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セトさんと僕  作者:
12/15

最後の夜

「ついに、明日だな」


「…そうだね」


明日はついに儀式を行う日。


すなわち、僕が元の世界へと帰る日だ。



街に戻ってから数日。


闘技場の皆に事情を説明したり、異世界へいける宝石をリリカさんから受け取って、儀式の手順を何度も確認したり。


とにかく、忙しい日々を過ごした。


ちなみに遺跡の場所はというと、なんと僕がこの世界に来た時に立っていた場所だった。


今はもう遺跡も朽ち果てて、大昔に居たとされる伝説の勇者の銅像だけがそこにはある。


今、この勇者の銅像を管理しているのはセトさんだ。


だから、あの日もセトさんはあの場所に居て、そして僕を見つけてくれたのだ。




何気なく窓の外をぼんやり見ていると、セトさんが「眠れないのか」と言って近くに来てくれた。


「ねえ、セトさん」


「何だ」


「僕、元の世界では剣闘士なんかじゃないんだ」


「それはそうだろう」


「あと、セトさん僕を10歳くらいって言ってたけど、あの時本当は8歳だったんだ」


見た目はね、と僕は心の中で付け足した。


元の世界の桜葉ミナトは14歳だ。


つまり、今の僕と同い年になる。


「そうか…人間は年が分かりずらいからな」


多分、嘘だ。


セトさんは、僕が10歳ではないと分かっていて僕を剣闘士にしたんだろう。


僕が、この世界でちゃんと生きていけるように。


「ほら、もう寝るぞ」


「うん」


きっと、今晩は眠れないだろう。


そう思いながら、寝室へ向かった。

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