5 人体実験
石田博士からの電話
動き出す。研究、実験
「凛先生、電話です」
「もしもし?あ・・石田教授」
顔付が、不愉快になる。凜は裏切ったと思って怒っている。
「・・え、本当に?そんな、待ってください・・!」
凜は声を上げる。周りが何事かと見る。
電話を切ると、
「・・ごめんなさい、今日はもう帰るから、後はよろしくね」
「は・・はい」
看護師 篠原 夕 に言うと、足早に外出する。
「先生どうしたのかな?」
「決まってるでしょ夕。彼氏でしょ。石田博士と出来てるんだもん」
「やめなさいよ!そういう事言うの!」
ーー向かった先は、石田研究所
「博士、なぜ・・人体実験するんですか?」
「フフ、その言い方はないだろう?脳内シナプスコントロールは、元々君の父の研究なんだぞ?」
「それだったら尚更やめてください!」
「見ろ、これを、世間は一斉に注目してる」
大勢のマスコミ。
「何てことなの・・」
「さて、患者だが」
パソコン画面。
そこには、
倉戸 卿 19歳。
「この子は、この前来た・・」
「脳の腫瘍でな、君の病院に入院している。そうか、会ったか」
「・・まさか、この子が父の研究の、被験者なの?」
「それは自分で確認しないとな凛。君も医者だろう?予約は取ってある。面会してくるんだ」
ーーー
「・・私は冴木凜。あなたは?」
「倉戸卿」
薄暗い部屋。簡易的な机と椅子。向かい合ってる。
「あなたはどう思うの?」
「・・・」
「この病気について」
「・・・」
「正直に答えればいいの」
「・・ああ。ゲームが、終わりそうなんだ」
「?」
「1日中やってるから、お陰でクリアできそうだ」
「・・そう。それは、良かったわね。でもこの脳の病気は・・」
「・・あんたは?」
「何?」
「何を悩んでる?」
「私が?悩む?」
「そうだろ?」
「・・ええ、そうね、人に悩みは付き物だわ」
「俺の事が知りたいんなら、自分の事も言えよ」
「・・そうね、言う通りかも。私の悩みは、
・・あなたを治す方法よ」
「父の研究、脳内シナプスコントロールを、使って治すか、化学療法で、あなたを治すべきか?って事」
「・・・どっちが治る?」
「・・・」
「正直に」
「それは・・父の研究よ」
「以上だな」
2人は別れた。
ーー
「結論は出たか、凛?」
「・・ええ」
「そうか、では行くか」
石田博士と共に、記者会見に望む。
ー セカンド・ストーリー - pass クロス
「本当にするの?」
「お願い」
凜は、記者会見の後、BARに居た。
研究所、助手の、クロスと話している。
「石田博士はもうダメだわ。私の説得も効かない。脳内シナプスコントロール手術を強行する」
「・・そうだね、けどそれがそんなにまずい事なの?」
「どうして?」
「それで、脳腫瘍の卿くんは助かるんでしょう?それでもダメなのかい?」
「・・クロス」
凜は悲しげになる。解ってもらえない、そういう表情。それを読み取ったかのように
「・・解ったよ、何をすればいいの?」
クロスは凛に好意を寄せている。だから、理屈より、感情で助けてあげたいと思った。
「ええ、この中にある場所へ行ってもらいたいの」
USB。
「何が解るんだい?」
「私の知ってること全てよ」