-付き合うってなんだ編・夏-
ある高校の放課後、本日の部活終了後。
ベンチに座り、何かを口に塗っている女。そこに男が現れる。
O原「お疲れ様です。U木先輩。」
U木「お疲れ、O原。」
O原「あれ?先輩、リップなんてしてましたっけ?」
U木「うっ、…たまに塗ってる。あんまりじろじろ見るな。」
輝く唇を見つめ、男がぽつりと呟く。
O原「………。先輩、キスしません?」
U木「なっ!?」
O原「じゃあ、接吻?」
U木「一緒だろ!できるわけないだろ!!だいいちまだ俺たち付き合ってないし。」
O原「…先輩。付き合うってなんなんっすか?」
U木「だから俺に聞くな…あれだ。男と女のどっちかが告白してだな、返事がOKなら付き合うと。」
O原「そんな手順が必要と…でも、それって男女が互いに好きであればOKなんじゃ?…ぼくたちはどうなんッスか。」
U木「だから…、おめえは俺が好きで、俺はおめえといると凄く心地いい。…たぶん好きだ。」
O原はテンションが上がり思わず、一歩近付き、言う。
O原「じゅあ!!」
一歩分、O原から離れ、不安そうな顔でU木が叫ぶ。
U木「じゃあ、じゃねえ!!…待ちな、さい。なんか最近、経験してないことばかり起きて、心の整理が間にあってない。好きがなんなのかも、わからねえんだ。」
O原「待ってなんかいられないって気持ちがありますが、先輩の気持ちもよくわかります。でも…、付き合うのはOKなんですよね?」
O原から顔を背け、U木が小さい声で一言。
U木「…うん。」
O原「うぉーーーーー、ヤッターーーーー!!先輩。これから堂々とイチャイチャしても良いですよね。」
U木「バカかお前は。」
O原「はい!で、付き合って早々、先輩にお願いがあるんですが…。」
U木「なんだ。…お前、こんなに図々しかったか?」
O原「明日、昼を一緒に食べませんか?」
U木「…まあ、それ位ならいいけど。」
O原「それで、先輩はお弁当を自分で作るって言ってましたよね。出来ればそれをもう一人分作ってもらえることは…、だめ?」
U木「なんて、厚かましい。…そんな目で見るな!!」
O原「ホント、1回だけでもいいので。」
U木「…わかったよ。でもあまり期待するなよ。」
O原「はい!じゃなくて、いいえでもなくて。」
言葉を聞き、少し表情を崩し、U木が一言こぼす。
U木「何を焦ってんだよ。…なんかお前の顔を見てると俺も楽しくなってくるな。」
O原「そっ、そうですか。顔、熱くなってくるな。」
U木「………。たまご焼きは、甘い派?辛い派?」
その一言に少し安堵、自然と笑顔になり、U木を見る。
O原「…」
U木「…なんだ、そのいやらしい顔は。」
O原「いえいえ。」
U木「なんだよ!!」
※U木先輩は弁当自炊系女子です。
楽しんで頂けたら、幸いです。
道 バターを宜しくお願いします。
他にも作品をアップしています。
作者ページを見て頂きますとなんと!?簡単に見つかります(笑