休題『剣爵領地関係者(没ネタ三部)』
『剣爵家の敵』
平和の象徴である剣爵家にも敵は多い。
第一に女神の使徒関連の敵、第二に影の国、第三にアヴカエルド、第四にベルソートである。
・第一
この世界の保護のため、タガネの代で侵入は完全に防ぐに至るが、それ以降は間接的な手を用いる場合が多くなったのでこれの対処となる。
・第二
タガネの子孫を悪と断じ、抹殺するために活動している影の女王を中心とする敵勢力。強大な国力もある上に、剣爵家が大陸へと来る都度に何らかの妨害や襲撃を仕掛ける。
・第三
剣聖の未練、剣爵家の汚点。
相手からの積極的な敵視は無いが、剣爵家は是が非でもこれを討ち果たしたいとして、一族の宿敵と睨めつけている。
・第四
剣聖と剣聖姫の遺言に従い、協力者という立場ではあれど、自らの享楽のために牙を剥く危険性がある。剣聖の能力により、魔力の強さは半減している上に悪意を以て人を利用することに多くの制限を受けるのでそうそう手出しは無いとしても油断はしない。
また上記の物以外に、パルムコットや剣聖が生前に因縁を作った相手からの怨恨もある。
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『ティユール』
北大陸で発生した最新の精霊。
灰を司る妖精の類であり、火のある場所を好む。外見が肌も髪も目も灰色に染まった眉目秀麗な少年である。
戦火などで燃え尽きた命なども象徴しており、人格はやや攻撃的で初対面の者に、火にまつわる災いをもたらす。
ベルソートが発見し、本来なら願流島へ移送する手筈だったが、興味本位で剣爵領地へと送る。
剣爵家に対しても攻撃することがあったが、同じく人ならざる者として立ったレインに圧倒的な実力差を思い知らされ、以降は従者となって『剣の魔宮』の案内人を務める。
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『――――』
童女の形をした精霊または混沌。
盲目であり、意志の発露はほとんど無い。
寡黙で表情も希薄である。
名はその形で誕生した時点から本能的に定められており、しかしこの世では発音できない音となっている。
座敷童子のごとく住み着いた家に幸福を呼ぶ。
強い混沌の魔力に惹かれるので、領地ではもっぱらタガネかレインと共に行動していた。そのため、剣聖近衛団内がまことしやかに噂していたタガネの童女好きへの疑惑に拍車をかけるこもとなる。
それ以降は、ミカドやイズナ、ガディウス、チゼルなどの存在の近くを現れたり、消えたりすることを繰り返している。
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『墓守の小人の一族』
影の国に発生した新種の生物。
霊魂を操る力があり、影の国を壊滅させたミカドが生存した最後の一人を拾って剣爵領地に戻り、紆余曲折を経て和解とともに霊園の管理を委任する。
以降は霊園を守護する一族として、脈々とその役目と力を子に継承するとともに、ミカドとその子孫に忠誠を誓っている。
影人のような姿だが、包む物が無くとも形を失わず、死なない。
ひたすら黒い、蜥蜴頭と二頭身の体躯である。




