ハーレム誕生!? 2
「へぇ…それはどういうことでしょう?彼を連れて来てくれたことには感謝致します。まあ、せっかくのお茶でもまだ温かいうちにどうぞ、彼は安心して私達にお任せ頂いて大丈夫ですから、お茶を飲み終わったら、どうぞお帰りくださいませ」
「それは出来ないわ」
「へぇ…」
何これ?修羅場だよね!?なんで?というか、さっきの姫野さんの発言はどういうこと!?ハーレムに入る?しかも、僕の子どもを生むとか…僕、好かれてたの?わからん!どういうことなんだ。
「ゼノビアの姐さん。もういいかい?」
「ええ」
外から声が聞こえたかと思うと、唐突に襖が開かれ、いつの間にいたのか10人以上の女性がたっていた。
「な、なに!?」
思わずそちらを見た瞬間、今度は後ろからドサドサっと音がして振り向くと、いつの間にか、こちらにも3人程女性が立っていた。
皆、10代から30代と思われる女性ばかりで見た目も美しい人ばかりだ。髪の毛の色や顔つき、身体つきは皆バラバラ…でもそんなことより、何か皆物騒なもの持ってたりするんですけど~!
ナイフやら、鉈やら何か長細い針とか、斧とか…何これ、ハーレムなの?これ、絶対ハーレムじゃないよね?
『チャンスよ、賢介くん』
ん?声が聞こえて思わず、姫野さんの方を見るが、彼女はいつも通り表情を変えず、座ってゼノビアさんの方をみているだけだった。なんで動じてないの?
いや、それよりも今の声は…
『私の思念を飛ばして、愛と光の手袋を経由して喋らなくても、会話出来るようにしてるわ』
すげぇなラブリースパーク!この手袋一つにどれだけ機能盛ってるの!?
『貴方の方からも、私に思念を飛ばしたいと思って意識してくれれば、思念を飛ばすことが可能よ』
そうなんだ。意識を向けるってこんな感じかな。
『そうよ、それでいいわ』
…これ、意識向けるとか関係なく、僕の思っていること筒抜けだったりするんじゃ…。
『……』
あれ?いや、そんなことないよね姫野さん?
『そんなことより、チャンスよ賢介くん』
そんなことって…いや、確かに今はそんなことを気にしてる場合じゃない。
『さっきも言ってたけど、チャンスって?』
『あの人達は、私達がただ狩られるだけの獲物だと思っている』
『確かに…』
『このままでは、貴方はハーレムの主と言うより、ただの種馬よ』
女性が種馬とか言うとなんかエロい…。
『………今こそチートよ、その愛と光の手袋があれば、彼女らを倒すのは問題ないわ、その力で賢介くんが、自分は獲物じゃなく、彼女らの主だと言う力を見せつけるのよ』
『な、なるほど…言いたいことはわかったけど、出来るかな?』
『問題ないわ』
よし、姫野さんがそこまで言うなら、なんとかやってみよう。
『頑張って…絶対大丈夫だから私の作った愛と光の手袋を信じて…』
心なしか祈るようにそんな言葉を伝えてくる姫野さん。
そうだよな、姫野さんが如何に天才だからといっても…見た目にわからないといっても、今のこの状況が怖くない筈がない!
俺が、姫野さんを守るんだ!
『…カッコいい…』
『ん?』
『…』
なんか、今聞こえたような…いや、そんなことより、今はこの場をなんとかする時だ。行くぜ!相棒!!