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散文の後/北風(仮)  作者: 新辺守久/小珠久武
本編
15/17

教導部隊・三

 兵学校の模擬訓練用の操作盤は、既定の場所に魔法陣の印が描かれただけの、表面が使い過ぎてかすれまくりな黒板を使用していたからだ。


 今回、ようやく稼動する実物の操作盤に初めて触れることができた。操作盤に触れてみて直ぐに前世の液晶タブレットが想像した。


 画面に映し出される魔法陣的なアイコンを指でタップすると対応するアプリが起動する。盤面や魔法陣をフリックすることもできる、そんな装置だ。


 前世で、スマートフォンや液晶タブレットに触れていたから、説明を受けて直ぐに操作盤の機能が理解できた。ただ、スマホやタブレットのツールが無いこの世界だと初見で戸惑うものかもしれない。


 ちなみに、操作盤に展開している魔法陣は積層型連結魔法陣と言うらしく、階層別に複数の魔法陣が積層されていて選択によって任意の魔法陣を連結して呼び出せる代物だとか。操作者の好みによって魔法陣の入れ替えが出来るらしい。


 仕組みとしては盤面で操作者の魔力を感知して、アイコン魔方陣が任意の動きをする。魔法陣を透明、不透明に変更する事が可能で、更に管理者権限が必要な深い階層ほど重要な魔法陣が描かれているとのこと。訓練中の俺が下手に触って不具合が起きたら嫌なのでそこまではしていない。


 そもそもヴァルファ訓練生の好意で使わせてもらっているのだ。教えられえた操作をして、出来たとしてアイコンを回して遊ぶだけだ。


「ちょっとした不満があるとすれば、操作盤に素早く指を走らせるとラグが起こったり、触れていると若干指先にピリピリくるモノがあったりするぐらい、ですかね」


 ラグはしょうがないとして、痛みの方は少ないが静電気に触れているみたいで馴れない。なんて言うか、脱力するほどではないのだけれど、勝手に魔力を吸われている感覚だ。


「ほう、ヴァルファ訓練生はそんなことを言っていなかったが……。しかし父親と同じことを言うか。頼もしい限りだ。俺は話を聞いただけでその感覚は備わっていなかったんだが、そういった繊細な感覚を持ったヤツがエースパイロットになれるんだ。アル、その感覚は大事にしろ」


 過大評価な文言をニヤリと笑みを浮かべながら押し付けてくる。


「だが気を付けろ。操作盤に集中しすぎると、知らずのうちに機体の竜核に魔力が吸い取られて気だるさや激しい頭痛に襲われる。魔力切れの状態だ。下手するとそのまま意識を持っていかれるそうだ。何とか回復しても二、三日ほど酷い二日酔いみたいな状態だ続くんだと。そんな状態でも出撃していたお前の父親の経験談だ」


 やはり吸い取られていたのは魔力だったのか。上げて落とされた、というよりは忠告みたいなものか。酷い二日酔いの状態で魔導機の操縦なんて別な意味で危険だな。前世の自動車運転だったら一発免停の取り消しじゃあないか、親父ェ……。


「ヨシ休憩は終わりだ。復習するぞ、操作盤再起動の準備」

「はい、操作盤再起動します」


 ゼクスさんの言葉に従い操作盤の起動用魔法陣に触れようとした。そのタイミングで艦内格納庫に緊急の警報音が響き渡った。


 周りにいる教導官や訓練生、整備士達の顔付きが変わり、続いて流れる艦内放送に耳を傾けいた。


「艦隊に近接する所属不明艦を発見。敵性艦の可能性あり。これより警戒態勢に移行する。各員は所定の配置に着け、各員は所定の配置に着け」


 この艦内放送を聴いて格納庫内の空気が一気に変わり騒がしくなった。全員が警戒態勢に移行して慌しく動き始めたのだ。


「アルはそのままそこに乗っていろ」

「えっ、あ、はいっ」


 ゼクスさんが俺に向かってそう言うと、次の出撃の番だった教導官とを呼び止めた。


「アヴィ教導官っ、ウチのひよっこに実戦の空気を吸わせてやりたい、順番が前後するが今回は俺が出る」

「ゼクス教導官、了解した。ウチの機体はまだ整備中だ。中途半端な機体状態で出るより何かと対処できるだろう。アンバコート訓練生っ、ゼクス教導官が出撃るそうだ! 俺たちの番は後回しだ!」


 ゼクスさんの言葉にアヴィ教導官は一瞬こちらに視線を向けてから快諾してくれた。そして、一緒に機乗する予定だったアンバコート訓練生に声を掛けていた。


 現在、格納庫内にある魔導機はゼクスさんの機体を除いて整備中だ。すぐに出撃できるのはこの機体だけだ。

我が妄想でした。

読んで頂き有り難うございます。

更新は不定期でマイペースです。

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