16 キス
「みんな分かってるにゃ。「魔断」と「反射」、「水」にゃ。でももうひとつあるって言わなかったっけ?」
「確かにそうなんだけど、一番最初のスキルは浄化だと思ってた「魔断」なんだ。
それから、『リップマジック』って自分ではいってるんだけど、口づけするとその相手のスキルを真似することができるようになるんだ」
「えぇ~~~~~ッ!!!」 って皆から悲鳴のような叫び声が上がった。
「ってことは、わての「漆黒」とか使えるのか?」
「そういうことになる」
美夜が驚いたように
「おれの火もか?」 と聞いてくる。
「そういうことになる」
「えぇ~~~~~ッ!!!」 ってまた皆から悲鳴のような叫び声が上がった。
「それって、クロも美夜もショウとキスしていたってこと!」 日葵たちが驚いている。
「先を越されたか」 ボソッと蓮月の声が聞こえる。
素知らぬ顔をしていた美夜が、
「しかし、とんでもスキルだな。何でも有りじゃないか」
「ん~でも、条件があってね。相手がオレのことを好きじゃないとダメみたいで、誰でもいいってわけじゃない。それに男とキスするとか死んでも拒絶する。
それから、美夜の身体強化みたいな潜在的にあるスキルもダメみたいだし、かなり強力なスキルも真似できないみたいだ」
それを聞いた女性陣は、少し距離をとって円陣を組み、ゴニョゴニョ相談している。
「ショウくんが嫌いな人、手挙げて」……シーン
「ショウくんが好きでも嫌いでもない人、手を挙げて」……シーン
「まだ人属以外で、変身できない人、手挙げて」……蓮月、日葵、碧衣が手を挙げる。
「ショウくんとキスしたい人、手を挙げて」……シュッと全員が手を挙げる。
「瑠璃ちゃんはダメだよ~妹なんだから」……瑠璃が「関係ないもん」という。
「ということで、決まったな」と美夜が言った。「ふふふ……」
ん? なんだ?
――???――
「漆黒!」と声が響き、……目の前が暗くなり何も見えなくなる。
「キャ」と瑠璃の声が続く。……たぶん瑠璃も何も見えなくなったのだろう。
だれかがサッと私のそばに来て、その辺にあった縄で私をグルグル巻にする。
私はまったく身動き出来なくなった。
油断していたとはいえ、こんなにあっさりやられるとは。。。オレもまだまだ修行が足りない。
「さぁ準備は整った」と美夜が宣言する。
「順番だからな。まず蓮月だ」
蓮月らしき女性にチュっとキスされた。……頭の中に月の明かりが灯る。
続けて、 日葵らしき女性にチューッとキスされた。……頭の中に太陽が眩しく輝く。
さらに、 碧衣らしき女性にサラっとキスされた。……頭の中に若葉の香りとともに瑞々しい碧色の炎が瞬く。
そして、 紅々李らしき女性に優しくキスされた。……頭の中に薄紅色の柔らかい炎が灯る。
なぜか、 クロらしき女性に濃厚にキスされた……「おまえはいいだろ!」って美夜が言う。
ついでに、 「だったらオレだって」……美夜らしき女性に強烈にキスされた。
――♥♠♥――
縄を解かれ、「漆黒」が解除される。
「どうだ、極楽だっただろう」と美夜が言った。
……う~ん。 極楽かどうかは怪しいが、とても感触が良かった。
「なんだその顔は? しょうがないな。後でキスしてやるからな」
といっていたが、ほかの女子が文句を言っている。中でも瑠璃がかなり怒っている。
美夜が説明してくれた。
「皆と相談してな。いくらかでも戦力は高いほうがいいということで、特にヒーラーがもう一人いると助かる。みんなお前のことが好きみたいだし、変身スキルもほしい。ってことで、全員でキスすることになった」
……クロと美夜はしなくてもいいんじゃね。と思ったがついでなのだろう。
「これで、おまえは全員のスキルが使えるようになった。ちゃんと練習しておけよ。特にヒールをな」
ヒールか、しっかり練習しておこう。
薬とか作らなくてもいいんじゃないかって思ったけど、怪我だけじゃないからな。魔力にも限界があるし、薬は作れるだけ作っておこう。
「最後にギルドに登録するチーム名を決めようか」美夜が言う。
皆しばらく考えた後、クロがスッと立ち上がった。
「Lip magicって面白いスキルにゃ。今日はうちら、うら若きの世代の美女がショウに口づけをして、ショウがいろんな魔法が使えるようになったにゃん。
たぶん、もっといろんな魔法が集まってくるにゃ。んでもって、冒険をしてうちらが新時代を築くにゃ!
―― だから、Lip Magic Generations ってどうにゃ?」
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