一万時間の法則
一万時間の法則って知ってます?
大雑把に言えば、その道で一人前になるために必要な訓練(練習)時間の目安です。
とってもわかりやすいんで色々誤解や曲解されて使われているんですけど、誤解を恐れずに言えば、しっかりとした目的(目標)を持って、適切な訓練(練習)を一万時間続ければ、才能に関わらず一人前になれますよ、ということ。
小説とか絵の世界って、よく才能って言う言葉が使われるし、実際この一万時間の法則も才能を否定しているわけではなくて、調べてみたら才能よりも積み上げた時間と機会(環境)の方がより重要だったということであって、ちゃんと頑張れば才能関係なく一定水準にはなれますよ、ということ。
ある意味で才能ないなあっていう人には希望ですよね。
ところで一万時間ってどのくらいだと思います?
毎日三時間を続けても、九年と二ヵ月近く、およそ十年ですよ。
毎日二時間だと約13.7年、毎日一時間だと約27.4年、毎日三十分だと――――約54.8年!!!
普通の人が毎日三時間出来ますか? それも毎日。学生で部活が無かったとしても、受験勉強とかあるでしょうから、よほど覚悟を決めて、中学、高校の六年間をすべて捧げても届かない。それを大学でも続けて卒業前にギリギリ届くかどうか、それが一万時間です。
ましてや、社会人だったらどうでしょう? 一日三時間? 絶対無理です、もしかしたら公務員なら可能かもしれませんが。
私が小説を書き始めてちょうど五年経ちました。体調不良で書けない時期もたくさんありましたし、四年前に絵を描き始めてからは、半分そちらに時間を持って行かれていますから、どれだけ多く見積もっても一日三十分も確保出来てません、仮に三十分としても、912.5時間です。一万時間の一割にも届いていない。イラストも同じ、仮に一日三十分としても、たったの730時間です。
必死に隙間時間をかき集めて――――悲鳴を上げる身体を奮い立たせて積み上げた私の全てがこの程度です。
一万時間の法則は希望でもなんでもありません、私にとっては呪いです。
お前は死ぬまで一人前になれない中途半端で終わるんだと。
人生全てをかけても届かない、それが私にとっての一万時間です。
じゃあやめる?
絶望する?
無意味なら最初からあきらめた方がいい?
そんなわけないじゃないですか!!
私の覚悟を舐めるな!! 時間が足りないなら――――十倍集中すればいい。
全ての経験をあらゆる時間を絵と小説に結び付ければ良い、
私の周りには――――凄い人たちがいる、全員最高の先生だ。
私の周りには――――応援してくれる人たちがいる。
私が倒れそうになっても、立ち上がる力をくれる仲間たちがいる。
道に迷いそうになっても、私は一人じゃない。
私の目指す場所は――――皆で描く未来。
正直安心した、こんなにやっても駄目だなあって思っていたけど、当たり前じゃん、だってまだ一万時間の一割もやってないんだから!! むしろ、それでこれだけ出来てるならもしかして私、結構出来る子?
ふふふ、今の私は本来の10%も出していないんですよ?
やばい……伸びしろしかないじゃん!! 可能性しかないじゃん。
私はまだまだ駆け出し冒険者、何も始まっていないし、終わってもいない。
神さまがあとどのくらい私に時間をくれるのかはわからないけど――――
確実なのは、私が天に召されるその瞬間まで――――過去最高の私でいられるということ。
もし貴方が諦めかけているのなら、本気で一万時間やってから諦めてもいいんじゃないかと私は思うよ?




