目が覚めて、、、
目が覚めたのは、病院の中だった。
俺は、頭に大きな傷跡があったそうだ。
大きな傷だったが、命に危険はなかったらしい。
それよりも気になるのは父と母のことだ。俺は、近くにいた看護師に尋ねた。
「すみません、父と母は、、、」
言い終わる前に看護師の様子で、あれが夢ではなかったことを再確認した。
しかし、殴られるまでの記憶には、不可解な点がある、なぜ父と母が殺されたのか、ただの貧乏家庭に殺しをして得られるものなどない。それにこの村では殺しなど一度も起きたことがないのだ。
そう思案していると、見知らぬ少年がこちらを見ているのに気付いた。その少年はこちらに近づいてきて、
「ベートっ元気になったんだな」
と飛びついてこられた。自分とは違う名前が呼ばれたので、
「あの、人違いでは」と俺が言おうとするのを察してか
「黙ってろ」と制止された。
俺は訳が分からないのでだまっていたが。
すると、その少年は、
「じゃあ、もう退院します。」とかってに言った。
体に異常もなく特に断る理由もなかったので、言われたとおりに退院した。退院するときに自分の名前が、本当にベートとなっていたことには大きく疑問を持ったが、、、