表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

80/87

第七十六話 街道敷設の下準備

誤字脱字ありましたら誤字報告へ




 街道敷設の下準備として、ラビィさんが道にする際に邪魔になりそうな木や岩に印を付けて先行していた。


「まずはこんなもんやな」


 ラビィさんが額の汗を手で拭いながら戻ってきた。


「結構な量を解体しますね。木材も石材もかなりの量になると思うんですが……」


「当たり前や。ワイとフィナンシェの名前が付く街道やぞ。人が行き交う程度のしょぼい街道なんてのは論外や。最低でも荷馬車が通れる街道レベルで作っていく」


「荷馬車が通れる街道ですか……ハッケイ山脈のこの山の中にそんな大掛かりな街道を通すんですか……。それって大事業になり過ぎてません?」


「なんでや。材料がその場に置いてあれば、後はそこで作業するだけやぞ。街道敷設で一番大変なのは材料の運搬や。それが無くなるだけで随分楽になるはず」


「それにわたくしが――」


 近くで俺たちの話を聞いていたエミリアさんが、杖先を急斜面に向けると、魔法が発動し急斜面が削れてなだらかな登り坂として通行ができそうな道が作れそうになっていた。


「エミリアママすごーい! 魔法で急斜面が無くなっちゃったよ!」


「炎属性よりは不得手だけど、わたくしは地属性魔法もそれなりに扱えるのよ。土木工事の下準備くらいは朝飯前くらいに出来てしまうわね。昔、ラビィパパと一緒に山をぶち抜いてトンネルも作ったことあるから任せてもらって大丈夫よ」


 一瞬で急斜面がなだらかな斜面に成形されたのを見せられ、俺とクラインさんとラディナさんは呆けていた。


 超一流の魔術師だと知ってたけど、こんな魔法も使えたとは知らなかった。


「たしかにこれなら後からくる冒険者たちも傍らに置かれた材料を並べて道を作るだけになりますね」


「そうやろ。これをベースキャンプ予定地まで繋げておけば、補給に困ることもないはずや。それにその後もその街道は重宝されるはずや。なんせ、ワイとフィナンシェの名が付いとるからな」


 ラビィさんがニヤリと笑ってこちらを見ていた。


 あの笑い……。どうも、遺跡探索とドラゴン討伐だけというわけじゃなさそうな気がしてならない。


 ラビィさんは抜け目のない冒険者なので、きっとこの街道を他の何かに利用する気なのかもしれない。


「ラビィさん、この街道って誰かの役に立ちますかね?」


 何かをたくらんでいるラビィさんの真意を少しでも見極めようと、俺は質問をしていた。


「安心せい。ワイもこの街道に関してはほぼ慈善事業や」


「フィナンシェ君の名前が付くんだから、もしラビィが悪事を働こうとしたらあたしがちゃんと解体してあげるから安心しておいて」


 ラディナさんもラビィさんが何かを企んでいると察し、手袋を取ると手をニギニギと動かしていた。


「アホか! ワイは常に世の中のためになることしかせん奴や!」


「あー、そうだったわねー。でも、うさん臭さは別だから」


「うさん臭いとか言いおったな! ワイはれっきとしたSランク冒険者――」


「はーい。ラビィパパ、お口を動かす前にお仕事しましょうねー。コレットもフィナンシェお兄ちゃんとラディナお姉ちゃんのお手伝いするー。ヒナちゃんもお手伝いよろしくね」


「ぴー!」


 ラディナさんに飛びかかろうとしていたラビィさんをコレットが捕まえると、手を引いて下がっていた。


「ラディナさん、俺たちも作業に取り掛かりましょう!」


 俺たちはラビィさんが印を付けた木や石を解体することにした。



 ―――――――――――

 リサイクルスキル

  LV:38

  経験値:1196/4740

  対象物:☆木材(分解品)


 >木製建材(普通):100%

 >木製建材(中品質):100%

 >木製建材(高品質):100%

 >木製建材(最高品質):77%

 >木製建材(伝説品質):67%

 ―――――――――――



 >木製建材(高品質)に再構成に成功しました。


 >木製建材(高品質)


  資産価値:一万ガルド

 


 ラディナさんが解体した木に触れ、木材のレシピの中から、木製建材を選び再構成を終える。


 地面から生えていた木は、皮がめくれ程よい大きさに加工された角材となって地面に落ちた。


 その様子を見ていたクラインさんの顎が外れていたのが見えた。


「フィナンシェ殿!? その力は!?」


「ああ、すみません。これは俺とラディナさんが持つ力なんです。クラインさんは口が堅いと見て、力をお見せしました。くれぐれも他言は無用に願います」


「フィナンシェの言った通りや。この力のことを知っとるのは一部の連中だけやからな。バラしたら、クライン殿の主に色々と請求させてもらうでぇ。払えんと言っても搾り取ったるからな」


「え? ええ! あ、はい。他言はしません! それにしてもすごい……奇跡の冒険者とはフィナンシェ殿のことだったか」


 クラインさんの視線を受けながら、俺とラディナさんは木と石を一気に解体していく。



 ―――――――――――

 リサイクルスキル

  LV:38

  経験値:1197/4740

  対象物:☆石材(分解品)


 >石製建材(普通):100%

 >石製建材(中品質):100%

 >石製建材(高品質):100%

 >石製建材(最高品質):77%

 >石製建材(伝説品質):67%

 ―――――――――――



 >石製建材(高品質)に再構成に成功しました。


 >石製建材(高品質)


  資産価値:二万ガルド



 石も再構成を終えると、人が持てる重さの範囲で綺麗に長方形の形にカットされ地面に転がった。


 そういった石材や木材をある程度の距離ごとにまとめて置いておき、後から来る冒険者たちが敷き詰めて街道としていくのが、ラビィさんの描いている計画だった。


 それにエミリアさんの魔法で急すぎる場所はなだらかに削られているし、これなら作業の速度もかなり向上し過大な負担とはならないような気もする。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  ▼▼▼ 画像をクリックすると、剣聖の幼馴染コミカライズ板へアクセスできます ▼▼▼  
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51WA76oIjQS._SX338_BO1,204,203,200_.jpg
  ▲▲▲ 画像をクリックすると、画像をクリックすると、剣聖の幼馴染コミカライズ板へアクセスできます ▲▲▲  

  ▼▼▼ 画像をクリックすると、異世界最強の嫁コミカライズ板へアクセスできます ▼▼▼  
https://m.media-amazon.com/images/I/812rZfxSn4L._SL1500_.jpg
  ▲▲▲ 画像をクリックすると、画像をクリックすると、異世界最強の嫁コミカライズ板へアクセスできます ▲▲▲  

  ▼▼▼ 画像をクリックすると、スキル再生と破壊コミカライズ板へアクセスできます ▼▼▼  
https://m.media-amazon.com/images/I/91pD246mf2L._SL1500_.jpg
  ▲▲▲ 画像をクリックすると、画像をクリックすると、スキル再生と破壊コミカライズ板へアクセスできます ▲▲▲  
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ