01.繋ぎたい手
新学期が始まって、私は高校二年生になった。そうして、桜が散って葉桜になる頃、恵茉ねえに相談したいことがあって、放課後に待ち合わせてお茶に行った。
「類さんに避けられてる?」
私の悩みの内容に対して、紅茶を一口飲んだ恵茉ねえが『何をバカな』と言いたげな顔で繰り返した。
恵茉ねえの言いたいことはわかる。私だって、紆余曲折の末に付き合って数ヶ月の彼氏に避けられてるとか思いたくないし、気のせいであってほしい。類の場合、前世でも恋人……というか、何なら夫でもあった相手だから、そんなことはないと思いたいのが本音だ。
でも如何せん。どう考えてもそうとしか考えられないことがあったのは事実で、正直どうしたらいいかもよくわからない。
そんな私に、恵茉ねえは頬杖をつきながら苦笑した。
「たまたまの可能性とかはないの?」
「私も最初はそう思ったんだけど、たまたまにしては不自然というか……」
「何があったの?」
そう問いかけられて、頭を過ったのは、最近の類の姿。会って話してるときも、LIMEでやりとりしてても、態度そのものに大きな変化はなかった……と思う。ただ――。
「家庭教師の授業のとき、たまたま手が触れそうになったんだけど、思いっきり避けられたんだよね」
「ええ……?」
「そのあとも何度か手が触れそうになるとこう、妙に身体を強張らせたり挙動不審になって、距離を取られてる気がするというか……」
正直、付き合い始める前の方がお姫様抱っこやら何やらもあったし、気付いてしまえばわかりやすいくらい顕著だった。加えて、付き合いたてにキスだとかハグだとかもされた分、余計に距離を感じたりもしてる。
「でも、それ以外はいつも通りだから、どれだけ考えても何が理由か全然思い付かなくて。だから、おうちで類に何か変わったことないかな~って思ったの」
腕を組んだ恵茉ねえが、難しい顔で『うーん』と唸る。
「莉音とLIMEしてるんだなってときは、相変わらず花が飛んでそうなくらい、デレッとしてるけど……。それ自体はいつものことだから、これと言って心当たりはないわね」
「花……?」
真顔で頷き返す恵茉ねえに対し、頭の中をはてなマークが飛び交う。
想像してみたものの、類のデレっとした顔というのがそもそもわからないし、花もなかなか結びつかない。首を傾げた私に、恵茉ねえは人さし指を立てた。
「あれよ。少女漫画で背景によく描かれてるふんわりした感じの花」
「ああ……って、え? 類がそれ飛ばしてるの?」
「しょっちゅう飛ばしてるわよ」
本当にどんな顔してるんだろう。というか、類の場合はふんわりした感じの花より、別の花を背負ってる方が似合いそうだ。ルイスだった頃も思い出した今だから尚更。
「薔薇とか百合みたいな感じなら、イメージとしてはまだわかるけど……それとは違うんだよね?」
「マーガレットとかライラックとか、もっとふんわりした花がふわふわ飛んでる感じ」
「え、何それ、私も見たい」
実際どんな顔してるのかすごく気になる。隠し撮りを頼もうかな、と思考を脱線させていたところに、携帯を弄っていた恵茉ねえがどこか楽しげに笑う。
「だからね、傍から見てると思うのよ。ああ、これがネットで見かけた『爆ぜろリア充』っていうヤツか……ってね」
「……じゃあ、なんで私避けられてるんだろ?」
「いや、私に聞かれても……。家じゃいつもどおりだし、それを聞くなら陸さんのが適任じゃない? 一緒にいる時間で言えば私よりも長いし、男の人目線でわかる事情もありそうだけど」
恵茉ねえの口から出てきた名前に、思わず唸って目を逸らす。
「陸先輩に相談するのは、少しだけ憚られるんだよねぇ……」
「どうして?」
「前世からずっと頼りっぱなしなところがあるから、これ以上負担かけるのは躊躇われるというか、申し訳ないというか……」
「当の本人は気にしてないみたいだけど? ほら」
そう言った恵茉ねえが見せた携帯に映ってるのは、LIMEの画面だ。
――今、大学の学食にいるんだけど、今から莉音ちゃんと二人で遊びに来たら諸々解決すると思うよ。
そこに書かれた届いたばかりのメッセージは、言わんとすることはわかるものの、ちょっとばかり端的過ぎて意図がよくわからない。
そんなメッセージに首を傾げた私に、恵茉ねえは立ち上がると伝票を片手に、『ほら行こう』と空いた手を私に差し出したのだった。
***
「うん、ごめん。悪いんだけど、もう一回言ってくんない?」
そう言ったのは、何やら軽快な動きで操作していた携帯をテーブルに伏せた陸だ。浮かべた笑顔はどこか引き攣っていて、その目は『何言ってんのお前』と言わんばかりだった。
聞いてなかったわけではなさそうな親友に、恥ずかしい気持ちを抑え、今し方言ったことをもう一度口にした。
「だから、その……莉音と手を繋ぐのってどうしたらいいと思う?」
そう問いかけたら、陸はテーブルに肘をついてそのまま額を押さえると、盛大なため息を吐き出した。それはもう、呆れがこれでもかというほどに滲み出た、とても長い長いため息だった。
「ものすごい真顔で持ち掛けられた相談が手って……」
息を吐き出しきった陸は、頬杖をつきながら胡乱な目でオレを見る。
「あのさぁ……、お前、前世では手繋ぎまくってたじゃん。エスコートと称して、恋人になる以前から」
「ぜ、前世と今じゃ違うだろ……!」
「だとしても、だよ。お互い子供がいた頃を含めて思い出してるのに、今更なに初心なこと言ってんの?」
真顔でそう言われ、思わず言葉に詰まる。前世の夢は、以前より頻度こそ減れどたまに見ていて。その中には、童貞には少々刺激が強すぎる記憶もあるし、陸の言う子供たちの記憶もある。
だから、陸が言わんとすることもわかるし、莉音も記憶があるのだしと思わなくもない。だけど……。
「今のオレが好きなのはリオンじゃなくて、莉音だから。前世の経験を前提に判断するのは躊躇うというか……」
そんなオレに、陸は頬杖をついて呆れ顔で言う。
「もっと肩の力抜いてもいいと思うけどねぇ」
「その……、一度告白を切り捨てたときに言ったのが、その……前世のリオンと重ねてることで……」
「重ねてると思われたらややこしいことになる、と?」
頷いて返せば、本日二度目のでかいため息が返ってきた。
「理由はどうあれ、そこは莉音ちゃんの気持ちに本音で向き合おうとしなかった類の自業自得でしょ。土下座して謝り倒してでも誤解を解けばいいじゃん」
「土下座はしたし、謝りもした。莉音も許してはくれたけど……」
「万に一つでも同じ轍は踏みたくないし、そうなるのはお前が嫌だ、と。……まー、今の悩み方が後ろ向きじゃないだけマシかぁ」
そう言うと、陸はこめかみを押さえて考え込んだあと、苦笑いを浮かべた。
「ていうか、類さぁ、もしかしてなんだけど。元カノと付き合ってた頃、自分からは一切動いてなかった、なんてことは?」
「そんなことは……」
ない、と言おうとして、言えなかった。よく思い返すと、手を繋いだりキスをした記憶こそあるものの、基本的に彼女に請われて、だ。自分から望んでそれをしたことがあるかと言われると、パッと思いつけない。
それに今更気付いて言葉を失う中、陸がため息交じりに言う。
「あるんだね」
「……かもしれない」
恋だの好きだのよくわからないからと、元カノのときも最初告白を断ろうとした。けど『わからないからこそ試しに付き合ってみない?』と言われ、それを断るだけの理由が当時のオレにはなかった。それが元カノと付き合うことになった経緯だ。
真面目に相手を好きになろうとはしたし、いわゆる恋人がすることに関してはドキドキもした。けど、正直なところを言うと、『恋人なんだから』と言われて流されていた感が否めない半年だったように思う。
「つまりあれだね。自分から積極的に動く恋愛が初めてで、どうしたらいいかわからない、と」
残念すぎる事実を羅列され、条件反射的に言い返そうとして……できなかった。
前世は前世で、天然なリオンの行動に引っ張られる形で前に進んでいた節が正直ある。そこへ思い至って遠くを見るオレに、陸は生暖かい眼差しを向けた。
「別に悪いことでもないし、心のまま動けばいいんじゃないの?」
「そっ、それもそうなんだが……」
指摘されたことに思わず視線を泳がせる。
「感情のまま動くと、それはそれで後で冷静になった瞬間に恥ずかしくなるんだよ。後になると、なんでできたのかがわからなくなるし、意識すると緊張して上手く動けなくてだな……」
「恋する乙女か」
「……さすがにそれは勘弁してくれ」
情けない自覚こそあれど、乙女と言われるほど男を捨てたつもりはない。
両肘をついて項垂れたオレに、陸は小さく息を吐いた。
「なら男らしく、手の一つや二つ握りなよ?」
「言いたいことはわかる。わかるけど、我慢しなくていいとわかったら、莉音があまりにも可愛すぎて……。勢い余ってやり過ぎて引かれないか、と……」
「……ナチュラルに惚気たかと思えば、どうしてそこで変な方向に拗れてヘタレんの、お前……」
ドスッと突き刺さった言葉に思わず唸る。前世でも今世でも、言われる度に否定していたそれが正しかったと認めざるを得ない状況に黙り込むと、陸は頬を掻きながら言った。
「もういっそ自然に任せたら? ――って言いたいところだけど、そうできるならそもそもオレに相談なんて持ち込まないか」
本日何度目になるかわからないため息に、とてつもなく面倒なことを言ってる自覚もあり、申し訳なくなる。ただ、できれば――。
「自然な感じで、莉音に引かれない程度に触れるにはどうしたらいいかが知りたいんだ」
そう言うと、陸はポカンとしたあと、今日一でかいため息を吐いてジトッとオレを睨んだ。
「あのさぁ、恋愛相談受けてるオレが、前世合わせて年齢=彼女いない歴なの忘れてない?」
「けど、女心には詳しいだろ?」
「それはお前が疎すぎっていうか、今まで興味持たなすぎただけだから」
呆れ顔で断言したあと、片手でサクサク携帯端末を弄り、画面を見せながら彼は続けた。
「試しにこの辺の本でも読んでみたら?」
「これなら読んだけど、莉音に通じなかったり、想定外のことが起きて空振ってダメだった」
「……マジ? あー……でもまぁ、莉音ちゃん、今世でもちょっと天然なとこは変わらないしねぇ」
顔を引き攣らせた陸は、困り果てた様子で頭を掻く。天然じゃなければ通じたのかはわからないものの、莉音に通じないことだけは確かで。だからこそ、色々悩んだ末、今に至る。
そんなオレの肩をぽんと叩き、陸はにっこり爽やかすぎる笑顔で言った。
「よし、ここはもう何も考えずに、直球で当たって砕けろ」
「砕けたくないから相談してるんだけど……」
当たって砕けて、オレがダメージを負うだけならまだともかく。最悪、それで莉音をまた傷付けて泣かせることになったら、いろんな意味で立ち直れる気がしない。
『んー』と両手を頭の後ろに回しながら、陸は思案顔で言う。
「類の場合、地が人たらしなとこあるし、マイナスに考えて変にあれこれ策を弄するよりも、素直に言うのが一番もあると思うんだよねぇ」
「たらしこんだ覚えはない」
「そういう自覚のないとこは、お前のいいとこでもあり、タチの悪さでもあるよね。その様子だと、病院内にファンクラブできてるの、まだ気付いてないでしょ」
「……は?」
全く想定外の台詞に、思わず目が点になる。陸曰く、コメディカルに対する態度や患者に接するときの姿勢が『硬派で誠実な人』ということで好印象らしい。
「こっちは学生の身で学ばせて貰ってるんだから、当然のことしかしてないし、それを言うなら陸だって同じだろ」
「わかってないねぇ……。硬派だから、隠れファンができてるんだよ。オレは誰かさんの言葉を借りるなら『チャラ男』だから」
訳知り顔でヤレヤレとばかりに肩を竦めて見せる陸の言葉に納得できず、思わず眉を顰める。そんなオレの肩を陸はポンポンと叩いた。
「まぁ、とにかく、だよ。やましいことがないなら言えるだろうし、試しにオレを莉音ちゃんだと思って素直に言ってみなよ。予行練習、予行練習」
カモンとばかりに、陸が手をクイッと振る。設定に無理がありすぎだろと見つめるも、『いいからやれ』とばかりに、やや苛立ち混じりの視線が返って来た。
思いの外、真面目な提案だったらしい親友の様子に、ものは試しかと考え直し、口を開いた。
「……か」
「ん~? 聞こえないなぁ。莉音ちゃんとどうしたいって?」
わざとらしく耳に手を当てて、煽るように告げられた言葉に、半ばヤケクソになって声を張り上げた。
「手を繋いでもいいか!?」
「……手?」
「そう! 手を、……え?」
繰り返された言葉に勢いで返しかけたものの、陸とは違う、でも聞き慣れたソプラノの声に固まる。『いやいやまさか、ここにいる訳が……』と思いつつ振り返れば、そこには目を丸くした恋人と、残念なものを見る目をした従妹がいた。
「莉音と恵茉が、なんでここに……」
二人がいること自体は何らおかしくないけど、用事がなければ来ないことも知ってる。だから学外のカフェじゃなく、ここを敢えて選んだのに、一体いつからどこまで聞かれてたのかと、混乱する頭で自分の言葉を記憶から復習う。そんなオレに答えたのは、ジト目をした恵茉だった。
「陸さんにちょーっと相談したいことがあって連絡したら、ここを指定されたから来たんです」
「たぶん、これで解決したんじゃない?」
「……ですね」
苦笑しながら言う陸に、恵茉は心底呆れた様子で一つため息をつく。これで解決ってどういうことだ、と陸を見るも、完全にスルーされた。
「恵茉。うちの学食、デザートも結構行けるんだけど、何か食べる?」
「あ、じゃあオススメ教えてください」
「オーケー、任せて」
そう言って、陸が軽快な動きで席を立つと、彼の背を追うように歩き出した恵茉は、呆けている莉音を振り返った。
「というわけで、私は陸さんと席を外すから、戻るまでにさっさと本人と話しちゃいなさい」
「えっ、ちょ、恵茉ねえ!?」
恵茉の行動は莉音も予想外だったらしく、素っ頓狂な声があがる。意に介する素振りもない恵茉たちは、軽い足取りで食券機の方へ向かい、状況に戸惑うオレ達だけがその場に取り残された。
一般人にも開放されている学食ではあるものの、制服姿の莉音の姿はいろんな意味で目立つ。向けられた好奇の視線に、オレはとりあえず荷物をどかして空いたスペースに彼女を座らせた。
莉音は莉音で現状に混乱してるようで、しばし無言の沈黙が続く。そんな中、恵茉が言っていた言葉を思い出し、一先ず自分の悩みは横に置いて問いかけた。
「オレに話って、どうしたんだ?」
そう問いかけると、彼女は躊躇いがちに制服のスカートを握り、小さな声で言った。
「えと、その……。類、最近どうして私を避けてるのかなって」
「え?」
言われた内容の意味がわからなくて、思わず目を瞬かせる。そろーりとオレを見上げた青い瞳は、本気で聞いているとわかるほど不安げに揺れていて、戸惑いを隠せなかった。
「オレ、いつ莉音のこと避けた?」
「そ、その……手が触れそうになったときとか、避けてる感じがしたんだけど」
そう言われて、思い出したのは、自然を装って手を握ろうとしたものの、その前に手の甲が当たって思わず引っ込めたときのことだった。
まさかと思いつつ、よくよくそのときの行動を思い返すと、見ようによっては避けてるような動きだったことに気付く。しまったと思うと同時に、陸が言った『これで解決』の言葉の意味も概ね理解できてしまって、思わず顔を覆う。
「さっきのは聞いてた……んだよな?」
「うん。陸先輩が『莉音ちゃんとどうしたいって?』って言った辺りから」
その前の会話を聞かれていなかったのがせめてもの救いかと思いつつ、半ば清水の大舞台から飛び降りるような気持ちで腹を括った。
「誤解させて悪かった。けど、避けたかったんじゃなくて、逆に手を繋ぐタイミングを探ってたんだ」
「……前に陸先輩化もしてたのに、今更?」
「だからしてないって。あれはとにかく気持ちを伝えることしか考えてなかったからできただけで、陸のように上手くやれるなら、今相談なんてしてない」
そう言うと、しばらくシーンと静まり返り、チラリと隣を見ると、呆気に取られた瑠璃の瞳と目が合う。その目に映るオレは真っ赤な顔をしていて、さらに恥ずかしさがこみ上げた瞬間、『ぷっ』と莉音が吹きだした。
さすがに悪いという気持ちがあるのか、口を両手で隠しているけど、どこか嬉しそうで楽しげな笑い声は洩れ聞こえているし、両肩は小刻みに震えている。正直、ものすごく情けないやら恥ずかしいやらで、穴があったら入りたい気分だ。
「あんまり笑うなよ」
「だって、まさかそんな理由だと思わなくて……ふふっ」
さっきまで浮かんでいた不安を払拭できたことはホッとしたものの、代わりにものすごく顔が熱い。
恋人になるまで何かと情けないことの連続だったし、一度は酷く傷付けた分、これからはスマートでカッコいい彼氏を目指そうと思っていた。だから恥を忍んで陸に相談を持ちかけたのに、どうしてこうなったのか。
現状に思わず頭を抱えそうになるのを堪え、咳払いで誤魔化した。
「とっ、とにかくだ。オレは莉音と手を繋ぎたいと思ってるんだけど、その……いい、か?」
「もちろん」
そう言って、莉音が躊躇いもなく手を差し出す。そのあっさり具合に、少しばかり拍子抜けしてガクッとなりそうではあったものの、それ以上に安心感と喜びが大きかった。
差し出された右手を掬うようにそっと握る。オレよりひとまわり小さい掌は柔らかくて、とても暖かかった。
その感触に思わず顔が緩む。すると、目を瞠った莉音が、何故か頬を赤く染めた。どうしたのかと聞いても『なんでもない』と微笑むばかりで。念のため、額に触れても熱もなく、理由はよくわからなかった。
理由がわからないことは気がかりなものの、それはそれとしてはにかむように笑う姿も可愛いからまぁいいか、なんて思ったときだった。
「あー、二人の世界入ってるとこ悪いけど、ここ学食ってこと忘れないでねー」
いつの間にか戻ってきた陸の言葉にハッとして、莉音もオレも思わず手を放す。気付けば、陸と恵茉からだけではなく、周囲にいた利用者からも生暖かな視線を向けられていて、気まずさから思わず目を彷徨わせた。
そうして、振り返った先で瑠璃色の瞳とかち合えば、莉音も気まずそうな様子で頬を真っ赤にしていて。たぶん、オレも似たような感じだったんだろう。
お互い思わず吹き出し、小さく笑いあったのだった。




