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6 生存者

2年前の冴木研究所、爆破事故、に巻き込まれて重傷を負いながらも。


奇跡の生還した者がいる。

2年前 冴木研究所。


庭で誰かが話している。


「こんにちは!おじさん、何してるの?」


「凜ちゃん。草刈りだよ。身体は大丈夫なのかい?」


「うん、良くなってきた。面白そー、やらせて」


「いいよ、気を付けるんだよ」


研究所の、清掃員として働いていた、篠原健。凜とよく遊んでいた。

彼は見ていた。


「おじさん、またねー!」


一頻り遊んで、手を振る凛。研究所内へと帰る。


凜を見てると、里の娘を思い出していた健。

来月来る。

会うのが楽しみだった。



ー1カ月後


ある日、出勤した。晴れている。いつもと変わらない朝。研究所は静か。人影が少ない気がする。

いつもと同じ平和な日。


・・それが突如、地獄になった。


目の前がブラックアウトする!!

世界は終わった。

実感した。


ーやがて、激痛と共に目が覚める。


「・・・」

何が起こったのか?篠原健は、覚えていない、話せない。

炎に囲まれ、そこはどこか別の場所のようだ。

変化が大きすぎて、付いていけない。


手にはぐにゃりとしたものが?草刈り機?


熱い?逃げなきゃ・・木が燃えている。


しかし、記憶も頭もボーっとしている。なんとか立ち上がり歩くと、引きずりながら、

地獄から離れ始める。


木がなくなったため、景色が見通せる。前には海。船。炎。


ーーそして、


何かが爆発した。



衝撃と共に再び気絶し、真っ暗になる。



ーー現代。


クロスは、国立総合医療センター、凛の働く、メンタルケア科に居た。


「今の話は本当かい?」


「・・はい」


目の前に居るのは、看護師の篠原 夕。 


「あたしの父は、2年前、研究所の爆発に巻き込まれて重傷を負いました」


爆発から奇跡の生還をした、清掃員は、夕の父。 

その後自力で、脱出し、夕が助けた。


「父は(夕、人目のない場所へ逃げるんだ・・)と言い、意識を失いました」

「何かを恐れているようでした。追われているような・・あたしは悲しみながら実家へ車で逃げて、隠れました。家で父を介護をしながら」


「・・そんなことが」

いつの間にか、凜も居た。


「・・はい。隠していてすみませんでした。父が、なぜあんな事になったのか、知りたくて、2年前の事件当事者の、凜先生の居る、この病院で働くことにしたんです」


「私と同じだわ」

凛の境遇と似ていた。


「・・・」


「話してくれてありがとう、篠原さん」

夕は去った。


ーー


「・・・」

凛とクロスは考え込む。爆発の凄まじさ、生還者の体験。


そして、


(何かが爆発した)


「証言では、(また爆発した)って事だけど」


「どういうこと?」


「そうだな、あくまで予想だけど」

「うん」


「被害者は、意識がブラックアウトした。でも奇跡的に、生還して、目覚めた」

「そうね」


「そして・・再び気絶した」


「どうして?」


「・・2回爆発が起こったんだ」


「え?」


「そう考えるのが普通だね」


「なんでそんなことが?誘爆?」


「その可能性はあるけど。別な、爆発。が2回。とも取れる。

・・爆発原因が2つ。1つは、君のお父さんが起こしたものと・・」


「・・・」

凜は不機嫌そうだ。


「もう1回は・・深い意味があるのかもしれない」


「でも、そんな・・おかしいじゃない、色々と?」


「・・」


「2回って、じゃあ、2回目の爆発は何?なぜそんな発想になるの?・・私は夕さんの妄想だと思うわ」


「そうかもしれない。だから・・確かめに行く」


「え?」


「現地へ」

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