男子高校生が援助交際始めてみた7
「ふざけるのもいい加減にしろ!中田。なんだよ、それは。さっきまでのはただの戯言だったんじゃあないのかよ」
「そんなことはないよ、城島。それに証拠もある」
「証拠? 一体全体どこにそんなものがあるっていうんだよ」
「ほらここに。さっき君がサインしてくれただろう.そのサインしてくれた紙はこのように折りたたまれているんだけどね、こいつを展開して開きますとね、ほら、この通り契約書になっちゃうんだなあ。内容はこうだよ。”城島は中田に五千万円支払います”そしてその下に、ほら、君の直筆の署名が書かれているっていう寸法さ。うかつにサインなんてするものじゃあないねえ、城島君。ま、利子は勘弁しといてやろう。じゃあ今すぐ五千万円耳をそろえて払ってもらおうかな」
「なんだそれ! 無茶苦茶だ! さっきまでの会話の流れからすればそんな理屈が通るはずがないだろう!」
「僕は僕なりに先ほどの会話の内容から君に五千万円を請求することは筋が通っていると思うけれどもね。城島。君がさっきの会話を根拠として五千万円の支払いを拒否するのならそれはそれでいいだろう。で、その会話の内容はどうやって確認したらいいのかな。録音でもしていたのかな」
「そ、そんなものしていたわけないだろう」
「じゃあ、先ほどの会話の内容を証明するものはないということになるのかな、城島君」
「そうなるといえばそうなるけれども……」
「ということはだよ、事実として存在するものは、城島君、君が直筆でサインしたこの契約書だけということになるんじゃあないのかな。君が僕に五千万円払うという内容の契約書がね」
「で、でも、お、俺、いや、わたくしは五千万円なんて持ってないよ。中田、いや、中田君、あなた様にわたくしは五千万円なんて払えやしませんのです」
「払えないと言われてもねえ、ま、現金でなくてもいいや。現物取引で十分だよ」