4 お稽古
「エイ!」 「ヤーッ」
寺子屋の稽古は午後からだ。
剣を教わるためそれぞれ別の稽古場に移動する。
剣術は上級になるか、20歳まで続けられる。
15歳までに上級になると、希望で剣聖学園に進学できる。
先ほど話した中で
初級は私の他、蓮月、紅々李、日葵
中級はクロ、碧衣
上級は美夜だけだ。 ――龍族はポテンシャルが違うな。
美夜は上級のため、富士の麓にある剣聖学院に誘われたが、勉学を行うため保留にしたらしい。それではということで、中級レベルの先生になるそうだ。
初級は、なんとクロが先生だ。
なんか逆に少しやりにくい。
だいたい同じ年齢層で、10人くらいに教える。
クロは、まずそれぞれに竹刀を持たせ、1対1で試合をさせた。
私の相手は紅々李だ。私と紅々李は竹刀を持ち一礼をした後、少しずつ間合いを詰めていく。
数回竹刀が衝突した後、
バン!
私は見事に……胴を切られた。
――痛ッ――防具はない。痛みがお腹に直接響く。
クロがその試合を見て指導に入る。
「見た感じ、ショウは防御が弱いみたいにゃ」
「紅々李は、力が足りないにゃん」
――けっこう痛かったが――
後は、竹刀を素振りして今日の稽古は午後3時45分に終わる。
その後道場を掃除し帰宅する。
サークル活動をしたり図書館に行く人もいるが、寺子屋は午後5時には門を出ないといけない。
学校の先生も家庭があるからね。
――◆□◆――
一週間後・・・・・・
「ショウは~、少し防御が苦手みたいだから、腕に着けられる籠手と長刀か太刀を基本にして、脇差と短刀を着けとくといいにゃ」
寺子屋の稽古でクロから指導を受ける。
「紅々李は、腕力がまだ足りないみたいだから、薙刀がいいと思うにゃ」
「蓮月は、音に敏感で高く飛べるから、後衛で補助するか、弓矢がいいと思うけど、あちしは知らないにゃ。とりあえず短刀を2本持って練習するにゃ。弓矢は中級レベルで教えてもらうといいにゃ」
「日葵は、見かけによらず筋肉質で、頑丈にゃ。盾を主体にして槍で戦うにゃ」
その武器が合っているのかよく分からなかったが、確かにすぐ切られることはなくなった。
生徒同士での稽古が続き、週に1度クロ先生に相手してもらうが、まったく相手にならない。瞬殺である。中級レベルの壁は高い。
そんな感じで1ヶ月が過ぎ、クロ先生の稽古は終わった。
2ヶ月目は、碧衣先生である。
クロ先生は、攻撃主体だったが、碧衣先生は、防御に際立っていた。
クロと碧衣の模範試合を見学したが、クロが素早い動きで剣を縦横無尽に切りつけても、碧衣はゆったりした動きで躱してしまう。まるで、狐に化かされている感じだ。
クロの話では、ゆったりした動きに見えているだけで、実は残像が残っているとのこと。でも、碧衣も防戦一方で、クロには攻めあぐねていた。
そのためか、碧衣先生は、主に攻撃の防ぎ方について教えてくれた。盾で正面から防ぐだけでなく、斜めに受けて相手の攻撃を受け流したり、盾も攻撃に使えること。刀で攻撃をいなしたり、滑らす方法や視線をずらすことで、相手の注意を逸らす方法などである。
なかなか中身の濃い2ヶ月間であった。
その後、他の中級レベルの生徒に教えてもらったが、最初の2ヶ月間が経験値としては大きかったように思う。
入学から10ヶ月・・・待望の夏休みがやってきた。
お読みいただきありがとうございます!
できるだけ、毎朝7時に更新します。
【読者の皆様へのお願い】
少しでも面白いと思って頂けたら、ブックマークや評価をしてもらうとうれしいです!
評価はページ下部の【☆☆☆☆☆】をタップすると付けることができます。
これからも面白い物語を提供していきたいと思います。
どうぞ、よろしくお願い致します!




