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セトさんと僕  作者:
11/15

宝石の在処

街へと帰ってきた後は、案の定リリカさんに怒られた。


正確には怒られていたのはセトさんだけで、僕はカナリさんと苦笑いしながらその光景を眺めていたのだが。



「…それで、その宝石があればミーナは故郷へ帰れるらしいんだ」


カナリさんへのお詫びという体でやってきた居酒屋(セトさんの奢り)で、二人にその話をすると、リリカさんは「宝石、私の部屋にありますよ」と軽い調子で答えた。


驚く僕らを他所に、リリカさんは話を続けた。


「私がまだ小さい時、おじいちゃんの友達が持ってきてくれたんです。あんたが言ってた宝石が遺跡から発見されたぞ、って」


「え…じゃあ何でひいじいちゃんは異世界に帰らなかったんだ?」


驚きを隠せない様子のカナリさんの問いかけに、リリカさんは笑って言った。


「そりゃあ、その時はもうおばあちゃんもいたし、お母さん…あんたのおばあちゃんもいたし、私もパパもいたしね。私のお腹にあんたもいたし」


じんわりと心が暖かくなっていくのが分かった。


そうか、彼は。


「この世界に家族がいたから、帰らなかったんだ」


「ミーナくんご名答。勿論少しは迷ったらしいけどね」


聞くところによると、彼は異世界では戦争孤児だったらしい。


「成程な。異世界で残してきた物よりも、この世界で得たものの方が多かったということか」


セトさんの言葉に、リリカさんは頷く。


「だと思いますよ。あのおじいちゃんらしいですけど」



僕は素直に感嘆した。


その決断をするには、相当な勇気が必要だっただろう。


「何より、おじいちゃんとおばあちゃん、すっごいラブラブだったから」


おばあちゃんと離れたくなかったんでしょう、とリリカさんは魚をつつきながら笑った。

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