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第六十三話 協力関係

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「お、お、お前らっ!! 反逆者ヨハネとその一味だな!!」


 坑道を戻る時間が惜しかったので、俺たちは街の入口の方へ周り、城門の前の衛兵たちに誰何をされていた。


「その通りですけど、今はそんな場合じゃないと思います。このままだと街が燃え尽きますよ!」


 一部の衛兵たちも屋敷から上がった火の手が街に迫っていることが気になっているようであった。


 だが、衛兵隊長はそんな気配を一切見せず、自らの剣を抜くと衛兵たちをけしかけ俺たちを捕縛しにかかる。


「反逆者どもを捕らえよ。それがザフィード様から与えられた我らの任務だ。皆の者かかれ!」


 言っても聞かないか……しょうがない、ちょっと気絶でもしておとなしくし?てもらおう。


「ヨハネさん、すみません。衛兵さんたちに眠ってもらいます」


「は? フィナンシェ殿は何を言って……」


 困惑していたヨハネさんをそのままにして、俺は腰から光の魔法剣を引き抜くと、盾を構えて衛兵たちに突っ込んでいった。


「フィナンシェ君、援護するわ」


 すかさずラディナさんは弓を構えると、援護の射撃を放ってくれ、俺に迫っていた衛兵が肩を押さえて地面に転がっていた。


「助かります。俺の背中はラディナさんにずっと預けてますからね」


「おっけー。任せて、フィナンシェ君の背中はずっとあたしが守るからね。たとえおばあちゃんになったとしても」


 ラディナさんはニコリと笑って、俺に迫る衛兵を足止めするべく次の矢を番えていた。


「お前らは隙を見ればイチャイチャしおるな」


「あらー、わたくしも旦那と娘とイチャイチャするために頑張りますわよー。コレットはラビィパパと一緒にいなさいね」


「はーい、エミリアママ頑張ってー」


 エミリアさんもやる気のようで、コレットの声援に杖で応えていた。


 ほどなくして、エミリアさんの杖から濃霧のような霧が発生したかと思うと、衛兵たちが次々に倒れ込んでいた。


「お休みを与えておきましたわ。永遠の眠りではないから安心しておいて。残りはフィナンシェちゃんの見せ場として残してあげたからよろしく」


 エミリアさんの援護で衛兵たちは、隊長を含め残り三〇名ほどにまで減っていた。


 これなら、囲まれてもなんとかできる自信はあった。


「了解しました。すぐに無力化して、街に戻れるようにします」


 光の魔法剣を構えなおすと、衛兵たちと向き合った。


 そして、斬りかかってきた衛兵の剣を斬り飛ばしていく。


「あ、あいつ。ものすごい切れ味の魔法剣を持っているぞ……触れるだけで、こっちの剣が切れちまう」


「あんなので斬られたら、こっちの鎧なんて紙みたいもんだろ」


「オレたちはとんでもないやつを捕らえようとしてるんじゃないか……」


 自らの剣を斬り飛ばされた衛兵たちがジリジリと後ずさりし始めていた。


「お前ら、それでもガーデンヒルズの衛兵か! あんな小僧の冒険者一人に手こずりおって!」


 衛兵たちが及び腰になったのを見た衛兵隊長が、自らの剣で俺に挑みかかってくる。


 だが、斬撃は空を切る。


 顔面ががら空きだ。


 俺はがら空きの衛兵隊長の顔面に向けて、盾を打ちつけていた。


「ひげぶぅうえっ!!」


 鼻っ柱がボキリと折れる感触がした。


 そして、鼻を押さえた衛兵隊長は地面に倒れ込むとそのまま昏倒していた。


「勝負ありだな。衛兵たちよ、隊長はフィナンシェ殿に倒された。まだ、抵抗する者はいるか? 抵抗する気のない者は武器を捨て、街の消火活動に加われ!」


「な、なにを言って。反逆者の言うことなど聞けるか!」


 衛兵たちはヨハネさんの言葉に反論をしてきた。


 その様子を見ていたバイスさんが、衛兵たちの前に出る。


「すまないがみんなの力を貸してくれ。頼む、この街を灰にするのだけは避けたいんだ。その後はオレのことはどうしてもらってもかまわない。頼む」


 バイスさんは地面に額を擦り付けて、衛兵たちの協力を仰いでいた。


 その姿に衛兵たちも自分たちの住む街に迫る危機を感じていたようで、武器を捨てるとバイスさんを助け起こしていた。


「分かった、火災の延焼を防ぐ間だけは休戦としよう。私たちも自分の住む街を灰にはしたくない」


 バイスさんは助け起こしてくれた衛兵と握手を交わしていた。


 これでとりあえず衛兵たちは火災がおさまるまでは協力してくれそうだった。


「ありがとう! フィナンシェ殿、すぐに屋敷の方へ向かいましょう! ヨハネ叔父さんも肩を貸すから急いで」


「分かっておる。街まで延焼させないよう木々を切り倒して防火帯をすぐに作ろう」


「分かりました! 手伝いますからすぐに行こう!」


 俺たちは衛兵たちを引き連れ、街中に入ると、火の手を見て右往左往していた住民たちも引き連れて、防火帯を作るため屋敷に繋がる裏門へと駆けていった。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 衛兵はてっきり薬とかなにかで思考が鈍くなってると思ってましたが、会話が通じてしかも説得できる程度に理解力がある、なのに街が衰退していってもなにもしていないのはあまりにも不自然です。 街…
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