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第二話 スキル初発動!

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「えっと……そういえばまだ君の名前を聞いてないや。あたしはラディナって言うの。君は? とっても若そうに見えるけど?」


「俺はフィナンシェ、今年で一六かな。これでも近くの街で冒険者をしている者です」


「そう……フィナンシェ君って言うのね。ちなみにあたしの方がお姉さんね。年齢はナイショにしとくけどまだ若いつもりよ」


 笑顔で話すラディナさんの顔に魅入られ 見入ってしまう。


 ラディナさんか……綺麗でハキハキと喋る年上のできるお姉さんって感じだな……。


 こういう人とお付き合いできたら、人生楽しいだろうけど……。


 やっぱ、もう結婚とかしてるよね。


 目の前の綺麗なラディナさんと家庭を持った妄想に気分が一気に落ち込んだ。


「改めてお礼を言わせて。ゴブリンからあたしを助けてくれて本当にありがとう! フィナンシェ君」


 ラディナさんは再び深く頭を下げた。


 そんな彼女の頭を上げさせようと、思わず剣の廃品を持っていた手に触れてしまった。


 「「あっ!?」」


 俺は馬鹿か……触るなって言われてたのに。


 これはきっと、俺が解体されちゃうんだろうか……。


 もっと、ラディナさんとお話ししたかったな……。


 俺がラディナさんに触れた途端、淡い光が廃品から立ち上り、周囲を包み込んでいた。


────────────────────

 >スキル発動条件が整いました。

 >【リサイクル】スキルを発動しますか?

────────────────────


 俺の頭の中に声が響く。


 それは今まで一度も聞いたことがない、スキル発動を告げる神の声であった。


「あ、はい」


 思わず、そう答えてしまう。


 すると、視界の端に文字が浮かび上がった。


―――――――――――

 リサイクルスキル

  LV:1

  経験値:0/12 

  対象物:☆鉄の剣(廃品)


 >鉄の剣(普通):90%

 >鉄の剣(中品質):70%

 >鉄の剣(高品質):50%

 >鉄の剣(最高品質):20%

 >鉄の剣(伝説品質):10%

―――――――――――


「なんだ……これ?」


 浮かび上がった鉄の剣(伝説品質)の文字に目が行ってしまう。


 >鉄の剣(伝説品質)に再構成しますか?


「え? あ、はい」


 声に誘われるがまま、了承の返事をしてしまった。


 そんな俺を見たラディナさんが、不思議そうな顔をしている。


 そう言えば、俺、解体されてないよね?


 ラディナさんのスキルが発動してないのか?


 そう俺が思った途端、周囲を圧する眩しい光がラディナさんの手から発せられた。


「あ、あの、フィナンシェ君!? 何か光って――! どうなっているの!?」


「ご、ごめん、俺も何でこうなったか分かんない!!」


 光は更に強まり、目を開けているのが困難になった。


 やがて、光がおさまると俺の手にズシリと重くサビ一つない輝きを放つ剣があった。


 え? ええ!? これって俺のスキルの力なの?


 いやいや、剣はラディナさんのスキルで壊れていたはず……。


 でも、これって新品だよな……。


>鉄の剣(伝説品質)に再構成に成功しました。


>鉄の剣(伝説品質)

 

 攻撃力:+100


 資産価値:三〇〇万ガルド


 手にしていた剣に文字が浮かび上がった。


 これって『鑑定』スキルの結果表示画面……。


 まさか……俺のスキルってものを作り出すだけじゃなくって鑑定までしちゃうやつか。


 それにしても攻撃力が+100とか、資産価値が三〇〇万ガルドとかトンデモない武器だ……。


 手にしている武器の凄さに思わず震えが走っていく。


「これって……」


「剣だよね…………?」


 ラディナさんも何が起きたのか理解できなかったようで、俺の手にある物を見てパチクリさせていた。


 鑑定の結果が示す通りの刃身の輝きから見て、きっととんでもなく高品質であることは間違いない。


 これは俺のスキルが創り出したのだろうか……。


 もう一度、確かめてみたい。


 俺は今、手にしている剣が初めて発動したスキルの力できたのか、知りたい衝動に駆られていた。


「あ、あの! ちょっと調べたいことがあるんで、もう一度コレを解体してもらえますか?」


 ラディナさんに解体してもらおうと、別のサビた剣を差し出す。


「え!? ちょっと、フィナンシェ君!? もう、強引な子。サビた剣を解体すればいいのね?」


 ちょっと困惑したラディナさんだったが、サビた剣を受け取ると解体スキルを発動させた。


 先ほどと同じように剣がバラバラの部品と変わる。


「じゃあ、ラディナさんの手に触れさせてもらいますよ」


「ちょ!? フィナンシェ君、あたしに触れたら――」


「俺はきっと大丈夫ですから、信じてください」


 解体された剣の部品を持つ、ラディナさんの手に触れる――


────────────────────

 >スキル発動条件が整いました。

 >【リサイクル】スキルを発動しますか?

────────────────────


 やはり、思った通りだ。


 俺のリサイクルスキルが発動したことを告げる声が聞こえる。


「や、やっぱり。ラディナさんが解体した物に俺のスキルが反応する! 反応するよ!」


「そ、そうなの? フィナンシェ君、身体は何ともないの? 本当に大丈夫なの?」


 ラディナさんが心配そうに俺を見ていた。


「大丈夫です! ピンピンしてますよ! 与えられてから一度も発動しなかったスキルが、ラディナさんのおかげで発動してるんですよ!」


 サビた剣の部品をラディナさんから受け取る。


 すると、先ほどと同じような文字が浮かび上がった。 


―――――――――――

 リサイクルスキル

  LV:1 

  経験値:1/12

  対象物:☆鉄の剣(廃品)


 >鉄の剣(普通):90%

 >鉄の剣(中品質):70%

 >鉄の剣(高品質):50%

 >鉄の剣(最高品質):20%

 >鉄の剣(伝説品質):10%

―――――――――――


 さきほど同じように鉄の剣(伝説品質)に目をやる。


 >鉄の剣(伝説品質)に再構成しますか?


 俺は声に出さずに了承を意識した。


 受け取っていた廃品が一気に輝き始め、周囲が光に包まれる。


 しかし、先ほどとは違って、途中から光は消え黒煙に変わった。


「おわっ! なんだこれ!」


「煙!? フィナンシェ君! どうなったの?」


 俺が手にしていたサビた剣の廃品は黒こげになった。


 そして、しばらくすると灰になって手から消えていった。


「し、失敗かな……? もしかして後ろの数字は成功率か……。そうなると伝説品質は10%の確率でしか成功しないのか……」


「もっと、試してみない? 今度は成功率が高いのでやってみるとか、どう?」


 ラディナさんが再度試そうと、ゴブリンたちが落としていった最後の一本を拾い上げ解体してくれた。


 そして手に触れると同じようにスキルが発動した。


 なので、今度は成功率90%の普通品質の鉄の剣を選択する。


 すると、今度は最初と同じように光が収まる。


>鉄の剣(普通品質)に再構成に成功しました。


>鉄の剣(普通品質)

 

 攻撃力:+5 資産価値:二〇〇〇ガルド


 手には最初のとは違い、鈍い光を放つ作りの粗い剣ができていた。


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