10 魔女集会①
「さ、魔女集会の場所教えてもらおうか」と碧衣が言って、クロが通訳する。
マフィアのボスが「そ、それは、できない」
「できないって言ってるにゃ」
ハクビがボスの頭に手を伸ばし、指で触れる。
「お父様。場所は分かりました」
ハクビは神使となったことで、人の心が読めるようだ。
それに気づいたのか、ボスは「こうなりゃ最後の手段だ!」と言って、何かを飲み込み肥大化していく。
服が破れ、魔物、いや悪魔に変身した。
口が耳まで裂け、頭から変な角が出ている。
しかし悪魔に変身しても、豚のように肥えていてあまり強そうには見えない。たぶん下級悪魔だろう。
その悪魔のマフィアが黒い息を吐いた。
すると、周りにあった観葉植物が萎れ、倒れていた子分のマフィアたちが干からびていく。
「狐火!」
ハクビが私たちの周りを丸く清浄な狐火が囲むと、「黒い息」は塞き止められ、その中には入ってこない。
さらに紅々李が悪魔に向かって「ちはやぶる!」とその悪魔を包み込む光の玉を投げる。
悪魔は神々しい白光に包まれ、
痛々しい「ウギャーーー」という悲鳴とともに霧散した。
呆気ない最後であった。
私はしっかり落ちていた黒い魔核と魔法機関銃を回収する。
――狐魔光――
警官とは(危ないので)ここで別れ、ハクビが先頭を切って案内していく。
警官は名残惜しそうに、手を振っている。
歓喜と笑い声に包まれながら、
「今度会ったら、奢るからな」
「本当にありがとう!」
「その変な服、似合ってるぞぉ(笑)」
とか言ってるらしいが、私には分からない。
ただ、お礼を言われているんだろうということは分かった。
もうすでに時刻は夕となり日は沈みかけていた。
魔核魔女にとっては都合のいい時間だろう。
一昨日訪れたジャングルの入口に着いた。
蓮月が木や草に魔女集会まで道と場所を教えてもらう。
ハクビに確認を取り、位置の特定を行う。
碧衣に「音無し!」にしてもらい、魔断を刀に付与(口づけ)し、私が先頭で「I」のフォーメーションで移動する。
蓮月に、「花道!」 で歩きやすくしてもらった。
蓮月が一緒にいると、木の枝や草がぶつからないように避けてくれるので、移動はスムーズだ。
刀の「魔断」の炎が着いた切っ先を前にしながら進んでいくと、炎が揺らぎ、トラップ魔法が解除されたことが分かる。
さらに先に進むと、魔核魔女が数人、地面からヌーッと出てきた。
黒い被り物をした魔女が、たぶんすでに詠唱済みであったのだろう魔法陣をこちらに向けて押し出してくる。
素早く私とハクビがそれを魔断で真っ二つにしていく。
それを見た魔核魔女が慌てて、詠唱を始めたが、もう遅い。
美夜と碧衣が飛び跳ねるように魔核魔女の眼前に行き、切り捨てる。
後ろの方にいた魔核魔女が逃げるように地面の中に潜っていくが、
蓮月が「根張って!」というと、周りにある樹木が木の根を伸ばして邪魔をする。




