イラストを描き続ける私なりのコツのようなもの
めっちゃ久しぶりの更新です。
言い訳をすればこの連載の存在を完全に忘れていました(言い訳になっていない)
さて、今回はイラストのお話です。
なんだかんだ私もイラストを描き始めて三年近く経とうとしています。
時間が無い中、隙間時間をフル活用して描いているので実働時間はたいしたことは無いと思いますが。
曲がりなりにもイラストと小説の二刀流を続けてきた私が感じること、
それは――――イラストを続けることは基本的に苦行ということ。
イラストも小説も本質的には同じ創作活動、本質的には同じ部分も多いのですが、一番の違いは視覚的にイラストは良し悪しが一瞬でわかってしまうということだと思います。
小説はじっくり読み込まないとわからない部分ありますからね。
絵を描かない人は、上手くなるまで耐えれば良いじゃないかと思うかもしれません。
でもね、イラストって上手くなればなるほど駄目なところが目に付くようになるんですよ。
上達 = より違和感に敏感になる とも言い換えることが出来ます。
だから終わりがない。自己満足を許してくれない。自分だけは騙せないから。
誤解されてしまうかもしれませんが、描くこと自体はとても楽しいのです。出来ることが少しずつ増えてゆくのは何よりも嬉しい。
でも描けば描くほど自分の至らなさを突き付けられる。出来ることの何倍も出来ないことがあることを知らされる。
だから――――ストイックな人ほど、真面目な人ほど苦しんでリタイアしてゆく。描くことが苦痛になってゆくのかなと思っています。今の時代、AIイラストもありますしね。
AIイラストは本当にキツイです。
人間が相手ならリスペクト出来る。どれだけ努力したのか想像できるから悔しい気持ちはあっても頑張ろうと思える。
でもAI相手ではそれが出来ない。ライバルとか思うと心がポッキリ折られてしまう。
いかに心の中で住み分けが出来るかが鍵なのかなと思ってみたり。
私の自慢はとにかく描き続けて来たことです。
それは簡単なことではないし、誰もが出来ることではないと、誇りに思える部分。
なぜ続けて来れたのか?
たぶん、小説やエッセイを書いてきたからだと思います。
創作はたしかに作者によって生み出されるものですが、第三者が関わることで初めて完成するものです。
料理を作るのは料理人ですが、食べるのはお客さんです。たとえ料理人が満足していなくとも、お客さんが美味しいと感じたのならそれは美味しい料理なのです。その逆もまたしかり、完璧だと思って出した料理であっても、お客さんが美味しいと思わないことはあります。
とにかく出してみる。
書いたら投稿して、描いたら観てもらう。
不完全でも足りないところだらけでも、本気で楽しんで生み出した作品です。
その時の自分の全力がそれなのです。その時の自分にしか描けないものなのです。愛おしくてたまらないと思いませんか? もっと上手く出来たはず、なんて思うよりそっちの方がきっと楽しい。
足りない部分は――――悔しい想いはその作品ではなく次の作品に活かすべきでしょう。もっと上手くなりたいという原動力なのですから大切にしたいものです。
ようやくタイトル通り本題に入りますが、続けるためのコツのようなものがあります。
あくまで私の場合ですが、最初から上手くやろうとしないこと。
これが小説とイラストの二刀流を続けてきた私の結論です。
イラストで説明すると、
私は最初に大雑把なラフ=大ラフを描くようにしています。
この時に気を付けたいのがとにかく雑に描くこと。時間をかけないことです。
この段階で頑張ってしまうと疲れて先へ進めません。
私の場合、大体五分以内に描いてます。
完成度は100点満点で20点くらいで十分です。もっと低くてもOKです。
最近描いた自作キャライラストで説明しますね。
実際に描いた大ラフがこちらです。
我ながら雑ですが、必要なのは叩き台であって完成度は必要ないのです。
次にラフを描くのですが、この段階で培ってきた違和感を見つける力を初めて使います。
不思議なもので、最初から60~70点のラフを描こうとすると大変ですが、20点を修正して60~70点にするのははるかに簡単なのです。
大事なのは良くなったという実感。最初から頑張って60~70点を描こうとするとマイナス(100点から減点方式になる)ばかりが気になってがっかりしますが、20点を修正して60~70点にすると加点方式になって精神的にとても楽しくなります。
先ほどの大ラフを元に実際に修正して描いたラフがこちら。
私は小説も絵も描くのが速いです。
悩んだり詰まることはまずありません。それは私が天才だからではなく、最初から完成度を求めていないからです。
一時間悩んで考えるよりも、その時間でとりあえず下書きを書いて何度か修正した方がはるかに速いですし結果的に良いものが出来ると思います。
とにかくハードルを下げること。
最初は10点でも良いのです。車だってローギアが一番重い。でも――――走り出したら軽くなる。
せっかくなので完成したイラストがこちら。
もちろん速ければ良いというわけではありませんが、力を底上げするには完成させた経験を積み重ねるしかないと思っています。
そして――――作品を完成させるとは、公開することまでがセットなのです。
私の経験が何かの気付きやきっかけになるとしたら望外の幸せですが、あくまで私個人の考えですので、ふーんこんな風に書いているんだ、くらいに読んでもらえたら嬉しいです。
どうか皆さまの創作活動が実りあるものでありますように。
そして――――いつまでも楽しく続けることが出来ますように。




