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第十七話 リサイクルスキルってすご過ぎ

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「いっぱい、ありますね。テリーさんが鑑定できなかった物」


「あのおっさんは鑑定不能の呪いって言うてたなぁ。ワイが神官たちから聞いた話やと、『解呪』スキル持ちがアイテムにかけられた呪いを解いてからやないと、鑑定も使用もできん呪いやそうや。ダンジョンでせっかく見つけたお宝も、呪いがかかっていると解呪料を余計に払わないかん品物やし、物によって赤字になるから冒険者も鑑定屋も持て余す品物やろうな」


 積み上がった呪いの未鑑定品を見ていたラビィさんが、顎に手を当てて考え込んでいた。


「呪いかかっている品物って、あたしの力で壊せるかな」


「ラディナさん!? 不用意にその品物に触っちゃ――」


 ラディナさんが、呪いのかかった未鑑定の品物を触れると、解体スキルが発動していた。


「うん、大丈夫ね。普通に解体できるわよ。フィナンシェ君、これどうぞ」


 ニコリと笑顔を浮かべたラディナさんが、解体された廃品を差し出してきた。


 どうやらラディナさんの力は、鑑定不能の呪いがかかった品物でも関係なく発動するらしい。


「あ、はい。ありがとう、ラディナさん」


 差し出された廃品を手にすると、いつも通りリサイクルスキルが発動していた。


―――――――――――

 リサイクルスキル

  LV:9

  経験値:33/60

  対象物:☆金の彫像(分解品)


 >金の彫像(普通):98%

 >金の彫像(中品質):78%

 >金の彫像(高品質):58%

 >金の彫像(最高品質):28%

 >金の彫像(伝説品質):18%

―――――――――――


「おぉ、スキル発動しました……金の彫像みたいです。すぐに再構成してみますね」


 鑑定不可の呪いがかかった品物が、再構成ができると聞いたみんなの顔色が変化する。


 みんなの期待の視線を一身に浴びて再構成を行っていた。


>金の彫像(普通品質)に再構成に成功しました。


>金の彫像(普通品質)

 

 資産価値:一〇万ガルド


 俺の手に再構成された金の彫像をみたラビィたちが驚いていた。


「お、お前……ほんまに非常識なスキルやな……。解呪が必要な品物を無視して再構成と鑑定できるて……ワイもさすがにこれは無理やと思ってたが……」


 やった俺もラビィさん以上にビックリしてますけどね。


 俺の力は鑑定不可の呪いも無効化できるっぽい。


「いやぁ~んっ! フィナンシェ君、すごいよっ! すごいよっ! これなら解呪料もいらないってことよね?」


「えっと、そういうことになりますかね、ラビィさん?」


「なっとるなぁ……お前の力があれば、再構成さえできるようなら解呪は必要なくなるな。鑑定屋も解呪屋も商売あがったりやぞ」


 再構成された金の彫像をしげしげと眺めているラビィさんは半ばあきれ顔をしていた。


「えっと、一応それ一個一〇万ガルドの価値があるみたいです。もらっていくのさすがにマズいですよね?」


「確かに一〇万ガルド以上で売れそうや。ダンジョンの発掘品集めてる好事家にだったら一〇倍でも売れそうな気はするわな」


「一〇万ガルド……。フィナンシェ君、それって本当……か。鑑定スキルも発動してるもんね……。あのおじさんくれるって言ったけど、さすがに一〇万ガルドの品とかをもらっていくなんて心苦しいわよね」


「けどなぁ、あのおっさんの力だけじゃ、こいつを売り物にできんかったわけやしな。もらっておいても問題ないんやないか?」


 ラビィさんの言うことは一理ある。


 俺とラディナさんの力が無ければ、この品物は解呪してからしか鑑定できなかったわけで……。


 でも、お世話になった人がくれると言ったとはいえ高額な物をタダでもらっていくのは、ラディナさんの言う通り心苦しかった。


「そうだ! 鑑定し忘れているんじゃないかってことにして、テリーさんにある程度の金額の品を渡すって感じでどうです?」


「それはいい考えねっ! フィナンシェ君から言うとスキルのことがバレちゃいそうだし、ラビィから言ってもらう方がいいんじゃない?」


「ああ、そうですね。それがいいかも。ラビィさん頼めますか?」


 テリーさんには冒険者になりたての頃、散々世話になっている。


 なので、恩返しできそうなことはしておきたかった。


「フィナンシェ、お前は甘っちょろい奴やのー。自分の力で金に換えられるようになったもんを他人に渡すとかないわー。鑑定屋のおっさんからしたらコレはゴミでしかないもんやで?」


「タダでくれると言った物でも、あまりに金額がデカいとさすがに引け目がありますよ」


「あたしはそんな控えめなフィナンシェ君が大好きよ。それに、まだこんなにいっぱい未鑑定品もあるし、ラビィもけち臭いこと言わないでいいじゃない。さぁ、いっぱい解体しよっと」


 ラディナさんは腕まくりすると、積み上がっている未鑑定品を次々に解体していった。


「ふぅ、狂暴女の言うことも一理あるか。フィナンシェが居るからこそのできる芸当やから好きにしたらええぞ。あのおっさんにはワイがぎょうさん恩を売りつけたるわ」


 ラビィさんもテリーさんに再構成品の一部を渡すことに同意してくれた。


 やっぱりラビィさんは、口は悪いけど、根は悪い人じゃなさそうだ。


「はい! ありがとうございます! 頑張っていっぱい再構成していきますね。さぁ、やるぞぉ!」


「やる気のフィナンシェ君にはこれをどうぞぉー」


 ラディナさんがすぐに解体した物を俺に手渡してくれた。


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