聖夜の贈り物
1000文字未満の短い話です。
楽しんで頂けると幸いです。
「ふうー、もう少しで今年もプレゼントを配り終わるな」
クリスマスイブの夜にサンタさんは世界中の夜空を駆け回っていた。
「お前たちもあと少しじゃ、頑張ってくれよ。」
サンタさんはソリを引っ張ってくれるトナカイ達へとお礼の言葉と励ましの言葉を贈る。するとトナカイ達は少しスピードを上げて夜空をかけていく。
ある時は煙突から、ある時は魔法で壁をすり抜けて靴下の中にプレゼントを入れていく。
「良い子のみんなよ、来年もワタシを待っていておくれよ。」
そう言ってサンタさんは再び夜空をトナカイ達と飛んでいく。そうして人知れず聖夜の夜空をかけて行くのであった。
「ふぅー……今年も配り終えたの……」
サンタさんはソリから降りてトナカイ達から手綱を取って家の中へと連れていく。
「さぁ、寒い中お疲れ様じゃ、今温かいミルクでも作ろう。」
そう言ってサンタさんは鍋に牛乳を入れて火にかけた。その間にサンタさんはソリを小屋に直すのであった。
小屋から戻るとミルクが沸騰していて、急いで火を止めた。そして自分のコップと、トナカイ達のお皿に均等にホットミルクを注いでいく。
「おやおや、これは珍しい……」
サンタさんは窓の外を見た。そこには流れ星が舞っていた。
「流星群か……うむ、良い事を考えたぞ、。」
サンタさんはホットミルクを一気に飲み干して、プレゼントを入れてた袋を持って外へと出た。そしてその袋に星のかけらを詰め始めた。
「うむ、このくらいでよかろう。」
そう言うとサンタさんは小屋からソリをもう一度出して星のかけらが沢山入った袋をソリへと載せる。
「トナカイ達よ、もうひと仕事頼まれてくれんか?」
その言葉にトナカイ達は笑顔で頷きホットミルクを飲み干して外へと出た。
そして再び夜空へと飛び立った。しかし、さっきとは少し違い今回は流れ星が舞う空を飛んで行くのだった。
「さぁ、朝までに終わらせるぞ、みんな!」
トナカイ達は声に呼応する様に流れ星の舞う夜を流れ星よりも速く飛んで行くのであった。
それでは良い夜を。
Merry Xmas