第6話 - 魔女のお姉さん (3)
「おはようございます。」
「おはよ~!」
今日も、あやかさんは寝起きでとても眠そうにしています。
思い返せば、この二日間、いいことがたくさんありました。
新たな出会いがあったり、魔法をたくさん教えてもらったり、長時間楽しく会話したり、とても充実していました。
でも、今日で帰ることにします。
長居するわけにもいかないし、かといって帰ってやることがあるわけでもないんですけど。
まぁここへ引っ越すことも、前向きには考えておきましょう。
「今日はどうするの~?」
眠そうにあやかさんが聞いてきました。
「朝ご飯を食べたら、すぐに帰る準備をします。」
「え~もう帰るの~?もうちょっと居ようよ~」
あやかさんも悲しいのか、朝ご飯を食べている間もずっとしょんぼりしてました。
まるで実家を出る子どもを見送る親のように。
「それでは帰りますね。この二日間、ありがとうございました。」
「え~やだ~帰らないで~...」
「またいつか来ますよ。」
どちらかというと親戚に懐いた子どもみたいですね。
「さようなら~!」
「また来てね~!...」
別れ際に、泣きながら見送ってくれました。
次来た時会った瞬間抱きついてきそうですね。
「ただいま~」
帰り道、外で魔法を使ってはいけないことを一瞬だけ忘れていました。
まあ、無事に家に帰れたので結果オーライです。
交通費も残っていますしなにか贅沢でもしましょうか。
でも当分は家でゆっくりしていたいですね。
そういえば、あやかさんからお土産をもらっていたのを忘れていました。
中身は「家に帰ってからのお楽しみ」と言われたんです。
どんなお土産なんでしょう、気になったので早速開けてみました。
中には手紙とお菓子、そして本が入っていました。
手紙の内容はこうでした。
「あおいへ
きっとこの手紙を読んでいるということは、家についたのでしょう。
お疲れ様。
お土産の内容は見て分かる通り、お菓子と本。
それと、私からのお小遣い!
手紙と一緒に入れてあったお金、お姉ちゃんからのお小遣いとして大切に使ってね。
お菓子は私特性のクッキー、あなたが寝ている間にこっそり作ってたの。
そしてその本は、私が知ってる限りの魔法がすべて書いてある本。
その本で、魔法の勉強たくさんしてね。
それじゃあ、また会おうね。
あやかより。」
まず、お小遣いを見てみると、本当にこの封筒の中にあったのかって思うほど入っていました。
ここまでくれるなんて、むしろ少し怖いくらいです。
次にお菓子、このクッキー、とても美味しいです。
今まで食べた中で一番美味しいクッキーかもしれません。
最後に本、あやかさんが知ってるすべての魔法が書かれているらしいけど、半信半疑です。
でも開けてみたらそうは思いませんでした。
とてもわかりやすく書かれているのです。
本当にありがたい、この本は、大切に読むとしましょう。
今度会ったらお礼をしないとですね。
うーん、つづく。