3 中国①
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「唐衣 着つつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ」
在原業平 (古今和歌集より)
スピンクス解釈:
裕福で立派な服を着た親しい人がいる地元(日本)をはなれ、思えばはるばる遠くまで旅をしてきたなぁ。振り返ると足元には美しい杜若が咲いている(振り返ると美しい彼女らがいる)。
言葉の頭が「か き つ は た」となっているところに注目すべき歌です。
「 Lip Magic Generations 」のメンバーは、一度解散しそれぞれの両親に別れの挨拶に向かった。念波で済むことでもあるが、実際に会って話しをするのは違う。
出発は、明日早朝だ。
――●★☪――
翌日、挨拶を済ませ、7時に江戸駅に集合した。
事前に皆で相談し、最初はユーラシア大陸の北京に行くことにしている。
江戸駅から北京駅まで10万円の切符を購入し、蒸気新幹線に乗り込む。
北京まで約2000km、約4時間の旅である。日本海を通っていくので、ほとんどが暗いトンネルだ。
「中国に行ったら、まずは食事よね。何食べる?」
「炒飯かな? 北京ダックもいいわよね」
「私、チャイナ服欲しいな」
……冒険とは全く関係ないな。
そんな会話をしていたら、もう北京に到着だ。4時間はあっという間だ。
美夜は以前、中国にも住んでいたそうで中国語が流暢だ。通訳をお願いし、まずはギルド会館北京支部に行く。
中国は国土が広く3箇所のギルド支部と10箇所の支店を持っている。
――さぁギルド会館に到着だ。ってここどこ?
なぜかチャイナ服専門店に馬車が止まった。どうやら美夜がチャイナ服を購入したいらしく、馬車の御者にお願いしていたらしい。女子がバタバタと店に入っていく。
――◇□◇――
私が馬車で待つこと1時間、全員チャイナ服に着替えてきた。しかも、ミニだ。戦うときは、ミニの方がいいんだそうだ。私は目の保養になってとてもうれしい。
馬車に皆乗り込み、ギルド会館に到着だ。
と、思っていたら、今度は中華料理店に着いた。そういえば、もうお昼を過ぎている。蒸気新幹線の中で駅弁を食べてから、何も食べてない。
――まずは腹ごしらえだよね。
北京ダック、水餃子、ピータン、饅頭、炒飯を注文し美味しく食べる。
支払いになって気づいた。――まだ両替してない!
店員に聞いたら、円でもいいというので必要経費から支払いを済ませた。
なんと8人で12万円にもなった。少し、ぼられているかもしれない。美夜に聞いてみたが、少し割高だがそれほど高いわけではないという。
でもこの調子で食べていたら破産してしまうぞ。……少し自重しないと……
少しお腹がポッコリ出ていることは見なかったことにする。
チャイナ服って身体の線がはっきり出るんだよね。
やっと、目的地ギルド会館に到着した。もう午後3時になっている。
まずは、ギルド会館で「円」を「元」に50万円ほど両替してもらう。
北京支部は、日本支部と中身は一緒だが、外観が違う。簡単にいうと「太和殿」のような外観だ。時間も遅いので、これから魔窟に行くのは危険だ。下調べを行うことにする。
ショップで、中国全土と近隣の詳細な地図を購入する。
中国魔物図鑑も購入した。
皆と話し合い、明日行く魔窟を選んだ。北京から少し遠いが、馬車で1時間ほどのところにある。ただ、ここ中国は、日本と違い治安があまりいいとは言えない。
盗賊も出れば、魔物も普通に歩いているし内乱も各地で起きているそうだ。
商人であれば護衛をつけるそうで、そのような仕事が掲示板に貼ってあった。ただ、C級以上でないとこの仕事は受けられない。
馬車を予約しギルドに宿泊所を斡旋してもらい、ギルド会館の隣にあるホテルに泊まることにした。
――●★☪――
翌日、予約してあった馬車に乗り込む。ギルド会館から馬車を借りると50%割引になる。
馬車には特級、上級、中級、普通に分かれており、上の馬車ほど乗り心地も、御者の腕も良い。御者の腕とは、馬の扱い方ではなく、戦う腕だ。
馬の扱い方は皆乗りなれているのでさほど変わりない。
ギルド会館の馬車の御者は、冒険者を引退したものがなることが多い。A級で引退した場合は特級、B級で引退した場合は上級という感じだ。なおE,Fで引退した場合、御者にはなれない。
運賃も違ってくる。1日貸し切りのみしかないが、日本円で
特級で100000円
上級で50000円
中級で25000円
普通で10000円だ。
私たちは、中級を借りることにした。C級だった御者なので、それなりに強かったと思われる。
北京は、万里の長城のような壁が周囲を囲んでいる。魔窟に行くためには、壁の上にある門を開けてもらい外に出るが、中国内の都市間や各地の街に行くためには、万里の長城風の壁の上を馬車で移動していく。
比較的、壁の上の通路は安全だ。大きな都市、上海、香港、広州、天津などは蒸気新幹線で結ばれているが、あまり大きくないところは、基本的に馬車で移動する。
魔窟が一番近いところで、馬車を待機させ、壁の内部の階段を降り戸を開け外に出る。
ドアにはそこの位置を示す番地が書いてあるので、メモに記入しておく。
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