なぜ僕が……
盗賊の一人が僕に斬りかかってきた。
「グヘヘヘシネェ―」
剣を降り下ろされる前に僕は相手の顔面をわしづかみにし、そのまま勢いにのって盗賊の後頭部を地面に叩きつける
ドン!!
と音がした
盗賊は動かない
一度これをやってみたかたんだ!と思いつつ次の行動にうつる。
「虫けらあんた以外とやるじゃない」
ホメラレタ!ウレシイキガスル、えっ棒読みだって?気のせいだ。
次々と盗賊達は僕を狙ってくる、ヌイを狙わず僕を狙って確実に殺そうとしている。
「シネェ―」
また盗賊が斬りかかってきた。
今度は相手の首に目掛けて飛び膝蹴り!!
顔面にクリティカルヒット
グキッと嫌な音がした。
二人目撃破!!
次っ!!と思っていたら盗賊達は僕から距離をとっていた
「あっ」
調子にのって忘れていた…盗賊達には魔法使いがいた事を
今更気が付いてもどうしようもなかった。
盗賊達が距離をとったということはつまり魔法使いが魔法を使う可能性がある。
どんな魔法を使うのかわからない以上は先に魔法使いを倒すべきだった。
幸いにも標的は僕のはず、ヌイは戦うなんて力ないだろうし、盗賊達はヌイを拐おうとしていた、つまり狙いは僕のはず。
次の瞬間魔法使いが杖を上にあげていた。
「来るか!!」
そう思った時には遅かった。
地面から赤い炎が出てきた!?
しかし僕はなにも出来なかった、死ぬと思い目をつぶった。
トン
突如そんな音がした。
僕は背中を押され炎の魔法が迫りくる寸前の危険地帯から命からがら逃げ延びた。
「な…なんで」
なんでだ!なんでお前が僕をかばってるんだよ!!
「ヌイ」
僕を虫けら呼ばわりしたり、盗賊達に見つかった時には盾にしたりしておいて何故…
「なんで僕をっ」
「ゴメン」
なんで急に謝ってんだ、なんで僕をかばってるんだよ。
炎が渦になりヌイを囲み段々と渦が小さくなり、炎がヌイに迫る。
…何故ヌイが死ななければならない
口は悪いし人を盾にだってする、でも守りたいと今僕は思った
でも実際はどうだ!
守れていないじゃないか…くそ
あなたは…
頭の中に声が響いた
次の瞬間僕は夢の場所にいたタトエソレガハカイノチカラデモ?
頭の中に直接声が聞こえてきた