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僕の人生はありえない

初投稿です。色々とめちゃくちゃなとこもあると思いますがお手柔らかに。

ーもう無理だ、頼む、誰か僕を殺して…。




この先、生きていても楽しいことなんかない。


この先、生きていても何も成すことはない。


この先、生きていてももうどうしようもない。



生きる意味なんかない、だったらもう死んだ方がいい。


生きていたって仕方がない、だったらもう死んだ方がマシだ。


僕に生きる価値なんてない、だったらもう死んじゃえ。




ーなんで僕はまだ生きてるんだ…?




暗い夜道を俯きながらノロノロと歩く。

先の長くない病人か、はたまた斬首台に向かう罪人のような足取りだと自分でも思うが、僕は死なない。


正確には、死ねない


どれだけ心の中で死を望んでいたって僕には自分で自分を決める勇気なんてない。

せいぜい虚ろな目と覇気のない顔でどうしようもない日々を過ごすだけだ。


何も無かった昨日、何も無い今日、そして何も無いであろう明日。きっと1年後だって今と同じ考えで同じ毎日を生きている。


間違いなく今の僕に生きてる意味も意義も目的も無いし、そんなことぐらい僕にだって分かってる。


だからもう終わりにしたい。全て。こんな生活に終止符を打ちたい。


でも出来るわけがないじゃないか。親や兄弟や友達、僕のことを知ってる人がいる。なまじそんなものを持ってしまったばっかりに、僕は全てを投げ出す勇気が持てなかった。


誰の目にもつかないところでひっそりと死なせてほしい。誰にも知られず、誰にも迷惑をかけずに。

例えばそう、あの猫のように。


…と思ったが、よく見てみるとさっきまで猫がいると思っていた場所にはクシャクシャになったレジ袋しか無かった。


ああ、疲れているのか。こんな何もしない生活をしていて何に疲れるというのだ。

忙しなく動いていた高校生の頃の方がよっぽど活力があった。元気に満ち溢れていた。なのにどうしてこの堕落して憔悴しきった体からは一滴もエネルギーが湧いてこない。

あの頃の自分が今の僕を見たら何て言うだろうか。僕だったら泣いちゃうね、全く。


そんな馬鹿馬鹿しいことを考えているとようやく自宅のあるアパートについた。


鍵を開けて部屋に入る。と同時、代わりにドッと疲れが湧いてきた。思わず目の前のベッドに倒れ込む。


何か疲れてるな、今日。せっかくご飯買ってきたのにこのままじゃ食べずに寝てしまう。何も食べなかったら死んじゃうぞ、どうせ死ねないけど。


ただ今日はいつもと違う気がした。もっと深いところに誘われるような、引き込まれるような。


ずっと変わらない生活を送ってきたけど、今日は何か違うかもしれない。明日は何かあるかもしれない。ふとそんな希望が見えそうになる。期待するだけ無駄だろうが。


あと何か、もっと考えていた気がするけど、もうここから先は何も覚えていない…。




パシャ。


「え…?」


「おおお!!成功したのか!!でかしたぞミリーゼ!!!」


「はあ…、はああ…、ありがとう、ございます…っ」


そうか、あの後僕はあのまま寝てしまったのか…。


目を開けると、高い天井が見える。どうやら僕は水に浸かっているようだ。

耳を澄ませば轟音や剣戟音、さらには爆音まで聞こえてきて…


「え…?!」


「さあ、勇者様!私と共にお逃げください!こちらです!」


「ちょ、ちょっ…待って!」


いきなり白い服の女の人に腕を掴まれて、無理やり引き起こされる。


「うおおっ!?いてててててて!!」


寝起きで渇いた声しか出ず、僕の抵抗は彼女には届かない。


「勇者様、お早く。ここは危険ですから、さあ早く!」


「ちょっと!何なんですか!いきなり!」


何とか口に入ってきたぬるい水で喉を潤し、声をあげる。


周りを見渡すと、どうやらここが建築物の中ではなく、森の中にある天井のついたステージか何かであるということが分かる。壁は無く、柱にはツタのような植物が巻きついていて、その柱と柱の間からは鬱蒼とした森の木々たちを確認することが出来る。…じゃなくて、今はそんなことより、


「あの、ホントに何なんですか!そもそも誰なんですか貴方!」


「今は説明する時間が惜しいため、後ほど説明させていただきます。あなた様はとりあえず、これまでいた世界とは違う世界にいる、ということだけ今は覚えておいて下さい。」


「はっ…?」


これまでいた世界と、違う世界にいる?僕が?今?




「まさか…これって…、」




変わらない日々、目的のない日々からの解放を求めていた少年の全く新しい人生が、今、始まる。


良かったらコメント、ブックマークしていって下さい。跳ねて喜びます。(๑ ˊ͈ ᐞ ˋ͈ )ホッ

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