小説を書くということ
人間とは存在そのものが一つの世界だと私は思っています。
人の数だけ異なる世界がある。
そしてそれらは決して同化することはない。だって、そんなことをしたら、世界が崩壊してしまうから。
まわりと違うということが個を生み出す境界線となる。
だからね、人間は本質的に孤高の存在なのです。
小説を書くこと、それはもっと自分のことが知りたい。もっと自分を構成する世界のことを知りたい、愛したいという欲求、あるいは衝動だと思います。
それは絵であったり、音楽であったり、私にとっては、たまたま小説という形だったというだけの話。
音楽のことはわからないけれど、今後は絵も描いていきたいなあ、なんて思うのです。
読んで欲しい、評価が欲しいという欲求も、すべてはもっと私を見て。どんなものが見えるか教えてよ。という自分自身への本質的な好奇心。
だって、自分の背中は見えないし、自分で自分は抱きしめられないもの。
地球に暮らす人々は、自分たちが暮らす惑星がどんなふうに見えているのかわからない。
私は地球で、読者はほかの惑星。
自分で自分の姿は見られない。
だから私は思うのです。
もっと上手く、もっと的確に、悩む書き手のみなさまに伝えたいのです。
一生懸命着飾ってどうするの? それって意味あるのかな?
知ってもらいたい、自分のことを知りたいのなら、ありのままを書けばいい。
心配しないで。貴方の書いた小説は、ちゃんと世界を映してる。
言葉の選択、行間、タイミング。すべてから貴方の世界を感じる。
伝わらないかもしれない? 嫌われるかもしれない?
私は全ての星が愛おしい。色も違うし大きさや明るさだってみんなそれぞれ。
貴方は好きなもの以外は要らない人ですか? 赤い花以外は滅びれば良いと願う人ですか?
飾ろうとすれば伝わりにくくなる。分厚い化粧の下の素顔を、どうして他人が知ることができようか。
難しい言葉は必要ない。普段自分が使う言葉を使えば良い。思い付いた単語を使えば良い。
借りた言葉では伝わらない。意味は伝わるかもしれないが。
一回だけでは伝わらない。だったら何百回でも書けばいい。伝わるまで書けばいい。
偽らないで。飾らないで。
難しい?
そうかな?
自分を偽り、飾りつける方が私には余程難しく辛いことだと思えるのです。
最初は難しく感じても、だんだん楽しくなってくる。書きたいことがあふれてくる。
だって、貴方は世界そのもの。
その気になれば、書くネタは、星の数ほどあるのですよ。
貴方にとって平凡で何の魅力もないモノこそが、貴方の本質の部分なのだと気付くはず。それこそが書くべきことだとわかるはずなのです。
最後に一つアドバイス。
あくまで書きたいことを書くのです。
書くことで自分が傷つき、苦しむのなら、それは書きたいことじゃあない。
自分が傷つくものは、読み手も傷つきます。
自分が癒されるのなら、読み手も癒されます。
時間も命も有限なのです。明日書けなくなる日が来るかもしれないのです。
皆さま、書きたいと思った時が書くときなのです。
さあ、次は貴方の番ですよ。