-携帯持ってないってどういうことなんだ編・夏-
昼休みの屋上。ベンチにて待つ女が一人。女の隣には2つの弁当箱。
そこに一人の男が箱状の何かを持ち近く。
U木「おう、O原。」
O原「すいません、U木先輩。遅れて」
U木「ああ…大丈夫、暑いけど。」
O原「お詫びに冷たいものでも、お納め下さい。」
U木が紙パックのジュースを片手で受け取りつつ、一言
U木「おっ、気が利くな。」
O原「いつも、昼ごはん作ってもらってるお礼ですよ。気にせずに」
U木「そうか…できれば炭酸がよかった。」
O原「…うち学校の自販機に炭酸売ってないの知ってて言ってません?」
U木「うん。冗談だ。…とりあえず日陰に行こう。」
O原「はい。」
・・・昼飯中・・・
O原「やっぱり、美味いですね先輩のメシ。」
一度目をつむり、カッと見開き、O原を見ながら、口を開く。
U木「そうか………、最初は一回だけって約束だったような気がするが…。」
O原「そうでしたっけ?」
U木「とぼけやがって。でも、喜んで食ってくれてるのは素直に嬉しいな。」
・・・食事終了、小休憩中・・・
ベンチに座りながら、食後に水筒に入れ持参したコーヒーを紙カップに注ぎながら、男が女に話しかける。
O原「先輩。なんで携帯端末、持ってないんですか?不便じゃないですか?」
U木「…ああ、携帯ね。親に反対されてる。」
O原「?、珍しいですね。なんでです?」
U木「ゲームや動画ばかり見て、勉強しなくなるのが嫌なんだと。後、親父が言うには「悪い虫がおめえにつかねいように渡さない。」だそうだ。」
O原「結構親父さん、厳しそうな人ですね。」
U木「ああ、厳しいぞ親父は。昔、熊を素手で倒したって噂が流れてたくらいの空手家で今でもたまに空手の師範として指導してるんだが結構厳しくて有名らしい。」
O原「…。」
U木「ちなみに、たまにうちの(学校の)空手部の指導できてるぞ。」
やや眉が下がり表情を曇らせながら、O原が低い声で言う。
O原「えっ。…先輩、ぼくと付き合ってること親父さんに言ってたりしますか?」
U木「言うわけないだろ。」
O原「そうですか…、よかった。」
U木「びびってんのか、悪い虫。心配すんな親父には言わねえよ。お袋には言ったが。」
O原「それもう言ってるのと同じじゃないですか!!」
U木「大丈夫、お前が熊より強くなればいい。」
U木の顔を見ずに下を向き、呟く。
O原「無理です。」
U木「大丈夫だよ。自信持て。」
落ち込む、O原の横顔にU木が軽くキスをする。
O原「えっ…先輩。」
頬を少し赤くしながら、余裕があるような態度でO原に言い放つ。
U木「景気づけだ!コレで熊殺しと真っ向勝負だな後輩?」
顔を上げ、キスされた頬に片手を当て、U木を見ながら
O原「うっ、死力をつくします…元気なくなったらまたお願いします。」
U木「…バカ。」
※U木先輩の実家は米屋です。そのせいかU木父は筋肉が引き締まっています。
楽しんで頂けたら、幸いです。
次の話が物語の核だと思っているお話です。
12時くらいにはアップ出来そうです。
あと2話ですのでお楽しみ下さい。
書いてから、判明しましたが…、次の2話は普通に長いです…。
その分中身が濃いめです。
道 バターを宜しくお願いします。
他にも作品をアップしています。
作者ページを見て頂きますとなんと!?簡単に見つかります(笑