優馬とメイドの出会い
季節は春、今1人の男がネット情報で入手した絶世の美女に会うためにある場所を訪れていた。場所は銀色の駅バックライ。男の名前は優馬。ごく普通の中背中肉で、顔も悪くない。肌はちょい黒め。その優馬が探している女の名前は綾乃。髪は黒のストレートロングで、長さは腰の辺りまで伸びている。顔は小さく、アイドルやモデル顔負けのまるでアニメの美少女キャラのよう。グラマーという言葉がふさわしいナイスボディで、Hカップはありそうなバストにボン!という効果音がつきそうなお尻、その二つを強調させるかのようにキュッと引き締まったウェスト、肌色は色白、すれ違うと男が必ず振り向く容姿だ。そんな彼女を優馬は探しているのだ。
(へへ、幾多もの男を振ってきた女って聞いたからな、必ず俺が虜にしてやるぜ!綾乃ちゃーん♪待ってろよ~♪)
優馬は意気揚々に探索を開始した。入口付近、切符売り場、トイレ付近、ロッカー付近…と、移動しながら探す。だが、なかなか見つからない。流石に切符を買うわけにはいかないので、ホームまでは行かなかった。駅の中をさんざん探したが一向に姿が見えない。諦めて帰ろうと、敷地内のバスターミナルに差し掛かった時、一際目立つ女性がそのバスターミナルで立っていた。優馬はその女を見た時、ビビっと来たのだ。もしかしたら噂の美女かもしれないと思い、写真と見比べてみる。すると見事に一致したのだ!優馬は見た目は一緒だが情報と違かったらしょうがないと思い、少し離れた位置で見ていると、噂の美女に一人の男が近づいていく。彼も自分と同じ目的なのかもしれないと察知した優馬は、自身が開発した音声受信機で噂の美女とその目の前にいる男性にアクセスし、音声に耳を傾けつつ、様子見している。
男性「すみません、ネットで噂になっている絶世の美女はあなたでしょうか?」
噂の美女?「ああ、あなたもそれで私を知ったんですね。でもごめんなさい、私は会いたい人がいるの。」
男性「もしかして彼氏…ですか?」
噂の美女?「いいえ。この写真の男性を探していまして…」
男性「俺じゃないや…」
噂の美女?「そうですか…」
男性「一緒に探しましょうか?」
噂の美女?「いえ、結構です。私ひとりで探しますから。」
男性「時間ありますから探しますよ。」
噂の美女?「本当に結構です。」
男性「そんな事言わずに…」
噂の美女?「本当にいいんです!しつこいです!」
男性「そう…ですか…分かりました…失礼します…」
男性はしょぼんとしながらバスターミナルから去っていった。優馬はその様子を見て、音声を聞いて、あの女で間違いないと確信した。そして彼は彼女の元へ歩いていく。少し怖かった。なんせ相手は何人もの異性を振ってきた鉄壁の女、自分じゃ弾かれるのではないかと思っていた。だが、話しかけなくては何も始まらない。優馬は勇気を振り絞り、彼女を眼前に捉え、話しかける。
優馬「こんにちは…」
噂の美女「こんにちは。」
ここで噂の美女は写真の男とよく似ていることに気づき、会話をしながら写真の男と照合してみることに。
優馬「俺、優馬っていうんですけど、あなたは?」
優馬は噂の美女が自分のことを凝視しているのを、自分に一目惚れしていると勘違いしていた。でも内心テンションが上がっていた。
噂の美女「私は綾乃です。」
噂の美女は写真の男との照合率が100%になっていることに気づいた。だがまだ確実ではないと思い、優馬にプロフィールの一部を質問してみることにした。
優馬
(ん?惚れてるような目で俺のこと見てるが…何なんだ?)
綾乃「先ほど優馬っておっしゃってましたよね?もしかして…〇〇優馬さんですか?」
綾乃にフルネームを言われて、優馬は驚いた顔をした。
優馬「ええ…そうですけど…」
綾乃「よろしければ年齢と生年月日、教えていただけますか?」
綾乃はもしこれでデータと同じことを言ったらあの話を持ち出そうと考えた。
優馬「21で、〇年の〇月〇日ですが…」
綾乃のメモリーに入っている優馬のデータと同じ事を言った為、綾乃は安堵な気持ちになった。
綾乃「ああ…あなただったんですね…ようやく会えた…私が探している人…」
優馬「え!?俺のことを!?」
綾乃「はい♡」
優馬は探していたのが自分だと言われ、さらにテンションが上がった。そしてこのまま告白されるんじゃないかと密かに期待していた。
優馬「そうなんですか。」
綾乃「実は、優馬さんにお願いがありまして…聞いて頂けますか?」
優馬「もちろんですよ。出来ることであればですけど…」
綾乃「私を、この綾乃を…あなたのメイドにしてくださいませ!!」
なんと!あの絶世の美女と言われている綾乃からまさかのメイドとしてお仕えしたいと言われた!どうする優馬!?
優馬「え!?ええ…ええ~~~!!!???」
優馬は空前絶後なくらいテンションが上がった。
綾乃「お願いします!もうあなたしかいないんです!」
優馬「もちろんいいですよ!あなたのような女性をメイドに出来るなんて…願ったり叶ったりですよ!」
綾乃「ありがとうございます!良かったぁ~…断られたらどうしようかと…」
優馬「拒むわけないじゃないですか!」
綾乃「本当に良かったです♡ではここだと話しづらいのであなたのご自宅まで案内していただけませんか?」
優馬「ええ、じゃあ…行きましょうか。」
綾乃の告白と同様の言葉を優馬はテンションが上がっているが平然とした表情で受け入れ、自慢の愛車であるアウディのR8に彼女を乗せ、自宅を目指した。はてさて、この先どうなるのやら?