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散文の後/北風(仮)  作者: 新辺守久/小珠久武
本編
2/17

メッセージ

 ――――あー、これが再生されたっ事は、クサナギの前に新しいマスターが現われたのだろう。


 個人的にはこのままクサナギの封印が解かれる事が無いと願って止まないのだが、……これは俺のエゴだな。


 ……さて、そこがどのぐらい近しい未来か、それもと遠い未来なのか判らない。


 外郭の封印箇所には、日本語と英語で書いたから判っていると思うが、俺と同じ世界、或いは近しい世界線の転移者か転生者の魔力波動の近似値を検知するように設定しておいた。


 この世界の根本に科学文明が融合した魔導文明が存在している所為か、俺が居た元の世界よりも発達していて初めてこの世界に触れた時は大変驚いたもんだが、お前さんは如何だったのかな?


 封印を解いたのが俺と同じ時代の同じ世界の日本人であればいいのだが……。日本人以外だったり、俺が居た時代よりも大きくぶれた過去や未来からの転移者や転生者だったら、まぁ、そこ等辺はクサナギが上手くサポートしてくれると思いたい。


 そこがどんな未来を歩んだか、世界が統一されたのか、分裂したのかは判らない。ただ、この映像を録画している現時点では、なにかの拍子で崩れそうな儚くも微妙な平和が保たれている。


 そんな不安定な世界状況だから、将来どんな道を辿った未来に行き着いたのか、俺には想像できない。文明が辛うじて生き残っていて、鈍器で殴り合いの戦争をしているなんて考えたくないんだが……まぁ、そこは為るように成っているだろう。


 この世界に於いて、俺の娘であり相棒のクサナギの存在は、現在の魔導技術と古代竜の竜核、俺が元居た世界の知識を融合させて造った「僕の考えた最強の戦闘機」であり、いとも容易く世界のパワーバランスを崩す力を持っている。


 事実、俺とクサナギで世界中を股に掛けて暴れまわったからな。世界の兵器は国家間の軍縮レベルで破壊しまくったし、今もクサナギの元眷属達と一戦終えたばかりだ。


 各国の軍隊と戦ってももちろん、空の王者である竜属種に対しても常勝無敗の世界最強で天下無双の俺TUEEEEEだ。……だが、まぁ、やり過ぎた感も拭えない。お陰で今は世界中が一致団結して俺たちの跡を追っているようだ。


 そこで、俺とクサナギは世界の表舞台から姿を消す事にした。その一環として、人種が簡単に立ち入れないクサナギの元住処に封印する事にしたんだが、……結果はご覧の有様だ。


 仕方が無いので俺はここで自給自足しながら一人でクサナギの眷属たちの墓守でもしながら生涯を閉じる事にする。場所的にもほぼ人跡未踏で未来永劫封印が解かれる事がないと思いたい。


 だが、今後人類の活動範囲が何処まで広がるのか未知数だし、この映像が流れている時点で封印を施した外郭はどこぞに持ち出されたか、或いはその場で封印は解かれたのか……。


 いずれにしろマスターの再登録まで終わっているだろうから、封印解除したお前さんにクサナギを委ねよう。……いや、同郷の者だからこそ託したいと思う。


 ……本音としては、一生懸命に造り育て上げたクサナギを誰にも渡したくないから封印したんだがこうなっては仕方が無い。取扱説明書やスペック、武装に関しては別フォルダに入れてあるので後々参照して欲しい。くれぐれも大事に、丁寧に、扱ってくれよな。


 って、そうか! 俺の意にそぐわ……何か不調や不具合が発生した状況にしたらパラシュート無しでベイルアウトさせる設定にするか。よし、あとで試してみ……んー、ゲフン、ゲフンっ!!


 …………。


 …………。


 …………。


 ……そして、クサナギ。親として、相方として、最後まで一緒に飛べなくて申し訳ない。願わくば、再び目覚めた未来世界でそこにいる悪い男に騙されず、なんの障害も無く大空に自由に飛びまわれるよう祈ってる。


 最後に、悪いおと……新しいマスターへ。長々と面白みの無いおっさんの独白映像を見せてしまって済まなかった。改めて、ようこそ、異世界へ。そしてグッドラック、幸運を!!

我が妄想。

読んで頂き有り難うございます。

更新は不定期でマイペースです。

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