8 妹と昇段試験
(4) 昇段試験
私は9歳になった。
今年もお化け大会と地縛霊の面接をこなし、昇段試験がやってきた。
今年の相手はクロだ。クロも強くなっている。引き分けるだけでも微妙かも知れない。
お互いに一礼し、試合開始!
私は太刀を持ち、クロは短剣を両手に持っている。
互を警戒しながら、一定の距離を保ち、稽古場を走り回る。
クロは、低く身構えたあと、地を這うように攻撃してきた。そこから一転してジャンプ! 頭上から襲ってきた。
――それを回転しながら避ける。私はいつものように、スキルを発動させる。
でも今年は、浄化改め「魔断」と「反射」だ。
初めて皆の前で蜷局の紫紺と紅色の炎を公開したが、そんなことを考えている余裕はない。クロはそれに怯まず、両手の短刀を利用した回転切りで攻撃してきた。
私の今のスキルではそれを受けることはできない。
カカカカカカン ……刀が鳴り、けたたましい音が稽古場に響く。
――◇◆◇――
「引き分け~~~」と梅村先生の声が響いた。……時間切れである。
試合時間は10分。10分を経過しなんとか中級レベルになることができた。
他にも試合は行われ、結果は
初級は、紅々李
中級はクロ、碧衣、蓮月、日葵そして私だ。
上級は美夜だけである。
美夜はもう聖級レベルの実力があると言われているが、ここの学生生活が楽しいらしく、剣聖学院への進学は固辞している。
翌年、 紅々李は私に勝ち昇段した。……ってことは、オレが一番弱いの?
(5) 妹の入学
私は10歳で20歳レベルに進学した。
妹は知能試験で、いきなり20歳レベルに合格し、特待生となった。なんと私と同級生である。
剣術は初級レベルである。……なんとか兄の面子を保つことができたな(汗)。
瑠璃は、小さい頃から私にとても懐いている。
私も10歳だし、妹も5歳だからあまり気にしないで一緒にお風呂に入ったり、布団で仲良く寝ている。
クロにそのことを話すと、少し引かれた後、
「ウソー。 じゃ今度、わても一緒に入ったげるにゃん」
とか冗談? で言われるが、さすがにもうそろそろお風呂は一人で入ろうと思っている。
瑠璃が七五三を終え3歳を過ぎると、江戸の治安がいいこともあるが、休みの日は兄妹だけで一緒に出歩くことも多くなった。妹は、前世でのこの世界での記憶があるためか、どこに映画館があるとか、あの劇が見たいとか、この小説面白いよね~とか、とにかく博識である。
もちろん、瑠璃が生まれてから映画も本も見たことないのにである。
こう考えると、前世の記憶があるということは、この世の発展に大きく貢献するように感じる。同じ職種に付けば、修行はほとんどいらなくなるし、覚えも早い。何より前にできなかったことを覚えていれば、そこから始められる。時間短縮になる。
ただ、前世に悪業を重ねた場合、その罪に苛まれることもあるだろう。人神世界のように忘却させるというのは、悩まなくて良いということも言えるだろう。
瑠璃は剣術の覚えも早く、翌年6歳の昇段試験で中級レベルになった。
……家に帰ってから私と一緒に剣で修行(遊んだ)したお陰だ。
……そうだ。きっとそうだ。そういうことにしよう!
……兄の面子が、プライドが~
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