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その者。のちに… 第二部 作者:ナハァト

結婚式まであと……編

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簡単な振り返りと、プロローグ

 という訳で、第2部の開始です。
あらすじにも書きましたが、こちらは書籍版の続きであり、元となっているなろう版とは色々違うので、ご注意下さい。
 主な変更点は、キャシーという新ヒロインが追加されたのと、アリアの出来事が変更されてヒロインへと変わったのと、敵キャラだったシロと闇女神が改心して仲間になった事ぐらいでしょうか。
 可能な限り、随時投稿していきますので、宜しくお願いします。
 俺の名前は、「ワズ」。
 黒髪の中肉中背の普通? の男性だ。
 そんな俺が、あるきっかけを経て、大陸を一周する旅を行う事になった。
 そのきっかけとは、幼い頃に聖女として認定された幼馴染のアリアが、勇者として選ばれた者と魔王退治の旅に出て、その後帰ってきたら、2人が結ばれていたというものだ。
 だが、その時起こった本当の出来事は、後に再会したアリア本人から教えられる。
 何でも、アリアが旅立つその時に、俺も付いていこうとしたのだが、勇者によってボコボコにされる姿を見て、勇者に敵愾心を抱いたそうで、勇者に口付けされそうになった時、殴り飛ばしたらしい。
 らしいというのは、俺はその光景を見る前に逃げ出してしまったので、完全に早とちりである。
 ……その事を教えられた時は、何か本当に申し訳ない気持ちになりました。
 そんな俺が大陸一周を終えた頃には、「小竜のメアル」、「エルフのサローナ」、「優しいお姉さんのタタ」、「双子王女のナミニッサとナレリナ」、「ハーフドワーフの騎士のキャシー」、「勇者のハオスイ」、「妹のカガネ」、「獣人のマオ」、「幼馴染のアリア」という良き伴侶達を得て、最後には邪神と戦うという話にまでなる。
 そうなった理由は、水色の髪をオールバックにし、常に胡散臭い笑みを浮かべている「執事のフロイド」のせいだろう。
 ……いや、違うか。
 でも、創造神でもあったフロイドが、邪神と引き分けていなければ、俺が戦わなくても良かった訳だし、やっぱりフロイドのせいという事にしておこう。
 邪神との戦いでは、旅の最初から協力してくれた「光女神様」を筆頭に、「大地母神様」、「戦女神様」、「海女神様」、「空女神様」にも手助けして貰い、どうにか屠る事が出来た。
 他にも協力してくれた人物が居る。
 白髪が印象的で、自分と家族の身に降りかかった理不尽に絶望し、邪神に協力していた「シロ」だ。
 シロとは戦いを経て和解し、邪神と共に戦ってくれた。
 現在、シロは恋人でもある、美しい黒髪をしている「闇女神さん」と共に、世界に迷惑をかけた責任として、贖罪の旅を行っている。
 俺にも変化はあった。
 追い詰められた俺は、最後の望みを賭けて邪神のオーラを食べ、「神邪人」という種族へと変わったのだ。
 これは、神の知識と邪神の力に、人の可能性を内包した種族であり、一応、基本となっているのは「人」ではあるが、「完全神格化」、「邪神化」、「神邪人化」と任意で変更する事も出来る。
 そして、どうにかこうにか邪神を屠った俺は、奥さん達と共に、大陸中央の山の頂付近にそびえ立つ、親友の「龍王ラグニール」の居城に、居候として過ごしていた。

     ◇

 邪神が居なくなった事で、世界は平和になったと言えるだろう。
 それからそれなりに時間は経ったが、邪神が復活した際に大陸中に魔物が溢れ返ったので、未だその爪痕は残っている。
 俺と奥さん達にフロイドも大陸中を巡り、復興のお手伝いをした。
 もちろん、シロと闇女神さんも。
 ちなみに、大陸中を巡っていく際に、奥さん達と光女神様達をきちんと会わせた。
 けれど、最初は互いに探り合うような状態だったので、どうしたものかと考えたが、フロイドからの案を採用する形を取る。
 互いの事を理解するには、やはり戦い合うのが一番であると。
 どこの戦闘種族だと言いたかったが、何故か奥さん達と光女神様が乗り気であったため、押し切られたようなものだ。
 一応、周囲に影響が無いように、フロイドが創造神の力を使って海上に新たな島を創り、俺とフロイドとシロが監視をして、安全面にも考慮した。
 まぁ、結果的には良かったのだろう。
 今では、奥さん達と光女神様達は仲良しである。
 そして俺達は、復興の手伝いが終わると、再びラグニールの居城へと戻って、のんびりとした時間を過ごす。
 ただ、それでも騒がしい日は変わらない。
 騒動の発端であるフロイドは、相変わらず様々な問題を持ってくる。
 けれど、俺が発端の問題も起こった。
 それは、魚の魔物と猫の魔物である。
 この二体の魔物は、何やら大所帯の徒党を作り、俺に挑んできたのだ。
 もちろん、余裕で返り討ちである。
 けれど、別に倒した訳ではない。
 魚の魔物を筆頭にした魔物の集団からは、魔物特有の邪気を感じなかったので、生かしておいたのだ。
 というか、どうも狙いが俺だけに集中しているようなので、暇潰しに相手をしてみようと思った。
 まぁ、狙いが他に向けば、即座に潰すつもりではある。
 出会う度に強くなっていく魚の魔物達。
 これはもしかして、この山の新たな上位者へとなるかもしれないと思った。
 世代交代かな?
 うかうかしていられないなと、ラグニール達を煽ってみると、負けてられんと意気込んでいた。
 そんな日々を過ごしている内に、俺はふと思う。
 そういえば、既に奥さん達ではあるけれど、結婚式を挙げていないなという事を。
 早速その事を奥さん達に告げると、皆笑みを浮かべて応えてくれる。
 結婚式を挙げる事をラグニール、ラグニールの奥さんであるメルさん、ラグニールの義母であるメギルさんに伝えると、喜んで協力を申し入れてくれた。
 シロと闇女神さんも同様である。
 奥さん達の身内も招くので、かなり広い場所が必要だったのだが、そこはほら、ラグニールの城は巨大な訳で、結婚式を挙げるのに相応しい大部屋もあった事から、そこで行う事になった。
 飾り付けや席の用意など様々な準備をしていくのだが、皆が協力してくれたため、瞬く間に整っていく。
 身内の方々にも招待状を出し、皆来てくれるという返答を受け取ったので、迎えは移動魔法の「転移」を使う予定だ。
 そして、俺の花婿衣装も作り終わり、後は奥さん達の花嫁衣裳の完成を待つだけとなったのは、結婚式の予定日まで、あと七日と迫っていた。

     ◇

「なぁ、やっぱり俺も手伝った方が良くないか?」

 俺は、隣で立っているフロイドへと声をかける。
 現在、俺とフロイドとシロと闇女神さんは、ラグニールの城の外に出て、そこら辺でお昼ご飯を食べていた。

「ワズ様。それは野暮というモノですよ。奥方様達は、自分達の手で花嫁衣裳を作りたいのでございます。確かに、ワズ様のDEXであれば、最上の物が出来上がるでしょう。ですが、それは性能が最上の物というだけで、奥方様達にとって最上とは限らないのでございます」

 そう。フロイドの言う通り、奥さん達は自分達が結婚式で着る花嫁衣裳を、自分達の手で作っているのである。
 けれど、結婚式まで残り7日。
 奥さん達は間に合わせるとは言っていたけど、どうにも心配というか、手伝いたくなるというか……。

「……というか、フロイドがまともな事を言っている事に、違和感を覚えるんだけど?」
「ワズ様。私はいつだってまともでございます」

 お前のどこをどう見れば、まともなんだと問いたい。
 いや、フロイドにとってみれば、これが普通なのだから今更か。

「でも、今回はフロイドの言う事が正しいと、僕も思うよ」
「そうね。自分達の手でやりたいって言うんだから、好きにやらせておけば良いのよ。本当に困ったら、素直に助けを求めてくるんだから」

 シロと闇女神さんも、フロイドの言葉に同意見のようだ。
 なら、そうさせて貰おうかな。
 闇女神さんが言うように、困ったら手を貸せば良いだけだし。

「……でも、闇女神さんは手伝わないの? 光女神様達は手伝っているようだけど?」

 自分達の力だけで顕現出来るようになった光女神様達は、今、奥さん達のお手伝いをしているのだ。
 次は自分達の番とか言っていたけど。
 俺がそう言うと、闇女神さんは露骨に嫌な顔をする。

「少し考えればわかるだろう? ……私があの場に行けば、戦いが起こってそれどころではなくなる」

 そう言って、闇女神さんはワインが注がれているグラスを傾ける。
 確かに、その光景は容易に想像出来た。
 奥さん達は、光女神様達ともそうだけど、闇女神さんとの仲も悪くない。
 けれど、光女神様達と闇女神さんは、未だに険悪というか、出会えば喧嘩が始まるのである。
 いつも決まって、俺が仲裁する羽目になるのだが。
 まぁ、俺としては、仲の良い喧嘩友達のような認識である。

「……そういえば、シロと闇女神さんは結婚式を挙げないの?」
「う~ん。まだ良いかな。世界への贖罪が終わったとは思えないし、今はこうして一緒に居られるだけで満足だしね」
「シロの言う通りだな。本来であれば、お前との戦いで散っていた命だ。今は、こうしてシロと共に居られるだけで満足だよ。……ただ、お前達の結婚式を見る事が出来れば、少しは憧れるかもな」

 そう言い終わるのと同時に、闇女神さんはシロへと流し目を向ける。
 シロも満更ではないようで、嬉しそうに微笑んでいた。
 はいはい。ご馳走様。
 ……俺も奥さん達とまったりしたい。
 妄想の中で奥さん達とまったりしていると、フロイドが声をかけてくる。

「それでワズ様。本日は、これからどうなさいますか?」
「そうだなぁ……。俺が出来る範囲での結婚式の準備は終わっているし、奥さん達と光女神様達は花嫁衣裳作り。ラグニール達は結婚式に出す料理や催し物を用意するとか言って、どこかに行っちゃったしなぁ。……正直言って、やる事が思い付かない」
「なるほど。……では、何か暇潰しになるような」

 フロイドが言い終わる前に、光り輝く幾何学模様の魔方陣が、突然地面に展開される。
 魔方陣の中心に居るのは、フロイドだった。

「……え? 何事?」
「何々? 何か面白そうな事が起こりそう!」
「これは一体……」

 咄嗟に魔方陣の外へと出た俺とシロと闇女神さんが困惑する中、フロイドは「ふむ……」と頷く。

「フロイド、何が起こっている?」

 そう尋ねている間も、魔方陣の輝きは大きくなっていった。

「……どうやらこれは、他の世界の神が、私に救援を求めているようですね。その世界は、どうやらかなり危機的状況のようです」
「………………ふ~ん」

 そう言いながら、フロイドが俺に近付いてくる。
 その動きに合わせて、俺も下がる。

「……一つ聞きたいんだけど、どうして俺に近付いてくる?」
「ワズ様。私の神としての力は非常に弱っているのです。それは御存知ですよね?」
「あ、あぁ。どうしてそれを今言うのかが気になるが」
「そんな弱っている私では、他の世界を救う事など出来ません」
「いや、お前なら余裕で出来そうだと思うんだけど?」
「ワズ様からそのような評価を頂けるのは嬉しいのですが、今回の事は現在の私の力を超えている事態であると認識しております。それに、そもそも主と執事は、常に一緒に居るのが運命というもの」
「そんな運命は破ってしまえ!」
「ですので!」

 フロイドが俺に向かって飛んでくる。
 だが、甘い。
 今の俺のステータスであれば、お前の動きから逃げる事など容易いのだ。
 しかし、その企みは失敗する。
 俺が逃げ出そうとした瞬間、両腕がシロと闇女神さんに掴まれ、一瞬身動きが取れなかったのだ。
 おのれ! まさか俺を裏切るなんて!
 そして、フロイドにとっては、その一瞬があれば充分だった。
 フロイドが俺の両肩をがしっと掴む。

「さぁ、ワズ様の勇名を他の世界にも届けましょう」
「いや、そんなの良いから!」
「面白くなってきたぁ~!」
「これで結婚式までの暇を潰せるかしら」

 ちょっ! 待てや!
 そう叫ぶ前に魔方陣の輝きは最高潮まで達し、その輝きに俺達は包まれた。
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