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-答え合わせをしたいんだ編・夏- 

U木家の居間にて、恋愛ドラマを見るU木家長女(U木先輩)。

以前は何も感じなかったテレビの中のじゃあれ合うカップルを誰かと誰かに置き換え今は胸を高鳴らせ、真剣に見入っている。


翌日、ある高校では終業式を終え、教室で通知表が配布されている。

男二人が前後の席で談笑している。


E村「試験も終わって、補習もギリセーフで、これ(通知表)も無事もらったし、明日から夏休みだな。今年も彼女なし、部活漬けの毎日になりそうだよ…お前も似たようなもんだろO原。」


O原「ふっふっふっ、それはどうかなE村君。」


E村「おいっ、抜け駆けか、O原このやろう!相手はだれだ、このクラスの女か?」


余裕ありげな表情でE村に答える。


O原「さあねぇ~」


E村「…わかった。水泳部内だな。今度覗きに行くからな。」


O原「来んでいい。」


E村「…水泳部で思い出したけど、あの部に美人でかなり男っぽいU木っていう2年の先輩いるだろ?実はあの人の親父さんがうちの部(空手部)にたまにコーチに来てるって知ってた?」


O原「知ってる。素手で熊殺したんだろ。」


ニタニタ笑いながら、E村が話し続ける。


E村「らしいなぁ。だから、うちの部内ではU木先輩に手をだそうと思うバカ(な奴)はいないんだけど…。最近、あの先輩って妙に色気が増した気がするんだよなぁ…、マジやりてぇ〜。」


O原「おいっ、何言ってんだ!!」


E村「男ができたのかなぁ…部内ではどんな感じ?」


O原「さあなぁ!!」


O原の怒気を気にもせず相変わらず、ニタニタ顔でE村が言い放つ。


E村「付き合ってる男に会ったらいちよう忠告しといてやれよ。親父恐いぞって。」


悲痛な顔でO原が答える。


O原「わかった伝える………。」



部活終了後、いつものベンチで手をつなぎながら、談笑する男女。


O原「どうしたんですか先輩?そのおでこ?」


U木「ああ…起きたらでこにできてたんだこのニキビ。あんま見んな。」


O原「ニキビ潰しちゃだめですよ。綺麗なおでこが台無しになります。」


U木「わかってるよ。そんでもってこれができた原因もわかってる。知ってたか?ニキビや吹き出物ができるのはストレスのせいなんだってさ。」


O原「?、心当たりあるんですか?」


U木「…お前、前に親父の話ししてから俺を避けてないか?部活後のラーメンも最近誘ってこないし。」


やや単調なトーンでO原が答える。


O原「そんなことないですよ。」


U木「俺の顔を見ながらいいなさいそういうことは。」


U木に両手で顔を挟まれ、無理やりに目を合わさせられる。

彼女から最近する甘い香水の香りが鼻腔を刺激する。

そのことも相まって目を泳がせながら、小さい声で正直に話す。


O原「すいません、(親父さんに)びびってます。」


真っ直ぐな目でO原を見ながら、U木が思いを語る。


U木「…昨日、今まで全然気にもしなかった恋愛ドラマを見た。俺もあんなことしたい。学校以外でも会いたい。」


O原「すいません。」


いつも凛としている彼女が大きな瞳を濡らしながら、思いを語る。


U木「…俺はたぶんO原と付き合い始めてから少しずつ変わってるんだと最近、よく思うんだ。」


O原「…。」


U木「前は、鏡もそんなに見てなかったから、こんなでこのニキビも誰かに言われるまで気付きもしなかっただろうし、見付けたってすぐ潰してた。ましてニキビのできる原因なんか気にもしなかった。」


O原「…。」


U木「今じゃお前と付き合う前とは違う女の子らしい知恵もちっとは身につけちまった。興味があんまりなかったファッションやお肌の手入れとかな…。前にお前が言ってた「宿題」の答えって、たぶんこういう行動だよな?」


O原「…。」


U木「お前を好きになって、お前に喜んでもらいたくて、お前の真剣な思いに答えるために自分自身を磨いてる。無意識に行動にでちまってる…俺の思い伝わってるよな?」


O原「はい。」


U木「それだけか?」


O原がU木の両手を両頬から離して祈りのポーズのように重ね、自分の手でそれを包み込み、目を見て改めて、思いを伝える。


O原「U木先輩、好きです。…今度の花火大会に一緒に行きませんか?手をつないで、屋台回って、一緒に花火を見ましょう。もちろん全部、僕のおごりです。」


鼻をすすりながら、表情をゆるめ、U木が答える。


U木「最後に付け足したのがグットだな。」


手を離し、利き手でサムズアップをし、O原が一言。


O原「それは、良かったです。」


離された手を名残り惜しげに見ながらも、U木が小指を立てる。


U木「約束だからな。」


O原も小指を立て、差し出された小指に自分の小指を絡め、笑顔で答える。


O原「約束です。」



※U木先輩はちょっと子供っぽいところがあります。

楽しんで頂けたら、幸いです。

さあ、次がラストです。13時にアップします。

原型はほぼ5年前に書いているものですが、感慨深いものがあります。


道 バターを宜しくお願いします。


他にも作品をアップしています。

作者ページを見て頂きますとなんと!?簡単に見つかります(笑

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