと合流した。……おっ! ちゃんと生き残ってる。
胡桃たちは、火鼠と交戦し服も焼けただれ、顔も真っ黒だ。多かれ少なかれ火傷を負っていた。首領の胡桃は獅子奮迅だったのだろう。髪の毛までちりちりだ。でも大きな火傷は受けていない。全員ヒールで治すのは面倒なので、傷薬をあげて塗ってもらった。
今日の戦果だ。
まず胡桃たちは、火鼠の魔核120個12万円と齧歯120個6万円で18万円。
12P✖120個で1440P、胡桃の団員が96名いたので、1人15Pだ。この調子で行けば、これまで貯めていたポイントもあるだろうから、今月中には昇格できるだろう。
私たちの戦果は、焼豚の魔核36個とドロップアイテム「チャーシュー」250kg。チャーシューは個数ではなく重さで計算するようだ。
魔核はD級で1個5万円、チャーシューは1kg5000円だそうだ。
全部で305万円になった。全て換金してもらった。
ポイントは、魔核1個が40Pで1440P、1人180Pだ。累計で 883Pになった。




