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『無題』・・・prologue⑵
『無題』・・・prologue⑵
㈠
何処の誰でも、生きる意味はある。名前の無い国の、名前の無い国境の近くで、名前の無い人間がいたとしても、我々はそれを否定できまい。或いは、俺は俺だ、という基本規則からは、逃れられない。生きているから、その生命は、与えられたのだ。
㈡
突如始まる、交換神経の、所謂実在論において、我々が、俺とお前のために、祝福を挙げることが、どれ程、適切かと言う問題に、全てが変容するだろう。奇しくも、発狂の論理が、行き来する中で、天まで俺は、俺の存在を叫ぶだろう。
㈢
喧騒に立ち向かう人々は、戦争に立ち向かう人々に、酷似し、また、重ねて見られる。無駄、と言う現象が無い以上、生きることは、立ち向かうことだろう。無題だとする或る日の、行動にも、俺の俺としての生き方は、自分なりに把握している、俯瞰神経に於いて。