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8 爆発は2度起こった

凛の父が亡くなった、2年前の研究所の爆発事故。


親友のクロスは、秘密裏に調査をして、情報を掴んでいた。




「久しぶり、凛」


「ええ、クロス」


2人がいつも会うBAR。


「相変わらず、美人だね。出会いはあったかい?」


「・・クロス。何か解ったの?」


「付け入るスキなしか。・・調べた結果。これを手に入れたよ」


書類。そこには、当時の研究所、爆発後の、後処理をした業者の一覧がある。


「凄い、どこで見つけたの?」


「君のUSBがヒントだよ」


20社ほどの一覧表。株式会社。

そして、右側に赤字で、

(倒産)

(倒産)

(倒産)

と並んでいる。


「え、多すぎない?」


「そうだね、あと。問題は日付」


3月31日 倒産

3月31日 倒産

3月31日 倒産


並んでいる。


「同じ日付けだわ。・・明らかにおかしい」


しかし、1つだけ。


大漁丸(株)  ーーー


「この会社は何?まさか、倒産してないの?」


「解らないけど。調べる価値はありそうだね」


「そうね。でも、私は、蔵戸卿のオペがあるから、外出できないの。石田教授に止められてて・・」


「知ってるよ、僕が行くから安心して」


「ありがとうクロス」


「定期的に連絡するよ」



ーーーーー


漁港。漁船がたくさん並ぶ中、クロスは当時の

大漁丸(株)


へ向かう。

成田から飛び立ち南へ、計5時間を経てたどり着いた。


4月だというのに暑い。


ーーー


「こんにちは。大漁丸㈱の事で伺いました」


寂れた事務所。


・・・


静まり返っている。誰も居ないらしい。しかも電気も通ってなくて、鍵もかかっていない。


辺りをうかがう。西に山が見える。当時、研究所があった方角。今は爆発の時、まき散らされた危険物質の影響で、立ち入り禁止にされている。入り口を警備員が見張っている。


そこの畑に村人がいる。


「すみません」


「・・なんばしようと?」


「あの、大漁丸はどちらでしょう?」


「・・あんた関係者とね?」

「はい?」


「・・海ばい」


去っていった。何を警戒していたのか。


ーー 漁港。


1隻の船が帰ってくる。


上田丸。名前が違う。


しかし、それっきり船は来ない。結局、目当ての船、大漁丸は来なかった。陽も落ちてくる。

仕方なく、船員らしき人に


「すみません、聞きたいことがあります」


「どげんしよった?」


「大漁丸は、どちらでしょう?」


「・・関係者と?」


「いえ、違います。・・雑誌の取材でして」

そう言っておかなければ、また警戒されて逃げられそうだ。


ーーー


「東京から?こぎゃんとこまで」


「ええ、それで大漁丸は、地元では有名な漁業者だったらしいですね?」


「そらもう。あんな活躍しとったのに」


「何があったんですか?」


「ばってん、爆発を見たけん、それで現場変えられよったと」


「爆発?」


「海沿いの研究所やけ。わしも好いとーて、残念ばい」


ーーー


凜へと電話するクロス。


「大漁丸㈱は、研究所の爆発を海から目撃してたらしいよ」


「そうなの?」


「うん、それで、今、海の向こうに(大漁丸)が、いるらしい」


「え?」


「漁業に出てるんだって、帰るまでここで待ってみるよ」


「解った。気を付けて。あ・・父の研究所はどんな感じ?」


「ああ、相変わらず、立ち入り禁止だよ。お役人が見張ってる」


「そう・・」


凜は何とか行きたい。と思っていた。爆発があってから、1度も行けてない。事故の後直ぐに、石田教授と共に、東京に引っ越した。


「凛はどうなの?変わりあった?」


「いいえ、特には。相変わらず忙しいけど」


「・・そっか、それじゃ、また」


「あ、クロス?ありがとう」


「いいんだよ」


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