プロローグ
初投稿です。
のんびり不定期投稿なので、気軽に読んでください。
「異世界に転移したら無双チートでハーレム生活?随分くだらない本読んでいるわね…」
「い、いいじゃないですか、別に…」
僕こと金子賢介が、まだホームルームが終わったばかりで、まだ騒々しい教室の中、鞄に教科書をしまっていると、後ろからひょいと顔を顔を出して覗きこんできた姫野優奈が、そんなことを言ってきた。
「そんなの面白いの?」
「ほら、なんていうか絶対に起こり得ない非日常感と、悪い奴らを容赦なくなぎ倒していくのが、爽快感があるっていうかさ」
「ふーん…非日常…ね」
こんななんでもない会話がまさかあんなことになるとは、当然なからこの時の俺は全くもって想像もしていなかったのだった。
あれから一週間、何事もなく高校生活を過ごしてきた僕に姫野さんが声をかけて来たのはまたホームルームの終わった直後だった。
「出来たわ」
「…は?何が?」
「異世界に行く転移装置」
「はい?」
「行きたいんでしょ?異世界」
姫野さんは、僕との関係と言えば、ただ席が近いだけのクラスメートであり、彼女から聞くまでは存在すら知らなかった科学部に所属している科学女子である。
まさか、異世界に行く装置を作る技術があるとは………。
「って、んなわけあるか!」
「…大声ださないでよ、ビックリするじゃない」
と、表情ひとつ変えず姫野さんはそんなことを言った。
周りを見渡せば、他のクラスメート達がこちらを見ていた。
すまん。
「悪かった。でも驚くだろ普通…」
「そう?」
姫野さんは、なんというか地味かわいい女子なんだが、あまりクラスメートと会話しているのを見たことがない。
というか、必要な会話以外してないようである。ちなみにいじめとかではないっぽい。
というのも、席が前後で近かったため、高校入学後初めて話したのが姫野さんだったのだが、何故か他のクラスメートが僕を避けるようなり、同じ学年にいる彼女と同じ中学にいたという唯一の男子に話を聞こうとしたら、何かに怯えているようで何も話してくれず逃げたあげく、その時いつの間にか後ろにいた姫野さんに「私のことを知りたいなら、直接聞いてくれればいいのに」と言われ、以来ずっと俺もクラスメートですら姫野さんと以外、まともに会話してないボッチだからだ。
…どうしてこうなった。
そして僕は入学からずっと特に部活にも入らず(入れず?) ただ勉強と図書委員をこなしつつ、姫野さんと会話するだけという日々を過ごしている。
…どうしてこうなった。いや、マジで。




